「小説 消費者金融 クレジット社会の罠」
...............高杉 良
...............徳間文庫762円+税
...............ISBN4-19-891778-7
別に最近武富士が話題だから買ったわけではないが、事件をきっかけに読み始めた。半年くらい前に買って、途中まで読みかけていたのであるがなかなか読み進まなかった。
主人公はまだまだ企業としての消費者金融が機能していなかった昭和40年に、先駆者として消費者金融「京橋クレジット」を立ち上げた。消費者金融がサラ金と言われていた時代であった。法外な金利と「夜襲」と呼ぶ強引な取り立てを駆使して成功を収めたのであるが、さらに先を睨んで、サラ金の社会問題化を憂れいて「アメリカ並の低金利と社会的認知」を求めて低金利化を実行したために倒産してしまう。
その後、さらに時代の先駆者として、クレジットデータバンク(多重債務者リストのデータサービス)と債権回収機構の設立を果たす。これも軌道に乗っていたが、日弁連からの横やり(弁護士法72条違反)を受けながらも信念と行動力でそれを突破し、社会的認知を得ていく。
最近は消費者金融も浸透してきたとはいえ、イメージとしてはまだまだ暗いものがある。「消費者金融でお金借りてさあ」とはなかなか言えない雰囲気が確かにある。じゃあ銀行に小回りが利くかというとそうはいかない。作者Jも今年住宅ローンを借りてみてわかったのであるが、銀行というところは高額の融資が主であるし、審査だ何だといろいろ面倒くさい。小額のお金が今すぐ必要な人たちはいっぱいるのだ。
消費者金融には出資者がいて、高額の金利を得ているということに初めて気付いた。知ってみれば当たり前の話で、消費者金融も出資者から出資を募り、それを運用しているのだ。お金のある人にとっては、銀行に預けて吹けば飛ぶような金利を求めるよりも、消費者金融に出資して高利で運用してもらったほうがいいだろう。世の中お金がある人はますますお金が増えるようにできてるみたいだ。
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