山梨県中富町八日市場の火山ガラス

山梨県中富町八日市場の火山ガラス

1.初めに

私は、茨城県ひたちなか市に単身赴任しており、月に1,2回山梨県甲府市に
ある自宅に帰ります。その時、地元紙「山梨日日新聞」(地元の人は「さんにち)
と呼ぶ)を読むと1999年6月に山梨県中富町八日市場で起きた大規模な山林の土砂
崩れの現場で、火山ガラス、柱状節理、溶岩流、自破砕溶岩が見つかったとの記事を
目にし、早速訪れた。
(平成11年9月採集)

2.産地

山梨県中富町の八日市場は、富士川沿いから山の裏まで広大な領域があり、
場所が特定できないため、とりあえず中富町役場に行き場所を尋ねると親切に
地図までくれて教えてくれた。
「後山」集落の谷を挟んだ東側なので、「後山」を目指して、途中から急で狭い道を登る。
集落の邪魔にならない場所に駐車し、ここから谷を越えて産地に向かう。
中富町八日市場の崩落現場(幅60m、高さ100m)

3.産状と採集方法

ここは、約700万年前に海底にあったころの火山活動で生まれた火山ガラス、
柱状節理、溶岩流、自破砕溶岩が見られます。
露頭や転石から探します。

4.産出鉱物

(1)火山ガラス
緑色で碧玉と黒曜石の中間のような外観で、火口の中心部に自破砕溶岩の隙間を
網目状に埋める形で産出します。火山ガラスは、山梨県では最初の発見だそうです。

火山ガラス(15cm)
(2)柱状節理
海底に流れ出る前に火口の中で冷え固まったもので、1辺15cm、長さ3m位の
ものが水平方向に柱状になっている珍しいケースのようです。
(3)溶岩流
溶岩が海底を流れた跡だそうです。
(4)自破砕溶岩
海底に流れ出て冷やされ固まった溶岩が火口から流れでる液体の溶岩の圧力で割れた
もので、四角形や五角形をしたものが、崩落しています。

5.おわりに

山梨県の一部が未だ海底にあった時の様子を示すタイムカプセルの蓋が開いたような
産地です。
地味な鉱物なので、採集に来る人はいないだろうと思っていましたが、先客が2名いました。
帰りに、「夜子沢」の石膏産地の脇を通りましたので、立ち寄ってみると、既に埋め立てられ
石膏は採れず、露頭から明礬(?)の結晶を採集し帰途につきました。