小川山の鉱物

小川山の鉱物

1.初めに

10年以上前から、金峰山の北、小川山には、水晶があるといわれていました。
登山客が、夕日にキラキラと輝く水晶を見た類の話は沢山ありました。
数年前に、川上村の湯沼鉱泉の社長が、産地を探査し、場所が明らかになった。
今回、名古屋のM弁護士、K氏、諏訪のU氏と訪れましたので、報告します。
(平成12年10月採集)

小川山採集メンバ【ガレ場手前の露頭前にて】

2.産地

ここは、山梨県の黒森集落の奥にある不動滝を経て登るコースと、長野県側から登る
コースがある。
長野県側からのほうが、登山道も整備されており、比較的楽に登れる。
梓山から金峰山荘を目指し、山荘の入り口のゲートをくぐり、登山道のチェーンの
張ってある手前の邪魔にならない位置に駐車する。
(駐車料金 1人300円は、帰りに精算しないとゲートが開かない。)
ここから、登山道(幅5mと広い)を歩いて、約40分(3km)行き、登山道と別れて
右の道を進む。
左側に露頭が続き、約500mでガレ場がある。ここを横切り、右下に砂防ダムを見て
このまま進み、沢に下ります。
この沢を約500m遡行し、直径3m位の大きな岩が沢の真中にある所から、左の涸沢に
入ります。
途中の転石や露頭には、水晶がビッチリ付いたものや、晶洞が見られます。
この涸沢を約300m登り、左上に進めば、産地です。
(平成12年10月採集)

3.産状と採集方法

ここの水晶は花崗岩や珪質岩の石英脈に胚胎した晶洞にあり、長い間に
露頭が崩落し、晶洞がむき出しになっていたり、分厚い緑の苔に覆われています。
採集方法は、露頭を叩くか、苔をめくりその下に隠れている晶洞を探します。
また、露頭直下の土砂に埋もれている崩落した拳大〜一抱えある岩に、ビッシリ無傷の
水晶が付いているのを探すのも、面白い。

4.産出鉱物

(1)水晶【Rock Crystal:SiO2】
透明水晶は、ハーキマダイヤと呼べるくらいに屈折率が高く、しかも透明感があります。
ここでの、変種といえば、黄鉄鉱などのインクルージョンを含むものがある。
平板水晶も頻繁に見つかりますので、「日本式双晶」を発見できる可能性もあります。

小川山のトッコ水晶【15cm】
(2)武石【Limonite:不純な水酸化鉄】
ここでは、黄鉄鉱が酸化して、褐鉄鉱やベンガラ状になって水晶を覆っているものがあり、
希に自形を残して武石になったものがある。その大きさは、今回採集した最大のものが
直径7cmで、8面体の上半分のものである。
某氏が、中が空洞で、振ると「カラカラ」音がする鳴石状のものを発見したそうである。

8面体の武石(7cm)

5.おわりに

小川山は、産地の範囲が数百m四方と広大で、手付かずの露頭が沢山残っています。
また、坑道もアチコチに残っています。
5月連休でも、雪が残っており、11月には凍てつき、しかも、分かりにくい産地ですので、
最初は案内してもらった方が無難でしょう。