「煉獄の山」
...............梓林太郎
...............双葉文庫648円+税(ブックオフで350円)
...............ISBN4-575-50793-8
梓林太郎の作品はここに書くのも面倒くさくなるくらいもっと読んでいるのだけど、この作品はちょっと題材が面白かったので書いてみる。
登山の場面が少し登場することはするのだが、メインの題材として取り上げられているのは名簿ビジネスの内容である。誰でも「どうしてこんなとこからダイレクトメールが届くのかなあ?」と思ったことはあると思うが、そういう個人情報を商売にしている人たちがいる。今ではインターネットという電子媒体があるのでその希少価値は下がってしまったかもしれないが、ここに取り上げられているのは少し前のアナログの時代の話だ。
市役所へ行って住民票を閲覧し、それをひたすら書き写し、年齢で整理して、例えば「小学生の子を持つ家庭のリスト」と言って百貨店に売込む。
企業の社員名簿を集め、一部上場企業の人をピックアップして「収入に余裕があり、証券取引に興味がある人のリスト」と言って証券会社に売込む。
今では陳腐化してしまったであろうこうした手法も、最初に考え出した人はすごいなあと思う。ちょっとした勇気と知恵がばく大な利益を生むビジネスモデルと言えよう。
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