この話の時点では、シャンクスもうすぐ21歳、ミホーク二十歳、ベン17歳のつ もりで描いております。意図的に言動を若めにしたつもりですが、巧くいったのかど うか。 あの後、警戒して酔わない程度に制限しているうちに体の成長に伴ってアルコール 耐性が無闇に上がってしまって、二十歳頃には酒場のストックが尽きるまで飲ませて もほろ酔い程度のザル通り越して枠レベルの酒豪と化しましたので、猫ベンを見たの はこの話でのシャンクスが最後です。 猫ベンと言うとどうしても頭に浮かぶのが我が家の飼い猫君、その名もベン(出典 はERのお医者様、ドクター・ベントンですが)君。アメショーの血が混ざっているら しい暗褐色の縞柄、長い尻尾と鼻の高い険のある猫相は結構ハンサムじゃないかと、 思っているのはきっと飼い主の欲目と言うやつでしょう。甘ったれの人たらしの名人 にして、誰もいないと僕寂しくて死んじゃうくせに抱っこは嫌いな我が儘ものですが …可愛いんですよぅ。作中の副船長の動作は、かなりのところ彼(猫のベン)の行動 を参考にしました。 書いていて思ったことですが、うちのシャンクスの嫉妬のトリガーは、「自分が好 きな相手が過度に他人に気を許す」事のようです。誰と寝ようが、自分の目に入らな いところでやっている分には、自分も偶にやることですからあーそーでオシマイでし ょうが、懐くと怒り狂う…微妙な男心と言っていいものやら。 いかなる種類にせよ戦闘を人生の一部として生きていく上での重要な資質の一つは、 「それはそれ、これはこれ、別腹」と本気で言える割り切りの良さだと思っています が、それでもなお納めきれない感情を持つのは果たして良いことなのかどうか。 そんなものを叩きつけられる瞬間の、「ああ、俺死んだ」と錯覚してしまう衝撃に混 ざる、打ちのめされるような快感も含めて、我ながら難しい人間関係を書き始めてし まったものだと思います。 あの話では、結局あの後、ベンの大暴れに楽しく付き合っているうちに草臥れ果てて 二人して健全に轟沈(でもキスはしたし、ベンにほっぺたや指先舐めてもらったし、 調子に乗って鎖骨の下、ぎりぎりシャツに隠れるあたりにキスマーク付けようとした らびっくりした猫ベンに関節技くらって首の筋を違えてしまったわけですが)しまし た。 ちょっとだけ心残りは、ミホークの一人称をついに出せなかったことでしょうか。己 と書いておれ、と読ませる…似合うと思ったんですが。 表紙・挿絵担当及び、編集者後書 きくひともじ助監督の後書は打ち合わせメールを編集したものです。 本文は八月に頂いていたのですが、挿絵に困って遅くなりました。悩んだのはミホー クと副の組み手シーン。アクションって文で書くのも難しいけど、絵で表現するのも 難しいものです。延期するとイベントに向けての原稿準備期間に入って身動きがとれ なくなるので、思い切って掲載しました。「弁解は罪悪と知りたまえ」ああ、教授… (この台詞をご存知の方いますか?NHKのアニメです) 一部、秘密にされた挿絵がありますが、それは地下倉庫にて掲載しています。 きくひともじ助監督への感想メールはこちらからどうぞ