君は永遠にそいつらより若い

...............津村記久子
...............ちくま文庫 609円


 直木賞受賞作である「ポトスライムの舟」よりはわかりやすいですし、お笑いっぽい部分もある話です。デビュー作だそうです。

 しかしながら一般的に気持ちのいいと言われる類いの小説かと言われるとやはりそうではありません。津村さんの根底にあるものが「金銭や恋愛など人生を満たすとされてきたものを持っていない人の目線」だからです。でもそれを知った上で読むと理解できる点が増えて来ます。「仕事の話」で津村さんの話を読んで私はそのあたりを理解しました。

 小説や映画には「スカッとした結末ですっきり」という一般的な効果があり、自分もそういった話がいいなあとずっと思っていました。でも、津村さんの作品を読んで「決して解決できないうやむや感ややるせなさ感に共感する」ということで自分を納得させる人がいるみたいだということを知りました。彼女の言葉を借りれば「日常の相当のことには合理的な解決って得られないじゃないですか。合理的な解決のある物語は、むしろ合理的な解決を得られないままの人の傷を「じゃあ、私が悪かったのかな」と更に深くえぐってしまうところもある。」ということになります。

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