事の始まり。
| 「運命的な出会い」。そう思った。 イースタンユースではなく、イースタンユースを教えてくれた彼との。 これが最後の恋だと信じていた。 付き合い始めて間もなく、二本のテープをもらった。 『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』 『雲射抜ケ声』 ともにeastern youth。 バンド名さえ聞いたことがない・・・が、とりあえず聴いてみた。 「生っぽい音がいい。でもちょっと激しいかなぁ・・・」 当時私が主に聴いていたのはJ-R&B系。 まったく違うジャンルの音楽を受け入れることはできず、 一、二回聴いただけでそのテープはお蔵入りした。 しばらくして・・・諸々の事情により、彼との距離が離れていった。 諦められない私は、なんとか彼に近づこうとしたが・・・ 追いつけない。彼は心を固く閉ざしたまま、時間だけが過ぎて行く・・・ 分からない。彼はどうしてこんなにも私のことを避けるのだろう。 苦しくて、何もかもが嫌になって、自分を見失いかけていたある日。 「彼の好きな音楽を聴けば、彼と同じ気持ちになれるかもしれない」 と、引き出しの奥の方に入り込んでいたテープを取り出した。 二人で聴いた、思い出深い『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』だった。 胸に滲みる声。心に響く音。 ・・・溢れ出る泪。 それから暫くはeastern youthしか聴けなかった。 聴けば彼のことを思い出して辛いのに、止めることはできなかった。 激しくも優しい音が、私に勇気を、パワーを与えてくれるから・・・ 長い時間が経った。未だに彼の気持ちは分からない。 だけど、彼と出会えた意味が、やっと分かった気がする。 「運命的な出会い」。そう、イースタンユースとの。 |
| 結。 |