おたまじゃくしの池

 今までの話  

 最初の診断は無精子症

案の定、体調を崩し、寝込む日が続きました。
この時もまだ男性不妊について勉強する気にはなれず、無知状態のまま。
1週間後の精液検査も、まったく期待をしていませんでした。
結果は「不動精子らしきものが、ごく少数」。
そして、2度目の精液検査も全く同じ結果。
精子数、運動率など、何もかも「オール0」と印刷してあるプリントを無表情に渡され
「ご主人は無精子症です」
先生のその言葉に、わかっていたかのごとく頷いていました。
もうすでに精神的にどん底状態だったので、がっかりもせずボンヤリと・・。
好きだった女医さんではなく生意気なおぼっちゃま風の院長先生。
先生は、ボケッとしたバカっぽい私の態度にイラついたのか、
とげとげしくいろんな言葉をまくしたて、
泌尿器科の病院への紹介状を机の上にポンッとおいて
冷たく背をむけて診察室をでていってしまいました。
それはつまり、簡単に言うとこういうことだった。
「精巣生検をして、正常な精子がいたらそのまま凍結保存をして
顕微授精をする方法があります。で、どうしますか?」と。
不妊についてほとんど何も知らなかった私は、実はその時、
いっぺんにいろいろな説明を聞かされ頭がパンクしそうになっていました。

「この間はよほど調子悪かったんですね。ご主人は正常値でした〜」
そんな奇跡めいた言葉を無意識に待っていたのか・・。

もちろん、生検をしても精子がいなかった場合の心の準備など
まったくできていなかった。
「今すぐ決断しろ」っていうのはあまりにも・・考えれば考えるほど酷な状況でした。
「事務系のお仕事じゃないのなら、1週間は休んで安静に」と医者は言った。
夫はハードな肉体労働者。運送業という職業柄簡単には休めない。
まして転職したばかりで何日も休めない。
お金?余裕は全くない。借りるあてもない。
「どうしたらいいのだろう・・」
女医さんは「早く妊娠しないと」と言った。時間はそんなにない。

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