「俺の酒は飲めないってか?ミホークの酌はほいほい受けたんだろうが」
 目を据えて酒瓶を突きだしてくるシャンクスの前で、ベックマンは途方に暮れ
た。ミホークとルゥの口車に乗って見せてしまった醜態は、その後仲間から断片
的にだが耳にして奈落の底まで落ち込んだ。本音を言えば飲みたくない。
 「お頭…」
 「それとも何か、下の口から飲まされる方が好みか?」
 下の口、が何を意味するのか、理解するまで数瞬かかった。ベックマンは湯気
を噴きそうに紅潮した。いくら他人の目がない船長室とは言え、一体何を言い出
すんだこの男は!
 「な、あんた何を!」
 「飲むのか、飲まされたいのか?」
 ベックマンは驚愕のあまり絶句していると、シャンクスは飛び掛って相棒の腹
に馬乗りになった。
 シャンクスは自分のサッシュを解くとベックマンの両手を縛り上げる。
 「やめてくれ!!」
 懇願が聞き入れられるわけもなく、彼はうつ伏せにされズボンをずり下ろされ
た。シャンクスはむき出しになった腰を引っ張り上げて、膝で立たせた。
 「遠慮なく飲めよ」
 キュポンと瓶の栓が開く音が聞こえた。
 「ぁあっ?」
 彼の下肢の間を温かく濡れた感触が這う。普段には決して許さなかった行為。
彼は羞恥と快楽に震えながら耐えた。舌の感触から解放されたかと思うと、次
は二本の指が同時に滑り込んでくる。その指を伝って内部へと流れ込む冷たい
感触。
 「ひっ…!」
 我慢強い彼でも、たまらず声をあげた。
 冷たい刺激に腹の内部が意思に反してうねり蠢き、呼吸が乱れる。
 「はあっ… …うぅっ」
 入りきらずにこぼれた液体をシャンクスが舐め取る。それでも捕らえきれなか
った分が太腿の間を伝って落ちていく。伝った跡も妙に冷たい。
 やがて 酒を流し込まれた箇所の熱が上がり、脈打ってうずきだす。指を差し
込まれると冷たいのか熱いのか分からないひりひりした感触で埋まる。
 すぐに酒が体に回り、さらに体が燃える様に熱くなる。
 「ああああっ!」
 自分の声に驚いて瞼を開くと見慣れた自室の天井が視界に入る。我に返った彼
は、自分が夢を見ていたことを自覚した。
 ずいぶんと昔の…、しかも実際には起こらなかった出来事を妙にリアルに…
 寝直そうと思ったその矢先、彼は自分の下半身を固定している何者かがいるこ
とに気付く。見慣れた赤い髪。
 「何やってんだあんたは!」
 副船長はすかさず蹴ろうとしたが、鞭のようにしなった脚をシャンクスは利き
手一本で簡単に受け止めた。
 「お前、もしかして眠ってたの?」
 なんとも呑気な答え。
 「あんたに起こされたんだよ」
 副船長の声は静かだが明らかに怒気をはらんでいた。
 「なぁんだ。隣に聞こえそうな大きな声でよがってたから、俺はてっきりお前
が起きて応じてくれてるもんだと」
 副船長は首まで真っ赤になった。遅れて眩暈を感じる。たくしあげられたラン
ニングシャツの他は全て脱がされていた。こんなになるまで気が付かなかったこ
とに改めて驚く。
 どうしてこんなことになったんだ?副船長は記憶を手繰る。
 今夜は帰港を祝って酒宴となった。現在拠点にしている島の名産は75プルー
フのラム酒ということも手伝って馬鹿騒ぎはいつも以上にエスカレートした。船
員の誰かが酔っ払って手当たり次第に酒とそうでないものを混ぜ合わせ、カクテ
ルとはおよそ呼べない代物、ちゃんぽん酒がふるまわれた。あの辺りから記憶が
ない。
 アレに変な物が入ってて、それが当たったんだな…。頭がくらくらするのは、
多分そのせいだろう。
 シャンクスは副船長の上に覆い被さって続けようとする。
 「おい、酔っ払い。今夜は止めとけ。どうも俺は酔ってるみたいだ」
 副船長は首を横に振った。
 「えー、俺は酔ってるお前とするのが好きなのにぃ」
 酒くさい息を吐きながら、シャンクスは副船長の胸に頭をすりつける。彼も少
し酔っ払っているようだ。
 「酔っ払いとやって何が楽しいんだよ」
 「んー?普段の冷たい体のお前を暖めるっていうのも好きなんだけどー。酔っ
て火照ってるお前の体も凄く気持ち良いんだもーん」
 シャンクスが副船長の上に寝そべった。互いの体に挟まれた自分たちの男の部
分がすでに後戻りできない状態にある。副船長は抵抗を止めた。
  シャンクスが副船長の腰を胸に抱えて持ち上げる。
 「今夜は徹底的に飲もーう」
 瓶の栓が開く音が聞こえた。
 まさか…!
 「止せ!止すんだ!やめっ!」
 既にシャンクスの指と唾に慣らされた彼の後庭は無防備だった。二本の指が入
った同時に指を伝って内部へと液体が彼の奥へと流れ込む。
 「やめ…!シャン…クスっ!ぁああっ」
 我慢強い彼でも、たまらず声をあげた。
 冷たい刺激に腹の内部が意思に反してうねり蠢き、呼吸が乱れる。
 「 …うぅっ、…はあっ…」
 やがて 酒を流し込まれた箇所の熱が上がり、脈打って疼きだす。冷たいの
か熱いのか分からないひりひりした感触が彼を混乱に陥れる。
 飲むのとは比べ物にならない速さで酒が体に回りはじめた。
 そこにシャンクスの雄が一気に攻め込んできた。激しい動きに熱さが加わっ
て彼の体は乱される。
 「や…めっ! 熱いっ! …熱いっ!」
 副船長はシャンクスから逃れようと暴れて体を左右に捻る。だがそれを逃が
すまいとシャンクスは腰を打ちつける。
 「すんげぇ、俺も沸騰しそうっ…」
 「はっ… あっ!…あぁーっ! あっっ…ぅあっ!」
 部屋に響く副船長の声。
 嬌声はあげたくないのに抑制が効かない。勝手に口が動いて叫びを上げる。
 「あっ!あぁあっ!」
 二人は同時に声を上げて果てた。

 後日…
 「ねえねえ、ベン。また、これやろうよ」
 シャンクスは酒瓶を振って見せた。
 「あの時のお前ってば最高だったからさぁ。ねっ!やろうよ」
 副船長は黙っていたが、やがて妖艶な笑みを浮かべて見せた。
 「あれよりも、もっと熱くなる方法があるって言ったらあんたどうする?」
 「それはもう是非!」
 シャンクスは鼻息を荒くした。
 副船長はシャンクスのジッパーを下ろした。
 「痛ぇ〜!」
 シャンクスは自分の股間を抱えて倒れこんだ。副船長の手に握られていたの
はマスタードのチューブ。
 「あんなこともう一度やったら、金輪際あんたの相手はしないからな。よー
っく覚えとけ」
 「ご…ごめんなさい…」
 シャンクスは涙を浮かべて謝った。
 次の日の晩、
 「すみません、あれは酒の上でのことだから、もうしません。だから、やら
せてください。ちゃんとまともにやりますから」
 土下座して謝罪するシャンクスに副船長は根負けした。

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