「ファースト・プライオリティー」

...............山本文緒
...............幻冬舎1,600円+税
...............ISBN4-344-00229-6


 作者Jの場合、本を買う場合にはいろいろなパターンがある。1番多いのがある目的を持って買うとき。例えば、ある作家の著作ばかりをしゃにむに買いあさったり、あることについての著作ばかりをサクサクと買ってみたりなど。次に多いのが俗に言うベストセラーや書店の目立つところに平積みになっている本を買うとき。でも、そうではない場合もある。

 この本は、確か去年の年末に白馬に向かう途中の多治見駅前の大型ショッピングセンターの本屋さんで何気なく買ったと思う。あまり明確な意図を持って買った訳ではなく、年末年始の連休に軽く読める本はないかと探していて、装丁の感じと「ファースト・プライオリティー」という語感が気に入ったのではなかったか。

 31歳の女性にまつわる31通りのストーリーで、主人公達の「最優先事項=ファーストプライオリティー」というテーマで描かれた短編集である。女の人が書くエッセイなどあまり読むことはないが、黄色にブルーの題字に魅かれて手に取って、流し読みしてみていい感じだったので買ったと記憶している。

 美しい女性達の美しいおしゃれな話かと思いきや、あまり目に触れることのない女性の内面が克明に描かれていたりする。人はそれぞれこだわりを持ち、ここだけは譲れないという部分があると思う。31歳という年齢を作者がどうして選んだかは知る由もないが、女の人にとって微妙な年齢ということなのだろうか?

 著者のことは読み終わるまで知らなかったけれど、直木賞受賞作家とのこと。若い女の人かと思ったら40過ぎの人のようで、人生経験のなせる技か。

  「偏屈」「車」「夫婦」「処女」「嗜好品」「社畜」「うさぎ男」「ゲーム」「息子」「薬」「旅」「バンド」「庭」「冒険」「初恋」「燗」「ジンクス」「禁欲」「空」「ボランティア」「チャンネル権」「手紙」「安心」「更年期」「カラオケ」「お城」「当事者」「ホスト」「銭湯」「三十一歳」「小説」

 自分にとってのファーストプライオリティーは何だろうか?とふと思う。

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