船医はシャンクスの左腕の傷口をしげしげと見つめて言う。 「すっかり癒着したみたいだな。もう風呂にも入っていいぞ」 「名医のおかげです」 シャンクスは調子に乗った。 「あの時に海王ウツボの腹から腕を取り戻して来れば、ちゃんと縫って繋げてや れたんだがな」 船医は皮肉たっぷりに言い返した。シャンクスは返す言葉も無い。 「お頭、もう風呂に入れるんだって?」 今月の風呂当番になっている船員が訊ねた。 「おう」 シャンクスは上機嫌で答えた。 「体洗うの誰かに手伝ってもらうか?たまった垢をきれいに落としたいだろ?」 「何もそこまで」 シャンクスは笑う。そう言って数歩進んだ矢先にくるっと向きを変えた。 「やっぱ手伝ってもらうわ。個人用の小さいバスに湯を張ってくれるか?それで 副船長に手伝うように言ってくれ」 「あいよっ」 船員は小気味良い返事をした。 シャンクスの艦には共同の風呂の他に、補助の小さなバスルームが一つある。船 内の空間には限りがあるので、とても小さなものだ。 シャンクスは狭い洗い場に座って、裸で待っていた。 「お頭、入るぞ」 副船長の声と同時に扉が開いた。 「おう」 そこに現われた彼の姿はシャンクスが想像したものとは違った。彼の出で立ちは ランニングにジーンズだった。シャンクスは不満顔で言う。 「なんで風呂に入るのに服なんか着てるんだよ」 「こんな狭いところに二人で入れるか。俺の役目は洗うのを手伝うだけだろ」 副船長は呆れながら答えた。 「ケチケチすんなよ!一緒に入ってくれたって良いじゃないか。服を脱げよ。脱 げったら!」 ザバーッ 子供のように駄々をこねるシャンクスの頭に、副船長は湯をかけた。 「そんなカッコのままじゃ風邪ひくだろ。さっさと風呂に入れ」 副船長は石鹸でシャンクスの背中や髪をを洗い始めた。シャンクスは泡まみれの まま黙っていた。大人しく観念したか、そう思いながら副船長は泡を洗い流そうと 湯を汲んだ。シャンクスは洗面器を持っている副船長の腕を掴んで、副船長の頭の 上で洗面器をひっくり返す。当然、副船長は頭から湯を被った。 「あんた…」 副船長は言葉が続かない。 「そんなカッコのままじゃ風邪ひくだろ。さっさと風呂に入れ」 そう言って、シャンクスはにやりと笑った。 副船長はシャンクスの泡を流してから服を脱ぎ、体を洗い始めた。 シャンクスは湯船に入りながら、彼が体を洗い終えるのを待つ。 「さあ、来い」 シャンクスは湯船にぴったり体をくっつけて一人分のスペースを空けた。副船長は シャンクスに背を向けて湯船につかる。湯があふれ出た。 「お前、ボブスレーに出たかったのか?」 シャンクスは副船長に訊ねたが、彼は黙っている。 「まあ、俺は前でも後ろでも構わないけどな」 シャンクスは言い終えないうちに、副船長の腰に脚を回してひきよせた。腰に既に そり立っているシャンクスの一部が当たる。 「やっぱりこういうことか」 副船長は逃げようとするが、シャンクスの脚は彼をしっかり捕らえていた。シャン クスの下腹と副船長の腰に挟まれた「それ」はますます固くなる。 副船長の体は既にシャンクスのものを感じると自分も感じるようになってしまって いた。彼のものもつられて前へと頭をもたげていく。こうなると反論の余地がない。 シャンクスは首筋に舌を上へ這わせていき、耳たぶを唇で挟んだ。右手で胸の小さ な突起をこねまわすと、それはすぐに弾力をもって指を押し返す。 副船長の息が荒くなっていくのを押さえている様子を感じ取ると、シャンクスは下 腹へと手を滑らせる。彼のものを摩りながらシャンクスは言う。 「たまには違う場所でするのも悪くないだろ」 副船長は頷くことも否定することもできないまま、快楽の波に飲み込まれそうにな るのをこらえている。 彼らの情交の場はシャンクスの部屋か、副船長の部屋のどちらかしかなかった。シ ャンクスは何度か別の場所で挑もうとしたことがある。キャンプ先の野外や、倉庫等 で彼は申し出たがことごとく断られた。以前に火薬庫で押し倒そうとしたが、不意の 訪問者が来たことで未遂に終わってしまったこともあった。 シャンクスは名残惜しそうに愛撫の手を止めて言う。 「湯あたりしないうちにそろそろいこうか」 シャンクスは右腕だけで副船長の腹を抱えて持ち上げる。浮力も手伝って彼の体は 少し浮いた。彼の後庭にシャンクスのものがあてがわれた。先端に湯とは違うぬめり があるのを副船長は感じた。 「ここで無茶すると水が入るかもしれないからさ、この姿勢でちょっと止まってて くれ」 シャンクスに言われ、副船長は浴槽の両縁に手をかける。すかさず手を移動して彼 の入り口に指をあてがいそこから滑り込ませていく。後は慣れたもので彼らの背と腹 はすぐに密着した。 浴槽の中に波が起こる。ザバザバと立つ水音が彼らの荒い吐息をかき消している。 副船長は浴槽の中で足先を固定させようともがくが、滑って足を突っ張ることが出来 ない。副船長の足の指が何かを掴むように丸くなる度、シャンクスは小さな呻き声を 漏らした。 「もう…ちょっと…」 シャンクスはそう言いながら、副船長のものを握りこみ熱く出ようとしている精の 出口を閉ざす。 「はぁっ…」 副船長は身じろぎして、溜め息とも喘ぎともつかない声を上げた。 大きな波が打ち寄せ、シャンクスは手を離した。彼は副船長の肩を掴み、彼から体 を離した。湯の中に放った彼は大きな溜め息をついた。 浴槽に崩れる副船長の体を受け止め、彼の頭を右肩に乗せて頭を抱き寄せた。 「な、ベッドの上でなくてもイケるだろ?」 シャンクスは言い終えると副船長のこめかみにキスをした。彼は浴槽から上がると 体を拭いて服を着始めた。 「今すぐお前の着替え持ってきてやるからさ、つかって待ってろよ」 シャンクスは上機嫌で浴室から駆けるように出て行った。 「二人分のが混ざってる湯の中でか?」 副船長は立ち上がろうとしたが、膝が小さくカクカク震えて思うように力が入らな い。仕方なく彼は浴槽の中で着替えが来るのを待った。 やがて小さな浴室に元気な足音が近づいてきた。
