久良沢鉱山のマンガン鉱物

        久良沢鉱山のマンガン鉱物

1.初めに

  栃木県足尾町にある久良沢(きゅうらさわ)鉱山は、世界的にも希な
 マンガンパイロスマライトの六角板状結晶が産出したことで有名です。
 マンガン鉱物は、苦手なのですが、パイマンに劣らぬ結晶が採集できるかも
 しれないとの情報で、行ってみました。
  塊状のマンガンパイロスマライトと綺麗なマンガン柘榴石の標本を採集できました。
 (平成12年10月採集)

2.産地

  足尾町と鹿沼市を結ぶ県道15号線沿いにあります。国道122号線から、
 約2.5kmの左側に、コンクリートを吹き付けた壁があり、その傍らに「山神様」を
 奉っています。祠もなく、3本の杉の木が目印です。この手前に駐車します。
 山神様の前のガードレールを越え、川を飛び石ずたいに渡ると、そこがズリの裾で、
 まさに車横付けの産地です。ここから、約100mズリを登ると、坑口が2つあり、
 「新山神坑」と呼ばれていたようです。坑道は、10m先で陥没していますが、
 坑道の中には、黒くて重いマンガン鉱石が比較的豊富にあります。

  
     久良沢鉱山目印の山神様

  
       「新山神坑」

3.産状と採集方法

  久良沢鉱山は、熱変成を受けた層状マンガン鉱床で、バラ輝石やマンガン柘榴石と
 ともに、硫化鉱物も産出します。
 マンガンパイロスマライト坑道の中や外にある、黒くて重いマンガン鉱石をひたすら
 叩き割って、探します。
  マンガン柘榴石は、真っ黒な二酸化マンガンに覆われた小さな米水晶を伴う石英脈の表面に
 あり、石英脈は要チェックです。

4.産出鉱物

 (1)マンガンパイロスマライト【Manganpyrosmalite:(Mn,Fe)8Si6O15(OH,Cl)10
    バラ輝石に似ているが、へき開があり、薄く割れ、表面が真珠光沢をします。希に、六角板状や
   柱状の結晶が晶洞から発見できる。

   
        マンガンパイロスマライト

 (2)マンバン柘榴石【Spessartine:Mn3Al2(SiO4)3
    大きさは、最大3mm程度ですが、オレンジ色で、透明感があり、美しい柘榴石です。

    
           マンガン柘榴石

 (3)この他、黄鉄鉱、磁硫鉄鉱などが採集できます。

5.おわりに

  今まで、久良沢を”くらさわ”と読むものだと思いこみ、”きゅうらさわ”とは、
 どこのことか分かりませんでしたが、鉱山名と場所が一致しました。