第二十七回 デヴィッド・ブロムバーグ

1969年頃に友人の中川五郎氏があるレコードを僕に貸してくれた。
それは " Mr. Bojangles " というアルバム・タイトルでジェリー・ジェフ・
ウォーカーというシンガー・ソング・ライターのアルバムであった。
そして何度か聴いているうちに、ほとんどの曲にフィーチュアーされている
リード・ギターが何となく気になりだした。

アルバムのクレジットを見てみると David H Bromberg と書かれていて、
裏ジャケットには6弦バンジョーを持った彼の写真まで載っていた。
これが30数年前、僕とデヴィッド・ブロムバーグとの初めての出逢いである。
決して洗練されたギター・プレイじゃあないんだけど、何ていうか、
歌心のあるプレイを聴かせてくれる本物のギタリストだと思った。

フォーク・ブルースやラグタイム・ブルースをベースにしたフィンガー・ピッキング
からドック・ワトスンばりのフラット・ピッキング、
はたまたジャズ・ギターまで幅広いギター・スタイルをマスターしていて、
彼ほどヴァーサタイルなギタリストは他には居ないだろう。
彼を知るまでの僕は、ブルース・ラングホーンというギタリストが好きで、
彼の参加しているレコードを聴きまくっていた。
でもデヴィッド・ブロムバーグの存在を知ってからは、
彼のギター・プレイにのめり込んでいったのである。
 

やがてそんな彼も自己の音楽に目覚め、1972年に当時のCBS/ソニーから
メジャー・デビューする事になった。
このデビュー・アルバムではギター・プレイもさることながら、
ヴォーカリストとしても才能をみせていて、その個性的な歌唱法は、
より彼の音楽を際立たせていた。
現在は音楽活動からリタイアしていて消息が解らないようだが、
出来ることなら自分のペースでいいから活動を再開して欲しい。


 

このデビュー・アルバムは僕にとっても大切なアルバムで、
それこそ何回耳にしたか解らない位聴いたものだ。
ブルース、ブルーグラス、R&B、フォークといった幅広い音楽を
一枚のアルバムで聴く事が出来る。

これは取りも直さず彼の中で育まれた全ての音楽が詰まっていると言うことだ。
ノーマン・ブレイクとのコンビネーション・プレイが
素晴らしい" The Boggy Road To Miliedgeville " や、
ギター一本で唄われる" Mississippi Blues " 、
そして感動的なヴォーカルが聴ける" Sammy's Song " など、
1stアルバムにして既に大成していたデヴィッド・ブロムバーグが此処にいる。


David Bromberg

" David Bromberg "

Sony Records  SRCS 6284

  1. ( Introduction ) Last Song For Shelby Jean
  2. Suffer To Sing The Blues
  3. The Boggy Road To Miliedgeville ( Arkansas Traveler )
  4. Dehilia
  5. Pine Tree Woman
  6. Lonsome Dave's Lovesick Blues #3
  7. Mississippi Blues
  8. The Holdup
  9. Sammy's Song






このCDは1993年に日本のソニー・レコードでCD化されたのですが、
現在はどうなっているのか解りません。