菜穂美の個人的映画史

【個人的な映画史】
私の映画歴ですが、始まりはロンドンでした。親の仕事の関係で5歳から5年
間イギリス在住だったのですが、そんな小さな年齢のときから「007」好きの
父親に連れられて「私を愛したスパイ」を観たのが一番早い映画館体験だっ
たのではないかと思います。以降の「007」シリーズはすべて観に行ってい
ますし。あとは「サウンド・オブ・ミュージック」とか「スターウォーズ」もロンドン
で観た記憶があります。

日本に帰ってきたときも、親が「武蔵野興業」「松竹」の株主で優待券を持
っていたため家族でよく見に行きました。やはり「007」と、あと「寅さん」映
画が好きだったようで、このへんはかなり観ています。

中学生のときは多分に漏れずアニメ好きになって「ガンダム」にはハマりま
した。高校のときには映画研究会(この会のOBには手塚真や利重剛などが
います)の関係者や某大学の特撮研究会で怪しい映画作りに参加していまし
た。しかし高校〜大学の初期は映画よりもロック(HM/HR)に夢中だったので
それほどたくさん映画は観ていません。大学生のときも、たまに大学のそば
の早稲田松竹で2本立てを見る程度と、家でヴィスコンティやフェリーニの作
品のビデオを見るくらいで、とりたててたくさん観ていた訳ではありませんで
した。

社会人となっても、仕事がやたら忙しかったり、バブル時代を謳歌していた
りしたので、一般人よりは多少多く映画を見ていた程度だったと思います。
(月に3〜4本程度)。ところが、仕事で1996年のフランス映画祭にちょっと
携わり、そのときに16本ほど映画を観たころから多少変わって来ました。
パトリス・ルコントやリシャール・ボーランジェなどの映画人を生で見ることが
できたというのも大きかったです。
その後転職した会社が、香港の衛星放送番組を扱うCSの会社だったというこ
ともあって、映画好きに拍車がかかってきました。アジア映画に急速に関心
を持つようになったのもこの頃です。映画関係の番組の担当を外れてしまっ
て、しかもそのチャンネル自体が消滅してしまったことから、また転職。今の
会社だと比較的残業も少ないので、仕事帰りに映画を観やすい環境となり
ました。で、映画フォーラムに入って一気にたくさん観るようになったわけ
です。たぶん、本格的な映画好きに私を引きずり込んだのは「恋する惑星」
「太陽の少年」そして「フェイス/オフ」の3本なのではないかと思います。


【最近のマイブーム】
さて、現在の私の映画の好みはというと、ほとんど何でも観るようになって
しまっているので全般的な話は語りにくいのですが。今のちょっとしたマイブ
ームとしては

●香港映画などアジア圏の映画。「ヒーローネバーダイ」「暗戦」のジョニ
ー・トウによる新しい香港ノワール。チャウ・シンチーのお馬鹿映画。香港
映画に多大な影響を受けているであろう、韓国映画やその他東南アジア圏の
映画も注目しています。(これから公開されるハン・ソッキュ、シム・ウナ共
演の韓国猟奇ホラー「tell me something」にもビックリ)
香港映画人のハリウッドでの活躍にも期待しています。
●旧ソ連圏映画。キルギスタンの「あの娘と自転車に乗って」、タジキスタ
ンの「ルナ・パパ」、そしてあの強烈な「フルスタリョフ、車を!」。
●イギリス映画。マイケル・ウィンターボトムは「バタフライ・キス」でガツン
とやられてしまったので、注目しています。「ひかりのまち」も楽しみ。
●戦前の日本映画。といっても数本しか観ていないのだけど、「丹下左膳
余話・百万両の壷」「爆弾花嫁」など、自分の映画観をひっくり返すような
面白さにびっくりしています。

とはいっても、ハリウッドメジャー作品も観たりして、まったく節操のない私
です。好きな俳優というのは日頃はあまり意識していません。強いて言え
ば、去年の東京ファンタスティック映画祭で実物を見て、あまりの美しさに
同じ生き物だとは思えないほどだと思ったダニエル・ウー。それとバカをや
っても決して目は笑っていないチャウ・シンチー。そして新作「グリーン・
デスティニー」で大人の魅力も光っていたチョウ・ユンファでしょうか。


【個人的な映画の見方】

個人的には「面白ければいいじゃん」という底の浅い見方をしています。多
少整合性がなくても、脚本にほころびがあっても、観ている間楽しめたり、
笑ったり泣いたりできればそれでいいと思ってしまいます。あまり重箱の隅
つつきという行為は好きではありません。映画の筋そのものもそうですが、
音楽とか、美術とか、時代性とか、衣装とか俳優そのものとかが魅力的であ
るということもけっこう大事なのかな、と思っています。
私の書いていることというのも、あくまでも個人的な意見ですし、映画の観
方は人それ方は人それぞれなので異なる感想を持つのも当然だと思います。