第四十二回 ドン・ユン・チャン


 


以前このアーティスト・るーむ#24で紹介したファン・チア・ウェイ君と同じ
台湾のアコースティック・ギタリストを、今回もう一人紹介してみたい。

ドン・ユン・チャンというギタリストで、台南の大学に通っていた頃に、
大学内のギター・スクールでファン・チア・ウェイ君と出逢い、
そこで一足先にアコースティック・ギターをプレイしていた彼から
色んなギター・スタイルを学んだという。

僕がドンの事を知ったのは3年程前の事で、ある知人が彼のCDを送ってくれたのである。
でもその時は正直言って「へ〜台湾にもアコースティック・ギタリストが居るんだ」
というぐらいの印象しかなかった。
そして昨年、初めて僕が台湾コンサート・ツアーを行った時に、
何とそのドン・ユン・チャンとファン・チア・ウェイ君が共演してくれたのである。
その時の話は以前のアーティスト・るーむで書いたのでここでは省かせて頂くが、
ドンのプレイはスタンダード・チューニングが中心の、
どちらかと言えば正統派のギタリストだと言える。
でも良くコントロールされたピッキングは、長年鍛え上げたものだという事がよく解る。

彼は1968年の2月に台湾の台北で生まれ、ギターは16歳の時に初めて手にする。
そして台南の大学でファン・チア・ウェイ君と出逢い、増々ギターの虜になり、
コンテストなどにも積極的に応募するようになる。
その中には日本で行われた某Band Explosionに出場し、
そこでは見事グランプリを獲得したそうだ。
後にこの事が台湾の音楽業界に認められ、
台湾ソニー・ミュージックからメジャー・デビューする。
でももっとギターを勉強したかった彼は、
アメリカのボストンにあるバークレー音楽院に入学するチャンスを得、
そこで音楽理論などを短期間ではあるが学んだという。
 


 

彼はこれまでに台湾ソニーから3枚のアルバムをリリースしている。
1st アルバムは1996年に " Blue Mountain " 、
1998年に2nd アルバム " Urban Meditation "、
1999年に3rd アルバム " Years with Guitar "といったアルバムである。
又、2nd アルバム " Urban Meditation " は台湾のゴールデン・メロディ賞の
ベスト・ポップ・ミュジック・アルバムに選ばれたそうだ。

この " Urban Meditation " は全体にあまり台湾や中国を感じさせないアルバムだが、
それでもよく聴くと " 楊柳 " や " 南方小鎭 " といった楽曲に
台湾の伝統的なメロディがオーヴァー・ラップしてくる。
僕が今後の彼に期待するのは、こういった自国の伝統音楽を
如何に自分の作品に反映してくれるのかと言うことである。
でないと、僕達がいくら欧米の音楽を追求してもそれらは自然でないし、
又、いつまで経っても欧米のギタリスト達と音楽を通しての会話ができない。


 

Dong Yun-Chang

" Urban Meditation "

Sony Music Taiwan  SDD9804/489731.2



 

  1. 邂逅
  2. 城市瞑想
  3. 楓之舞
  4. 夏雨
  5. 一根扁據
  6. 追月
  7. 揚柳
  8. 糾纏
  9. 南方小鎮
10. 晩安・城市




彼の台湾ソニーからリリースされたアルバムは全て廃盤になっているようですが、
2002年の9月頃には久しぶりのニュー・アルバムがリリースされます。
その時は再度このコーナーで紹介させて頂きます。