第二十三回 アーティ・トラウム


 
 

" アーティスト・るーむ " の#19で紹介したハッピー・トラウムの弟が
今回ここで紹介するアーティ・トラウムである。
ハッピーはどちらかと言えばフォーク・シンガーと呼んでも良いと思うが、
アーティはギタリストとしても全米ではよく知られている。
又ソング・ライターとしても素晴らしい才能を持っていて、
そのポップな感覚はセンスの良さもあって、非常に評価が高い。
 

彼は1943年に、兄のハッピーと同じニューヨークで生まれる。
1956年頃にニューヨークのブロンクスのアパートで暮らしていた彼は、
ある日ハッピーが買ってきたビッグ・ビル・ブルーンジィと
ブラウニー・マッギーのレコードを聴いて驚いたという。
この時アーティはわずか13歳であった。

その後も兄の影響でピート・シーガーやドック・ワトスンといった
アーティスト達の唄やギター・プレイにのめり込み、
毎日のように練習をしていたそうだが、そう簡単には弾けなかったという。
それでも弾くことを辞めなかったところが凄い。

1965年にはグリニッジ・ヴィレッジで暮らしていたようで、
当時は全米のフーテナニー・ブームもあり、
多くの若者達がギターを弾いたり、唄ったりしていた。
そんな中には若き日のジョニ・ミッチェルやジェームス・テイラーが
フォーク・クラブで唄っていたし、ミシシッピ・ジョン・ハート、ビル・モンロー、
エリザベス・コットン、ハウリン・ウルフといったビッグ・アーティスト達の
レイト・ナイト・ライブをかぶりつきで聴きに行ったりしたそうだ。

1967年にはニューヨーク郊外のウッドストックに移住し、
この頃から兄のハッピーと共に " ハッピー&アーティ・トラウム " という
デュオ・グループを組む。
そんなアーティも、最近になってギター・ミュージックに目覚めたらしく、
ナラダ・レーベルから立て続けにギター・アルバムをリリースしている。
ただアーティの指向しているのはギター・アンサンブルで、そういった意味でも、
どのアルバムも非常に聴きやすいアルバムに仕上がっている。

それにしても、ここ数年、ナラダ・レーベルのアコースティック・ギター・ミュージックに
取り組む姿勢というのは賞賛に値する。
何処かの国のレコード会社にも見習って欲しいものだ。
 


 
 

この " The Last Romantic " は、つい最近リリースされたニュー・アルバムで、
アーティの40年近いキャリアが凝縮されたような素晴らしい仕上がりである。
又。最新のレコーディング技術を駆使したサウンドにも驚かされる。
曲想もバラエティに富んでいて、" A Day In Polizzi Generosa ", " Against The Odds "
のようなジャジーな楽曲や、" The Two Rubys " でのコード・プログレッションなどは
ジェームス・テイラーを彷彿させる。
個人的にはアルバム・タイトル曲の " The Last Romantic ",
" The Sun At Worldset "のようなバラードが好きだ。
特に " The Sun ・・・ " はメロディが良いし、
クラシカル・ギターとスティール・ストリングス・ギターのアンサンブルが絶妙である。


Artie Traum

" The Last Romantic "

NARADA  72438-10687-2-4



 

  1. A Day In Polizzi Generosa
  2. The Two Rubys
  3. Braziliana
  4. The Last Romantic
  5. High-String Mania
  6. The Blue Hotel
  7. Against The Odds
  8. Dune
  9. The Sun At Worldset
10. Fjords Ahead
11. Gingersnaps
12. Truro
13. Salty Soup
14. Empire Blues





ナラダ・レーベルのCD は大きなCD ショップで手に入ると思います。
他のCD に関しては彼のホーム・ページがあるのでチェックしてみて下さい。
www.artietraum.com