27.遅いが速い


自分の前を妙にゆっくり走る車がいて、車線変更して抜くことはよくあると思います。しばらく走って、信号待ちしていると、抜いたはずの車がゆるゆると隣の車線を自分よりも前に出て行くことも経験された方はいると思います。

さて、シミュレーションしてみました。走行距離6km、信号は9カ所あり、面倒なのですべて赤90秒、黄色4秒、青86秒です。他に車 はいません。図の横軸は時間、縦軸は走行距離です。車A(青色)は、信号が青に変わると大喜びで最高時速70キロまであ げてとにかく前に走ります。B(緑色)は最高時速50キロで、信号のタイミングも考え、エン ジンブレーキも有効に利用しています。また、アイドリングストップもしています。赤色の横線は信号赤の状態なのでこれを横切って上へは 進めません。赤線にぶつかると、右端から再び加速して走ります。原点からどのような角度で線を引いても赤線にぶつからずに6km地点まで到達しませんの で、一定速度では絶対に信号ストップがあるということです。他に車がいないならば、速度を落としたり速めたりしながら赤線にぶつからないように6km走ること は可能です。

ゴールの50m手前の信号待ちが終わり、Aが動き始めたとき(540秒)に、Bは後ろからようやく追いついて減速せずにAを抜き去り、 そのまま先にゴールの6km地点に到着します。Aは加速したのち減速しますが、結局Bに抜かれたままです。最後のあたりを拡大したのが下図です。遅いが速いのです。この例はやや極端ですが、現実にあります。

手持ちのデータから燃費を予測して計算すると、Aは9.8 km/L、Bは15.2 km/Lとなります。AとBの燃費の違いはこれまでに説明した通りです。信号の多い市街地では、燃費を犠牲にして急いで走っても、それだけの見返りはありませ ん。速く走ってそれだけ早く着くのは、高速道路やガラガラの郊外道路だけです。この場合には急いだ分だけ早くつきますので、急いだ効果はほ ぼ100%。市街地でも交差点の信号待ちの間に交差する道路から多くの車が入ってくるような場合は、少しでも前にでると、確実に信号ひとつかふたつ分は先 につきますので効果は50%。交差する道路から車が入ってきても同じくらい右折左折で逃げるような場合やほぼ一本道で信号が多いところでは、信号のタイミ ングで車の平均速度は決まってしまうので、効果10%。こんなところでは無駄なあがきはしないこと。


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