第二十六回 マイケル・グレイジアン


 

僕がマイケル・グレイジアンというギタリストの事を知ったのは確か1982年頃だった。
行きつけのとあるレコード店で、ジャケット写真に魅せられて買ったと記憶しているし、
又タコマ・レーベルからリリースされていたというのも何やらそそる物があった。

この " Unspoken Intentions " というアルバムは1981年にリリースされていて、
実は彼にとっては2枚目のアルバムであった。
" Snow " という1stアルバムは1978年頃に自主制作に近いような形で
ロス・アンゼルスのスタジオでレコーディングされ、一部の人達から高い評価を得たそうだ。
そんな中にギタリストでもあり、タコマ・レーベルのオーナーであったジョン・ファーヒイがいた。

ジョン・ファーヒイは彼の作品やギター・プレイに只ならぬ何かを感じ、
早速マイケル・グレイジアンに連絡をとったという。
その結果が2ndアルバムに繋がったという訳だ。
ただ残念な事にプロデューサーとしてのジョン・ファーヒイは
そこそこ良いアルバムを作ったけど、あまりビジネス・ワークが得意じゃなかった
ようで、1985年にタコマ・レーベルは倒産してしまった。

そんな訳で" Unspoken Intentions " は大きなセールスを上げる事もなく
廃盤になってしまい、それは現在もCD化されていない。
ただ僕を含めて隠れたファンがいるのは確かで、
この " Unspoken Intentions " が早くCD化される事を望む。
 

彼の作品やギター・プレイから感じるのは、何にも拘束されない
良い意味でのフリー・ミュージック、フリー・プレイで、
それらは時には自然だったり宇宙だったりする。
また奏法で言えば、独自のスライド・ギター・プレイが素晴らしく、
奥行きのあるディメンション・サウンドが彼の作品を際立たせていると言える。

タコマ・レーベル以降アルバムを発表していなかったマイケルだが、
1990年に自身のレーベル " Timbreline Music " を設立し、
1992年には久しぶりのソロ・アルバム " Distant Memories and Dreams " をリリースした。
約10年振りのこのアルバム手にした時、何となく古い友達に久しぶりに会ったような気がした。
早速アルバムを聴いてみたところ、マイケル・グレイジアンは健在だったし、
その音楽性やギター・プレイは進化していた。

この " The Dare Of An Angel " は1994年にリリースされたアルバムで、
彼と同世代のマイケル・ヘッジスの影響が随所にうかがえる。
楽曲によってはあの超絶ベーシスト、マイケル・マンリングがセッションに
加わっているので余計にマイケル・ヘッジスが頭に浮かんでくるようだ。
又ギター・ソロとアンサンブルがバランス良く収録されているので、
内容的にも変化に富んでいる。
" Slugbug ", " Mile High Country ", " Tumbledweeb ", " I Remember
Walnut Avenue " などのソロ・ピースが好きである。


Michael Gulezian

" The Dare Of An Angel "

Timberline Music  TMBR 0702


 

  1. Faith, Hope, and Love
  2. Slugbug
  3. He Planned To Expand
  4. The House That Blocked Kansas
  5. Whale In The Sky
  6. Mile High Country
  7. Answer Silence With Silence
  8. Nothing Is Always Anything
  9. Tumbledweeb
10. Love Is As Love Does
11. I Remember Walnut Avenue





Timberline Music からリリースされているアルバムはインディーズ・レーベル
の為、入手は難しいかも知れません。以前は彼のウェブ・サイトがあったのですが
現在は無くなっています。もし新しいウェブ・サイトが見つかればお知らせします。