ピアンキャリアー法(変法)












1)オピアンキャリアー
  昔は自作(歯ブラシの柄と伝麻針、浸麻針を利用し作製)のものを使用していたが、今は市販のものがあるので、
  そちらを使用すれば良い。構造はホルダー部分とキャリアー部分に分かれ、キャリアーは可動でき、任意に角度を
  つけることができるようになっている。キャリアーの先端部には1mm程度のニードルがついていて、ガッタパーチャ
  コーンをさしこむ部分となる。キャリアーは根管の長さに応じて2〜3種類、長さの違うものを用意しておけば便利。








2)ウォームコーン用ガッタパーチャポイント(ジッペラー社)
  通常のガッタパーチャポイントでは加熱させても流動性に欠け、引き延ばしても切れないので、
  ウォーム用のものを使う。








3)SCHILDERプラガー(#9 #10 #11)(CAULK社)
  通常は太さの異なる3種類程度のプラガーがあれば十分。若干弾性があり、腰のあるものが使いやすい。
  他、ニッケルチタン製のプラガーも弯曲根管には良いと思う。








4)特殊プラガー
  根管の形態に合わせて特殊なプラガーを用いることもある




断面が楕円、長方形になったプラガー(山田邦晶氏、小嶋寿氏考案)




KERR社のプラガーを途中で切断した改造プラガー








オピアンキャリアー法の特徴
炎が通っていない部分のガッタパーチャ(軟化されていない硬い部分)をプラガーで加圧することで
垂直方向に圧がかかり、炎が通っている部分のガッタパーチャ(軟化された部分)が根尖孔や側枝に充填される。












術式




1)事前にオピアンキャリアーを根管内に挿入し、キャリアー先端部分の角度が適正になるように調整する。
  特に上顎大臼歯ではキャリアーをどの角度から持っていけば根管内にスムーズに挿入できるかを把握する
  ためにも必要となる。





2)#60ウォーム用ガッタパーチャポイントを先端部より7〜9mmの長さに切り、オピアンキャリアーにセットする。






3)ガッタパーチャコーンの先端部分を炎の根元部分にさっと通す。
  この時、ガッタパーチャコーンは先端1/3のみが加熱軟化され、根元の部分(キャリアー側)は炎が通ってない
  ため硬い状態であることが重要。





4)オピアンキャリアーを真下に下げ、下から親指と人差し指にて軟化されたガッタパーチャコーンの先端部分をつまみ、
  そのままオピアンキャリアーを真上に引き上げればガッタパーチャコーンの先端部分を細く尖らせることができる。





5)オピアンキャリアーを根管内に挿入(上部根管壁にガッタパーチャが付かないようにダーツで的を狙うが如く
  すっと入れる)し、ほんの少し加圧した後、キャリアーを引き上げる(ガッタパーチャコーンのみが
  根管内に残される)。





6)根管径よりひとまわり小さなプラガーにて加圧を加える。
  この時、患者の表情をよくみておくこと。患者が反応した時(まばたきをしたり、痛みの表情をしたり)が根尖孔から
  ガッタパーチャが溢出した瞬間であることが多い。その時点で一旦加圧を止める。





7)1〜2秒後再び加圧を行う。根尖孔から溢出したガッタパーチャはその間で硬化してしまうため、
  再度加圧を加えるのは、それより上部に加圧を加えることと、ガッタパーチャの硬化時収縮を補償する
  意味での加圧である。この場合、あまり強く加圧せず、地ならしするように、まんべんなく時間をかけて
  加圧すると良い。

8)同様にして根管上部までガッタパーチャコーンを積み上げ加圧する。
  あるいはオブチュレーション法にて根管上部を填塞しても良い。
  特に根管中間部に側枝が疑われ、側枝へ充填させたい場合はそのほうが有利である。
9)根尖まで充填できているかどうか確認するためレントゲン撮影を行う。
  根尖まで充填できていなければ、Hファイル等ですぐにガッタパーチャを除去し根管形成に不備がないか
  どうか再度チェックすること。根管形成に不備がなければ即日再根充しても良いし、再形成が必要な場合は
  根充を後日に行っても良い。ただし、根充剤の除去は当日行っておくべきである。
  除去を後日にまわすとガッタパーチャが完全に硬化してしまい、除去に時間がかかる。

注1)本来の方法ではガッタパーチャポイントを加熱した後、温度を少し下げるためユーカリ油にほんの少し
   浸すのだが、この方法ではガッタパーチャコーンの先端を引き延ばしているため、ガッタパーチャの温度は
   そんなに高くない。よってユーカリ油は使用しない。

注2)最終拡大番号が#60以上の場合は最終拡大番号に応じた太さのオピアンガッターを使用し、
   3)の作業は行わない。
   代わりに、通法どおりコーンの先端部を一瞬ユーカリ油に浸した後、ティッシュペーパーで余剰についた
   ユーカリ油をぬぐい取る作業を行い、根充操作に移る。






オピアンキャリアー法による根充例。








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CG提供:(有)Cyberデジタル(藤沢)