最近の矢塚の緑簾石

最近の矢塚の緑簾石

1.初めに

福島県塙町矢塚では、透明で自形結晶をした緑簾石が産出する。
ここは、別名、長久木(ながくき)とも呼ばれている産地と同じ場所です。
「日本の鉱物」には、ここで採集した長島乙吉先生の遺品の「ベスブ石」が
掲載してあります。
最近、茨城県の石友から、大きく透明で頭付きの緑簾石が採れるとの情報を
得た。
以前(H12年3月頃まで)は、ホームページにも掲載してあるように、
ズリの表面採集やフルイ掛けで1〜2cmの頭付きが希に採集できたが、
今回訪れて見ると、1日だけで、延べ15名が訪れ、フィーバ状態に有り、
露頭を崩したり、坑道(?)を掘っての本格的な採集と
なっており、それだけ良品を採集できる確率が高くなっています。
矢塚の露頭(山道の右側)
矢塚の露頭(山道の左側)
(平成12年7月採集)

2.産地

茨城県里美村をとおり 国道349号線を北上し、片貝小学校の先で、高萩-塙線にはいる。
片貝小矢塚分校の手前にある桜橋を渡り、約1kmで、左側に矢塚林道(今では、雑木や
雑草が茂り通行できない状態)があり、その手前に「矢塚山元第三土場」の看板(倒れている)
がある。この100m先の山の左斜面が産地である。
地元の人の話では、昭和20年代から30年代にかけて、珪石を目的に稼行したとのことで、
この近くで何個所も採掘(試掘?)跡がみられます。

3.産状と採集方法

ここは、スカルン鉱床で、緑簾石、や灰ばん石榴石や水晶が脈状に胚胎している。
その晶洞部分に、頭付きの緑簾石が産する。ガマ粘土は、黒色と黄白色(山皮?)が
あるが、後者から出るものは結晶面もシャープで、透明感があり、準宝石級である。
緑簾石の脈を追い、晶洞を探すが、母岩が比較的柔らかい所にきていることが多い。
採集方法 狸(?)堀

4.産出鉱物

(1)緑簾石【Epidote:Ca2(Al,Fe)3(SiO4)3(OH)】
晶洞に当たれば、透明感のある緑簾石が、「バケツ一杯」採れます。
緑簾石(新聞紙・手袋の上が頭付)
晶洞からでる緑簾石は、大きくてもほとんどが透明感があり、不規則な頭を含めれば、
頭付きは数パーセントの確率で存在する。完全な頭付きで、透明で良いものは、
1〜2cmサイズである。

頭付き透明緑簾石(2cm)
(2)水晶【Rock Crystal:SiO2】 水晶は、頭付きが少なく、透明度も今一つです。希に、両錐なども出ます。
インクルージョンとして、灰バン石榴石や緑簾石を含み、緑簾石を含むものは緑水晶です。
水晶の上に、頭付き緑簾石が共生するものは、美しい。

水晶の上に共生する頭付き透明緑簾石(4cm)

5.おわりに 

半年前に、ズリの土砂をフルイ掛けしている時には、まさか、露頭からこんなに沢山、
透明で頭付き緑簾石が採れるとは、夢にも思っていませんでした。産地は、化けますので
根気良く通うと幸運の女神が微笑んでくれるようです。

予想外の成果にニンマリのメンバ