第四十三回 ヨーマ・カウコネン


 
 

アメリカのポピュラー・ミュージックの歴史に於いて、
ヨーマ・カウコネンは最も重要なギタリストの一人だと言える。
彼の音楽人生は1960年頃に開花し、それは後にロックン・ロールや
カントリー.ブルースと言った音楽に繋がってゆく。
彼は1965年にフォーク・ロック・バンドのジェファーソン・エアプレインに参加し、
ジャニス・ジョプリン、ジェリー・ガルシア、ジミ・ヘンドリックス達とステージで共演する。
そして、当時カリフォルニアで広がりつつあったヒッピー・ムーブメント、
フラワー・ムーブメントの影響もあり、瞬く間に西海岸ではよく知られた存在になる。
(1995年にはジェファーソン・エアプレインのメンバーとして全米の
 ロックン・ロール・ミュージックの殿堂入りを果たす)
又、同じジェファーソン・エアプレインのメンバーだった幼なじみのジャック・キャサディとは
ホット・ツナというフォーク・ブルースのバンドを組み、それは現在も活動を続けている。

彼のバイオによると、ワシントンD.C.に生まれた彼は、軍人だった父親の仕事の関係もあり、
幼い頃に海外での生活を多く体験したという。
16歳の時にアメリカに戻った彼は、カントリー・ミュージックに興味を持ち、
カーター・ファミリーやロイ・エイカフ達のオールド・タイム・ミュージックの影響を受ける。
高校時代には、後に彼のベスト・パートナーとなるジャック・キャサディと出逢い、
ロックン・ロール・バンドを組んだりしていた。
そしてニューヨークの大学に通っていた頃に聴いた、ゲイリー・デイヴィスの唄や
ギター・プレイに感銘を受け、特にフィンガー・スタイル・ギターに開眼する。
1961年にカリフォルニアのサンタ・クララ大学に転校した彼は、
地元のフォーク・クラブでプレイしていた時にポール・カントナーと出逢い、
よく一緒にプレイしていたという。
そして1965年には他のメンバーも加わりジェファーソン・エアプレインが結成される。
 


 

この " Blue Country Heart " は2002年にリリースされたニュー・アルバムで、
彼の長年の夢であったナッシュビルでレコーディングが行われている。
サポート・ミュージシャンも錚々たる顔ぶれで、ジェリー・ダグラス、
サム・ブッシュ、ベラ・フレックといった最高のメンバーが参加している。
そしてヨーマ・カウコネンのギター・プレイも素晴らしく、
数多い彼のアコースティック・ギター・プレイの中でもベストに入るのではないだろうか。

又、レコーディングそのものがリヴァーブなどを一切使わない、
ドライなサウンド・メイクがなされていて、
これは余程プレイに自信がなければ出来ない事である。
そして一発録りならではの乗りの良さや、互いに触発されたインター・プレイを聴くと
ゾクゾクしてくるし、ただただ唖然としてしまう。

彼がライナー・ノーツで書いているように、自分にとってのルーツ・ミュージッックを考えた時に、
オールド・タイム・ミュージックというものは、特別なものなんだと気付いたという。
それにしても晩年のジェリー・ガルシアといい、このヨーマ・カウコネンといい、
皆、自然に自分のルーツ・ミュージックに戻っていったのは、なんと言えば良いのだろう。
アルバムを聴く限り、とても自然だし、素晴らしい仕上がりである。
彼らこそ " Musician's of Golden Age " と呼ぶのに相応しいアーティストかも知れない。


Jorma Kaukonen

" Blue Country Heart "

COLUMBIA   CK-86394



 

  1. Blue Railroad Train
  2. Just Because
  3. Blues Stay Away From Me
  4. Red River Blues
  5. Bread Line Blues
  6. Waiting For A Train
  7. Those Gambler's Blues
  8. Tom Cat Blues
  9. Big River Blues
10. Prohibition Blues
11. I'm Free From The Chain Gang Now
12. You And My Old Guitar
13. What Are They Doing In Heaven Today ?




このアルバムはメジャーのコロンビアからリリースされているので、
輸入盤を扱っているCDショップで入手出来ると思います。
又、彼のウェブ・サイトがあるので興味のある方はチェックしてみて下さい。
http://www.jormakaukonen.com/