臨場

...............横山秀夫
...............光文社文庫 590円+税


 東野圭吾の場合は短編よりも長編の方がいいけれど、横山秀夫の場合は完全に短編の方がいい。「クライマーズ・ハイ」は別格としても(そのクライマーズ・ハイも短編集の集まりと読めなくもない)。

 今回の主役は「検死官」。ウィキペディアから引用すると、
 刑事訴訟法第229条によって、変死者又は変死の疑のある死体(変死体)の場合、検察官が検視を行うことになっている。また、同条第2項によって検察事務官または司法警察員にこれを代行させることができる(司法警察員が行う検視は代行検視という)。
 検視は捜査ではないが、鋭敏な捜査感覚と法医学的な知識を要する。そのため、刑事調査官あるいは検視官と呼ばれる特殊な訓練を受けた司法警察員が検視をしているのが現状である。検視規則5条では、必ず医師の立会いをもとめて、死体を検分しなければならないとなっている(検察官や司法警察員は解剖する資格がないため)。
ということである。

 横山秀夫の描く主人公はいつもそうだが、ほんとうにいい味を出している。今回の主人公は「終身検死官」の異名を取る倉石義男52歳。倉石のこれでもかという徹底した仕事振りと時折見せる人間味。そんなところにぐぐっと引き込まれてしまうので、思わずうなってしまう。

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