長谷鉱山の金紅石

1.初めに

茨城県常陸太田市の長谷鉱山では、自形結晶をした磁鉄鉱が産出する事で
有名な産地です。
平成11年3月28日に「鉱物同志会」の採集会が開催され、私も現地集合の形で
参加しました。
ここは、磁鉄鉱や小さな金紅石などの地味な産地なので、当初予定の
マイクロバス2台が1台になり、参加者は20名ほどでした。
採集風景

2.産地

茨城県常陸太田市のバイパスの国道349号線を北上し、「真弓」の表示のある信号の
次の信号で右折し、里川を渡り、長谷の集落に入る。
鉱山の入り口には、営林署のチエーンが張られ、車では進入できない事が多く、ここから
約1km歩くと、右手に長谷鉱山の露頭が見えます。

3.産状と採集方法

緑泥片岩に挟まれた苦灰石や灰簾石などがあちこちに見られます。 これらの、露頭や転石から、目的の磁鉄鉱、金紅石(ルチル)、チタン鉄鉱などを採集する。
ベンチカットの中段部に集中して金紅石(ルチル)、チタン鉄鉱などが採集できた。

4.産出鉱物

磁鉄鉱

緑泥片岩の中に、良く知られた八面体の結晶のほかに、塊状のものも産出する。
チタン鉄鉱は磁石に付かないが、磁鉄鉱 は、強烈に反応するので
すぐに解る。

チタン鉄鉱

緑泥片岩に挟まれた苦灰石、まれに緑泥片岩の中に、真黒で金属光沢を
もつ粒状結晶で産出。結晶面が見える場合もある。

金紅石(ルチル)

苦灰石の中のチタン鉄鉱に伴って、あるいは共生する形で産出する。
金黄色の針状結晶で、長くても5mm程度で、通常1mm以下です。
大きさが、ルーペサイズなので、全く採れない(分からない?)人も多かったの
ですが、私は幸い数個体採れました。

真珠雲母

灰緑色で硬い(ひすいのように、靭性が高く割りにくい)灰廉石の表面にある雲母で、
ここで産出する雲母はすべて真珠雲母 と思って、間違いない。

斜灰廉石

灰廉石に接して、赤銅色で産出。

滑石

雲母状の緑色で産出。モース硬度1と柔らかく、爪で簡単にぐずぐずになる。

菱苦土石

方解石に似た色、形で産出するが、滑石に接しているものは、菱苦土石とみて間違いない。

その他

水晶 、曹長石、ホーランド石、方解石、苦灰石などが産出します。
以前、ここで、黄銅鉱とそれに伴う孔雀石も採集できた。



<左>金紅石(ルチル) <右> 曹長石(10cm)

5.おわりに 

長谷鉱山は、現在稼行していないため、新鮮な露頭や転石が少なくなっており、採集が難しく
なってきています。
ここには、昨年の夏から3回ほど行っていたのですが、どこで何が採れるのかが分かりませんでした。
今回、大勢で行って、産状などが良く分かり、良かったと思っています。