野州鉱山の紫水晶

1.初めに

栃木県塩谷町にある野州(やしゅう)鉱山は「日本鉱産誌」によると、黄銅鉱、黄鉄鉱と石英
を産したとあり、紫水晶で有名になった富井鉱山から近い事も有り、紫水晶が採集できます。
東京の石友 K氏と訪れ、小さいながら、色の濃い紫水晶を採集できました。
(平成12年4月採集)
K氏の採集風景の写真を追加しました。
(平成12年7月補追)

2.産地

野州鉱山は、栃木県塩谷町舟生にあります。道路地図では、鬼怒川森林CCの奥になります。
鬼怒川森林CCの脇を北に進み、林道に入ると右手に砂防ダムが見えます。
このダム上流の沢(枯沢)一帯が産地のズリで、坑道もそこかしこに有ります。

3.産状と採集方法
第3紀緑色凝灰岩とこれを貫く石英粗面岩中に鉱脈があります。採集方法はズリを掘り返しながら
探すか、落ちている大きな岩の紫石英脈の晶洞部分から母岩付きを採集します。
ここの紫水晶は、脈状で大きな晶洞がなかったせいか、結晶は2cm止まりですが、
母岩付きは味があります。
母岩から紫水晶を掻とるK氏
坑道も残っており、入ってみましたが、しっかりした坑道で、縦抗、斜抗が縦横に
ありの巣のように走っています。コウモリが多く、孔雀石が今も成長過程に有り、何年か先が楽しみです。
縦抗は深さが50m以上あり、ゾッとしますので、おすすめできません。

4.産出鉱物
【紫水晶;SiO2】
野州鉱山産紫水晶

【硫化鉱物】
母岩には、黄銅鉱脈が走っていたり、黄鉄鉱の結晶がついています。
鏡鉄鉱らしきものも採集出来ます。

5.おわりに 

ここには「山ひる」が多く、手、足、首に食いつかれ、丸々と血を吸ったヒルには、
これまたゾッとします。訪れるのは、秋か春が良いでしょう。
地元の大正3年生まれの古老に聞くと、その人が出た(生まれた)ときには銅を採掘していた
そうですから、明治時代から稼働していたようです。その後中断し、戦時中にズリの石を処理して
居たそうです。