第十回 ブルース・コバーン


 

1945年にカナダのオタワに生まれたブルースが、
初めてギターを手にしたのは13歳の時だったそうだ。
でも本格的に唄やギターにのめり込んでいったのは、
1960年代にアメリカでブームになった
フオーク・リバイヴァルがキッカケになったという。
特にミシシッピ・ジョン・ハートの唄、
ギター・プレイから得たものは大きかったと彼は言っている。

1963年にハイスクールを卒業してからヨーロッパへ放浪の旅に出かけ、
約一年ほど色んな国のストリートで唄っていたという。
どうやらブルースの旅好きなのはこの頃に目覚めたのかも知れない。
彼の歌詞カードには、多分その歌詞が書かれたであろう町のクレジットが必ず入っている。
1964年にはボストンにある有名なバークリー音楽院に入学し、
ジャズについてのセオリーや作曲法、実技を3年間学んだそうだ。
でもバークリーは卒業を前にして退校し、1967年にはカナダに戻ることになる。
その後は数多くのフォーク、ロック・グループに参加しているが、
どのグループも長続きはせず、最終的にはソロ活動という道を歩むようになる。
1970年には初めてのソロ・アルバムをカナダの
トゥルー・ノースというインディーズ・レーベルからリリースし、
ライブ活動も積極的に行い、少しずつ知られるようになる。

彼の楽曲を聴くと、先ずその幅広い音楽性に驚かされる。
何しろバークリーでしっかりとした作曲法や実技などを学んだ人だから、
当たり前の事なんだろうけど、
作品から感じられるセンスの良さというのは、彼が持って生まれたものだと思う。
ギター・プレイに関しても彼ほど表現力豊かなプレイをするシンガーは他にいない。
多分ギターという楽器を知り尽くしているからこそ、
彼のような色艶のあるギター・プレイが出来るのだろう。
トーン・コントロールも絶妙だ。


 

この " Salt, Sun And Time " は1974年にリリースされた
通算5枚目のアルバムで、今だに僕のフェイバリット・アルバムである。
初期の3枚のアルバムはフォーク・タイプの楽曲、ギター・プレイだったのが、
前作の " Night Vision " あたりから音楽性そのものが変わってきている。
特にジャズの要素を取り入れた楽曲を数曲ではあるが聴くことが出来る。
アルバム・ジャケットが物語っているタイトル曲の素晴らしさは
何と言えば良いのだろう。
26年も前にこんな素晴らしいギター・ピースを作曲したなんて驚きだし、
アコースティック・ギターでこれほど立体感のある
サウンド・メイキングをした初めての作品だと言える。
永遠に残る名曲と言ってもいいだろう。


Bruce Cockburn

" Salt, Sun And Time "

Village Green  PCCY-00211



 

 1. All The Diamonds In The World
 2. Salt, Sun And Time
 3. Don't Have To Tell You Why
 4. Stained Glass
 5. Rouler Sa Bosse
 6. Never So Free
 7. Seeds On The Wind
 8. It Won't Be Long
 9. Christmas Song





日本盤はヴィレッジ・グリーンというレーベルからリリースされて
いましたが、現在では廃盤かも知れません。ただカナダ盤は現在も
出ているようなので、輸入盤を扱っているお店でお探し下さい。