「世界でいちばん受けたい授業」「世界でいちばん受けたい授業2」

...............藤原和博
...............小学館1,600円+税、1,700円+税
...............ISBN4-09-840070-7、ISBN4-09-840076-6


 テルミナ地下の三省堂で平積みになっていたので買った本。作者Jは平積みに弱い。

 中学校の社会(公民)の教科書がおもしろくないということから、おもしろい(人生に役立つ)実験的な授業=「よのなか」科を東京都足立区の中学校で行った実録本。
 総合教育技術という先生達が読む雑誌?で行われたもので、「社会人が本気で学校に関わると社会科の学びがどれほど豊かになるかの実証」の記録。

 かなり勉強になりました。答えが出せない問題がいっぱいあって、普段使わない脳みそを使わされたという印象が残る。日本人が苦手とされるディベートする能力を引き出す工夫やタブーとして触れたがらない差別問題、自殺問題、クローン問題などを積極的に取り上げる。

 「1個のハンバーガーから世界が見える」
    ・・・マックの開店シミュレーションから価値の差異と為替までを
 「自分の家の窓から日本が見える」
    ・・・家の建て方の知識とそれにかかわる家族関係を
 「差異と差別を考える」
    ・・・ニューハーフの存在と自分の中の弱者(マイノリティ)の発見を
 「少年法を通して大人と子どもの境目を考える」
    ・・・少年裁判のあり方から犯罪を犯した少年をどう更生させるべきかを
 「よのなかと人のいのち」
    ・・・なぜ人を殺してはいけないか?から尊厳死、自殺、クローンの問題までを

 例えばマクドのビックマックを使った為替の説明は斬新だ。

     「日本で食べるビックマックと、アメリカで食べるビックマックは、同じ味がして、同じボリュームだとします。だから2つのビックマックは”同じ価値”を持つことになります。日本ではこれが280円。アメリカでは2ドル56セント。そうすると280円=2.56ドルだから、280円÷2.56ドル=約109円という為替レートが導き出される。」

 こういう授業なら眠くはならないだろう。それどころか眠くなっている暇もない。

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