「恋愛中毒」

...............山本文緒
...............角川文庫571円+税(BOOKOFFで350円)
...............ISBN4-04-197010-5


 ファーストプライオリティを読んだときに、おもしろい話とうまい描写に感心した筆者の本。ブックオフで見つけて、なんとなく買ってみた。こういう小説物は以前はあまり読まなかったのだけど、改めて本棚を眺めてみると最近は良く読んでいる。なんとなく自分の精神が娯楽を、あるいは、自分の生活にないものを欲求しているのかもしれない。

 地味で目立たない年のいった女性事務員の陰に隠された過去とゆがんだ恋愛感。そんな主人公の深層心理をとてもうまく、そして、とても怖く、描いている。一気に読める。

 最近はストーカーという犯罪が確固たる地位を確立してしまったけれど、程度の差こそあれ、「好きになったあの娘はどこに住んでいるんだろう?」とか、「あの人はどんなものが好きなんだろう?」とかいう気持ちをみんな持っていたんじゃないかと思う。でもそれが行きすぎてしまうと、「おかしい」というレッテルを貼られてしまう。

 こういうおもしろい作品はやっぱり評価が高く、第20回吉川英治文学新人賞受賞作だそうだ。それから2年後に「プラナリア」という作品で第124回直木賞を受賞している。

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