茨城県大能・湯平のペグマタイト鉱物

1.初めに

茨城県高萩市には、長島 乙吉・弘三両氏の「日本希元素鉱物」に
「茨城県高萩地方の下大能」として紹介された、希元素鉱物が採れる
ペグマタイト産地がある。
大能・湯平を訪れ、フェルグソン石、変種ジルコンをはじめとする希元素鉱物と
長島 乙吉氏が採集したという、磁鉄鉱のほかに、鉄バン柘榴石を採集することができた。
2000年3月25日採集

2.産地

【湯平】
私の住むひたちなか市から、国道349号線を北上し、里美村の「折橋」交差点で右折。
2.5km行くと、左側に、湯平地区の簡易水道施設が見える。
この脇にある木製の鳥居をくぐり、すぐ左側に踏み分け道をたどると
約150mで、簡易水道の取水口に着く。この裏に、堀場跡と真っ白い石英、長石が
散乱するズリがある。
産地 簡易水道の左奥に堀場跡とズリ
【上大能】
湯平の集落をすぎ、「折橋」交差点から11.8kmで右側に「川松商店」がある。
その前を「高萩カントリクラブ」の標識に従って左折し、道なりに1.0km進むと
小さな沢に掛かる橋の先、左側に堀場の跡が見える。この右側斜面がズリになっている。
産地 大能の堀場跡とズリ

3.産状と採集方法

ここは、典型的なペグマタイト脈で、各種のペグマタイト鉱物や
放射性希元素鉱物が採集できる。
湯平も大能も堀場跡に露頭もあるが、ズリの表面やズリを掘って、長石や石英を丹念に
ルーペで見る。
大能の場合、ズリの土砂をバケツに入れて下の沢までまで運び、水の中でフルイがけや
パンニングすると、分離結晶を見逃す事なく、採集する事が出来る。紐付き磁石で簡単に、
磁鉄鉱を選別できます。
放射性希元素採集の場合、自作のガイガーカウンタが活躍します。
自作ガイガーカウンタ

4.産出鉱物

(1)変種ジルコン【大】
母岩に4mm大の結晶が数個ついた標本を採集できた。自作ガイガーカウンタでも
ピ・ピ・ピ・ピと強烈です。
大能産 変種ジルコン
(2)鉄バン石榴石【湯・大】
母岩付きや分離結晶の鉄バン石榴石が採集できる。湯平の方が小さいが、
光沢のある母岩付きを採集出来る。大能は、1cm以上の大きいのが採集できるが、
数面見えるだけの分離結晶が多く、母岩付きは、赤錆ていたり、サイズが小さい。
湯平産母岩付き鉄バンざくろ石 7mm
(3)希元素鉱物【大】
希元素鉱物としては、変種ジルコン以外にフェルグソン石は比較的採集できるチャンスが多い。
(4)磁鉄鉱【大】
塊(葉片)状や八面体の一部が見える母岩付きや、八面体結晶の数面を残す分離結晶が採集できる。
長島先生が採集したという”磁鉄鉱の美晶”とはどの程度だったのか、
今となっては知る由もありません。
大能産 磁鉄鉱分離結晶 10mm
(4)ペグマタイト鉱物【湯・大】
白雲母、透明・煙水晶(母岩付き、分離 最大 1cm)、ピンク長石、紅柱石など採集できます。
煙水晶に付着した紫水晶は未だ見ていません。

5.おわりに 

この産地は、愛知県に住む小玉さんと1998年12月に行ったのが最初で、
その後数回行っていますが、その度に、そこそこの成果が有ります。
採集している人に会った事がない、忘れられた(?)産地ですが、長島先生の足跡の一端に
触れるのも意味があるでしょう。