矢塚の緑簾石

1.初めに

福島県塙町矢塚では、透明で自形結晶をした緑簾石が産出する。
ここは、別名、長久木(ながくき)とも呼ばれている産地と同じ場所です。
「日本の鉱物」には、ここで採集した長島乙吉先生の遺品の「ベスブ石」が
掲載してあります。<BR>

2.産地

茨城県里見村をとおり 国道349号線を北上し、片貝小学校の先で、高萩-塙線にはいる。
片貝小矢塚分校の手前にある桜橋を渡り、約1kmで、左側に矢塚林道(今では、雑木や
雑草が茂り通行できない状態)があり、その手前に「矢塚山元第三土場」の看板(倒れている)
がある。この先の左手が産地である。
地元の人の話では、昭和20年代から30年代にかけて、珪石を目的に稼行したとのことで、
この近くで何個所も採掘(試掘?)跡がみられます。
この近くの沢の転石から、自然蒼鉛、ホセ鉱、自然金、柘榴石などが産出するとの情報も
鉱物同志会のW氏から頂いています。
産地 車の止めてある所が矢塚林道の入口

3.産状と採集方法

緑簾石や灰ばん石榴石が脈状に胚胎している。産地の状況としては、福島県中津川や発地岡の
緑簾石産地と同じです。
露頭からもこれらの結晶が採集できるが、ボロボロに風化しているものが多く、結晶は大きいのだが
頭付き透明やピカピカを採集するのは難しい。
透明で自形結晶をした緑簾石は、ズリ土砂の中から採集する。土砂をバケツで近くの農業用水まで
運び、水の中でフルイ掛けすれば、簡単に分離結晶を探し出せます。
透明なものは多いのですが、頭付きとなると3時間やって数個でしょう。
採集方法 ズリの土砂を掘り出す

4.産出鉱物

頭付き透明緑簾石とピカピカの母岩付き灰ばん石榴石を示す。



<左>頭付き透明緑簾石(3cm) <右> 母岩付き灰ばん石榴石(10cm)

5.おわりに 

最近採集に行った人から、地元の人に立ち入りを断られたと聞きました。
いきさつは良く分かりませんが、トラブルの無いように採集しましょう。
最後になりましたが、この場所を、教えていただいた、つくば市のT氏に感謝いたします。