第八回 シャンドラ・サボ


 
 

僕がシャンドラ・サボというハンガリーのギタリストのことを知ったのは、
4年前に " ドリーム・キャッチャー " のレコーディングでドイツに行った時、
ピーター・フィンガーから彼のCDをプレゼントしてもらってからの事である。
そして1999年の " レインボウ・チエイサー " のレコーディングでは、
何とシャンドラ・サボがレコーディング・エンジニアとして参加してくれた。
彼はギタリストなんだけど、レコーディング・テクニックも専門学校でマスターしていて、
そのずば抜けた聴覚には感心する。
又、マイク・セッティングも独特で、楽器や、プレイヤーのタッチによって、
セッティング・ポジションを変えたり、
2本のマイクをクローズド・セッティングして、
そして2本のマイクの間に仕切り板をセットし、
両方のマイクが互いに干渉しないよう工夫している。
こうする事によりネック側とブリッジ側の微妙なニュアンスの
ステレオ感が再現できるという。
確かにそう言われれば、彼がエンジニアリングしてくれた音は
独特のステレオ感を持っているように思う。
僕の新しいアルバム " トゥリー・サークル " もシャンドラがエンジニアリングしてくれ、
前作を上回るサウンド・メイキングになっている。
 


 

彼がギターに目覚めたのは14〜15歳の頃だそうで、
最初はエレクトリック・ギターをプレイしていたそうだ。
それもジミ・ヘンドリックスとかトニー・アイオミといった
' 70 年初期のハード・ロックが好きだったという。
その後、ジョン・マクラグリン、ラルフ・タウナー、エグベルト・ギスモンティ
といったジャズ、フュージョン系のギタリスト達のプレイに興味を持ち、
以後はアコースティック・ギターをプレイするようになったそうだ。
彼のメイン・ギターは16弦のカスタム・アコースティック・ギターで、
ようするに8弦ギターの各弦を複弦にしたものである。
この多弦ギターを使うのは、多分にラルフ・タウナーや
エグベルト・ギスモンティの影響であろう。
ただし楽曲はシャンドラ独自のもので、現代音楽とハンガリーの古典音楽が
上手くミックスされた素晴らしい作品ばかりである。
この彼の新しいアルバム " Nearness of Earth " は16弦ギターと、
曲によっては6弦クラシカル・ギターが使われていて、
芸術性豊かな彼のギター・ミュージックを堪能する事ができる。
又、数曲では彼がこのところ取り組んでいるという、
ハンガリーの偉大な作曲家、バルトークやコダーイの音使いを聴く事ができる。



 
 
 
 
 

Sandor Szabo

Nearness of Earth  Tandem Records  TR-2012



 
 

  1. Awaiting Spring
  2. Gaia and Aries
  3. Gaia
  4. Alexandria
  5. The Wizard's Dance
  6. Enigmatic
  7. Nearness of Earth
  8. Millennia
  9. Drifting Song
10. If The Earth Were Only a Small Ball
11. There Is Forest Too
12. For The Day of Earth
13. The Way of The Sun








シャンドラ・サボのこのアルバムは今のところ輸入されていません。
他の数枚のアルバムはアコースティック・ミュージック・レコード
からリリースされていますので、中林貿易にお問い合わせ下さい。
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