骨董市での鉱物標本探し











        骨董市での鉱物標本探し

1. はじめに

    最近テレビの「何でも鑑定団」が人気で、骨董品が人気に
   なっています。私も、最近、鉱物採集の傍ら、各地の骨董市や
   骨董店を回って、鉱物や郵趣関係の掘り出し物を探しています。
    先日、群馬県の骨董市で神保先生著 鉱物教科書適用と謳う
   金石社標本部特撰「生徒用鉱物標本」を入手しましたので、
   紹介します。
    ちなみに、値段は、200円値切って1300円でした。
    ( 平成12年6月 入手 )

2. 骨董市

    ほとんど毎週土曜、日曜に関東、甲信越の地方都市で、骨董市が
   開かれています。毎月曜日を決め、骨董市を回って、鉱物や郵趣関係の
   掘り出し物を探しています。
    今まで、鉱物関係で入手した面白いものには、次のようなものがあります。

    (1) 接触測角計
      書物では見かけるのですが、現物を見たことがありませんでしたし、
      今時売ってもいませんのでのですぐ買いました。
    (2) 鉱物教科書
      明治〜大正〜昭和の「鉱物綱要」、「女子鉱物界教科書」など入手し、
     これらを読むにつけ、昔は、鉱業が一つの産業の中心を占めていた
     事が分かり、感無量です。
    (3) 鉱物標本
      業者が作成したものから個人で収集したものまで、各種あり、興味が
      尽きません。
      特に、長い間に標本のラベルが剥がれたものを標本箱の元の位置に戻す
     作業は、ジグソーパズルのようでもあり、鉱物図鑑と首っ引きで、買った
     あとも十分楽しめます。

3. 「生徒用鉱物標本」

    これは、文部省訓令中学鉱物科教授要目神保(小虎)先生著 鉱物教科書適用
   金石社標本部特撰「生徒用鉱物標本」とあるところから、旧制中学の教科書の
   補助資料として作成されたようです。正価1円50銭とあり、この時代の手紙の
   郵便料金が3銭でしたのでその50倍です。今の価格では封書80円の50倍で、
   4000円位でしょうか。

 (1) 標本の形式
      上下2段の標本箱をブック形式にまとめたもので、この形式はよく見かけます。
     一段には40枡あり、合計80の標本が収納されていました。

      
                    標本箱

      ブックの扉には、岩石・鉱物名と産地が一覧表になっています。産地名は、
     美濃国恵那郡苗木のように旧国名で表示されており、この標本が作られたのは
     明治時代のようです。

 (2) 標本一覧
      岩石21種、鉱物59種があります。岩石には、玄武岩/但馬国玄武洞産など、
     オリジナル標本をそろえています。
      岩塩(独逸)、燐鉱(ラサ島)、鋼玉(印度)など外国産のものや、角閃石
     (台湾台北紗帽子山麓)のように、その当時は日本で今は外国のものもあり、
     時代を感じます。
      また、国内の産地も、北は十勝国十勝川の黒曜石、肥前唐津港の砂岩から
     伊豆国八丈島のカン欖石まで全国を網羅しています。

      
               標本一覧

 (3) 甲斐国(山梨県)の標本
      私の家のある、山梨県の標本も幾つか収録されています。

      ・ 水晶(甲斐国金峰山)
      ・ 金鉱(甲斐国南巨摩郡保金山
      ・ 磁鉄鉱(甲斐国中巨摩郡奥千丈岳)
      ・ 重石(甲斐国乙女阪)

      これを見ると、葡萄と水晶は矢張り山梨県というのが、よく分かります。
      甲斐国中巨摩郡奥千丈岳産の磁鉄鉱は初めて知りました。磁石を近づけ、
     初めて磁鉄鉱である事が分かる標本です。
      甲斐国乙女阪(乙女坂で今の乙女鉱山)の重石は、明治31年に巨智部博士が
     ライン鉱は、鉄重石で、灰重石の仮晶であると結論づけていますので、
     この標本は明治31年以降のものでしょう。

4. おわりに

    『鉱物採集は、知力と体力を駆使した科学的スポーツ』、と日頃標榜して
   いる私ですが、最近は、どちらかと言うと、体力より知力(?)に傾きかけて
   います。
    このように、色々な楽しみ方が出来るのも、鉱物採集のよい所でしょう。