< 旬 の 献 立 >
桜の季節を迎え、私たちは、様々な草木の芽吹きに、自然の華やかさを目にすることになります。
引き替え、人間は、戦争という凄惨を極めてしまったのは本当に悔やまれます。日本から はるか西、
不毛な砂漠や瓦礫の広がる世界にも、早く春がやって来て欲しいものです。
花屋さんの店先や、魚屋さんの店頭も色々な種類の材料がふえてきました。暖流と寒流の混じり合う漁場は、
海産物の宝庫となります。ホタルイカが海を光らせ、鰹の群れが太陽の日差しを銀色に照り返します。
さて、この季節、何を俎上にあげるか、どう調理するかを考えてしまいます。というのも、食材そのものの美味しさ
がこの時期一番になる季節だからです。あまり手を加えず、素朴に持ち味を生かすとなると、「おいしいけど、
前にも食べたことある味。」ということです。料理は、それを召し上がるお客様に「美味しそう!」と実感させるよ
うな訴求力が必要です。まず、「食べてみたい!」と箸を伸ばす。その行動があって初めて美味しさを実感して
いただけるわけです。先日、「俺は料理は食べない!」という酒豪の方がおいでになりました。お帰りまでに下
げられたお皿は、皆空っぽなのに、こっそり、ほくそ笑んだ次第。料理を食べないというお客様、あなた様も
お待ち申し上げております。 店主

日本料理
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