第十八回 リック・ラスキン


 
 

1970年代の日本に於いては、アコースティック・ギター・ミュージックを
支持する動きが少しではあるがあったように思う。
ただプロフェッショナルと呼べるようなギタリストが
当時の日本には居なかったのも事実で、
アマチュアのギタリスト達が個々にレコードを聴いたり、
自主的なコンサートを行ったりしていたと言うような状況であった。

そんなアマチュア・ギタリスト達の中で、
一部のコアなファン達に支持された一人のギタリストが居た。
リック・ラスキン(本名リチャード・ラスキン)というギタリストがそうである。

彼がギターを弾き始めたのは1962年のことで、
翌年にはミシガン州のデトロイトでは良く知られた
プロのミュージシャンになっていたという。
そんな彼の転機は、1964年にデトロイトのコーヒー・ハウスで行われた
レヴァランド・ゲイリー・デイヴィスのコンサートのオープニング・アクトを務めてから、
ゲイリー・デイヴィスと親交を持った事だという。
その年の夏にはニューヨークのロード・アイランドに住んでいた
ゲイリー・デイヴィスの自宅に招かれ、個人レッスンを受けたそうだ。
そして夏が終わる頃にゲイリー・デイヴィスが一言
" もう君には教える事はないので、これからは自分の音楽を追求しなさい "
と言われたという。

1977年にタコマ・レーベルからリリースされた
 " The Six String Conspiracy "というアルバムに、
リックのアレンジによる " Slow Drag " が収録されているが、
原曲はゲイリー・デイヴィスの " Cincinnati Flow Rag " という曲である。
ここでのアレンジメントやギター・プレイは、
師匠のゲイリー・デイヴィスのスピリットを受け継いだ素晴らしいものだ。
 
 


 

この " Words Fail Me " というアルバムは
1997年にリリースされた久しぶりのアルバムで、
最近の楽曲やギター・プレイが堪能できる好アルバムである。
ポップな楽曲は、後のオープン・チューニングを多用したギタリスト達とは
一線を期している。
願わくば ' 70年代のタコマからリリースした3枚のアルバムで聴かせてくれたような、
パワフルな楽曲、ギター・プレイをもう一度聴かせて欲しい。
まだまだ枯れるには早いと思うので・・・。


Rick Ruskin

" Words Fail Me "

Lion Dog Music  LD 9708



 
 

  1. Lullaby
  2. Hey There, Baby
  3. See-Saw
  4. Model Railroad
  5. Long Walk Home
  6. Places To Hide
  7. Cut To The Chase
  8. Satchel
  9. Heavy Traffic
10. Art By Accident
11. Gratitude
12. Glass Guitar
13. & 50 Cents Gets You A Cup Of Coffee
14. Words Fail Me





このアルバムは輸入盤でしか入手出来ませんが、つい最近、同アルバム
の楽譜集が日本のSlice of Life というインディーズ・レーベルから
出版されたので、CD に関してもそちらへお問い合わせ下さい。

Slice of Life
Tel : 075-603-2686 Fax : 075-611-6053
E-mail : slice@h6.dion.ne.jp