「機関車先生」
...............伊集院静
...............講談社文庫448円+税
...............ISBN4-06-263537-2
伊集院静の作品を初めて読んだのは高校生の頃だったか。その時は「伊集院静」という美しい名前に「どんなきれいな人かな?」なんてことを夢想して買ったような気がする。ところがご存知のように男だった。それもなにやら怪しげな感じだった。もっとビックリしたのは、あの夏目雅子の旦那さんであり、後に篠ひろ子と再婚した、その人であった。
年がら年中競輪を追っかけて全国を歩いているというギャンブラー同様の彼がどうしてこういう文章を書けるのか?どうしてきれいな人にもてるのか?そういう人だからこそ、そうなのか?
瀬戸内海の小さな島の児童7人の小学校に代理教諭としてやって来た先生は、体が大きく、子供たちから「機関車先生」と呼ばれるようになった。でも機関車先生は子どもの頃の病気が原因で口をきくことができない先生だった。
このシチュエーションだけで、ある意味ずるいといえるような感じはあったのだが、まんまとその罠にはまりエンディングでは通勤電車の中で泣いてしまった。「柴田錬三郎賞」に輝いた作品。
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