「在日魂」

...............金村義明
...............講談社文庫467円+税
...............ISBN4-06-274937-8


 ハードカバーで平積みになっていた頃から読みたいと思っていたけれど、ちょっと節約して文庫になるのを待っていた。報徳学園でエースで4番で甲子園優勝、そして、近鉄→中日→西武と渡り歩いたプロ野球選手金村義明(本名:キム・ウィミョン)の在日朝鮮人として半生を綴った自伝。

 一見単一民族で構成されている風な日本では、目で見てわかるような人種差別はない。が、実際には、在日朝鮮・韓国人、同和問題、明らかな人種差別が存在する。自分の育った環境では、両者の差別を直接体感することはあまりなかったけれど、なんとなくそんな話を聞いたことは時々あった。
 数年前に、日本人の研究をしていたオーストラリア人の友達に「在日三世は日本人か?」「ラモス瑠偉は日本人か?」などの質問をされたことがあった。その時は正直な気持ちとして「差別とかする気はないけど、ラモス瑠偉は日本人だとは感じないよ。例えば、カールルイスが帰化して日本人になってオリンピックの100mで勝ったとしても、日本人が勝ったとは思えないよ。」というようなことを答えたような気がする。そんなことがあったあとに、在日の人たちについての本を買って勉強したっけ。

 今回はそんな大げさなことではなく、J Sportsの「がんばれ日本プロ野球」での金村氏のトークがとても面白く、なんとなく好感を持っていたのだった。それでこの本が出て、読みたいなあと思っていた。

 書いてあることは「豪快」と言えるようなエピソードばかりで、甲子園で勝ち進む毎に毎回生ビールで乾杯していたことや、浮気三昧の日々や、近鉄のダメダメ経営振りなどとても面白い。典型的なやんちゃ坊主という感じだ。

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