「
同級生
」
...............東野圭吾
...............講談社文庫 667円+税
前から感じていたけれど東野圭吾作品には「鬱積した不満を晴らしたいという強い欲望」が根底にある話が多い(このパターンは東野圭吾だけではないが)。それを窺わせるような若い頃の心情を著者本人が「あとがき」で書いている。
若い頃に思っていた不満や怒りも自分が成長したり、立場か変わったりすると忘れてしまう(と言うか考えそのものが変わってしまう)。例えば会社でも入社2〜3年の頃に感じた不満を10年経っても、20年経っても継続して感じている人は少ないと思う。それが普通だとは思うけれど、果たしてそれでいいのだろうか。自分は出世して偉くなり権力も持ったが、若い人達はその当時の自分と不満や怒りを感じているのかもしれない。それを取り除いたり改革するには権力や立場が必要だったりする訳だから、上に立ったときにこそその当時の気持ちが大事ではないだろうか。
東野圭吾はそういう気持ちを忘れないためにこうい作品を残しているだろうか。普通の人だった頃と売れっ子作家となった今とでそういった気持ちどう変わったかに少し興味があったりする。
ちなみに、この作品は珍しくハッピーエンド(?)で終わる。
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