「
カラシニコフ
」
...............横山仁一
...............朝日新聞社 1,400円+税
...............ISBN4-02-257929-3
カラシニコフというのはAK47と呼ばれるロシア製の自動小銃のことである。その扱いやすさや故障の少なさから世界中でもっとも使われている自動小銃である。
開発者のミハエル・カラシニコフへのインタビューなど、カラシニコフの誕生秘話を描いて入るが、この本の大半はシオラレオネやソマリアなど「失敗した国家」における信じられないような実話である。
少女は拉致され少女兵となり、そして売春婦となる。
食べ物のない街の市場には赤い肉(=人肉)が並ぶ。
各国からの援助は高官たちの私服を肥やすだけ。
そういった話も衝撃的だったが、カラシニコフの設計についてが興味深い。精密な機械を作ろうとすると、どうしても精度を上げようとする。そういう機械はきちんと整備されていれば性能が出せるが、そうでない場合には性能が出せない。もちろん戦争という極限状況ではそうはいかない。弾が出なければ自分が殺されてしまうのだ。砂にまみれることもあるし、雨でずぶぬれになることもある。整備がきちんとできる兵士ばかりではない。このカラシニコフは、そういった状況でも常に能力を発揮することができる自動小銃だそうだ。これは現代の設計にも通ずる。現代風に言えば「ロバスト性が高い」ということになる。
一方でこの「誰にも簡単に使える小銃」が悲劇を生み続けていることも確かだ。
読書日記目次へ