失業日記バックナンバー
●2004/06/22 Tue NYアメリカン・バレエ・シアター観劇から帰国。
帰ってきました。メトロポリタン・オペラ・シアターでのABTの「白鳥の湖」、合計7回観てきました。
6月15日 マルセロ・ゴメス&ヴェロニカ・パールト
6月16日昼 デヴィッド・ホールバーグ&ミシェル・ワイルス
6月16日夜 マキシム・ベロツェルコフスキー&イリーナ・ドヴォロヴェンコ
6月17日 アンヘル・コレーラ&アシュレー・タトル
6月18日 フリオ・ボッカ&ニーナ・アナニアシヴィリ
6月19日昼 イーサン・スティーフェル&ジリアン・マーフィ
6月19日夜 マルセロ・ゴメス&パロマ・ヘレーラ
同じ演目でも出演者によってこんなにも違うということを、実感。出来不出来の差がはっきりとお客さんの反応にも出た。今回はロシア系の白鳥の圧勝、を感じた。ニーナ、イリーナ、ヴェロニカが優雅で感情表現が繊細に出来ていて素晴らしかった。(回転はジリアンやパロマが凄かったが)
METは前の方はフラットで非常に観づらく、指揮者がかなり高いところにいるので邪魔だし、足先が見えなかったりする。かえって後ろの方が見やすいのでは、と思った。
ヘススは3幕のナポリ2回のチャルダッシュ3回と5回出演。ヘススのナポリ&チャルダッシュ、ちょっとむむむ…なところがあって、彼の将来性がとても不安だったが、ここで何だかんだ言っても仕方ないので本人の頑張りに期待することに。一番の不安要素はスタミナ。チャルダッシュは独特の粘っこい個性が生かせているのですが、カルロス・モリーナのほうが綺麗だし。
ABT版というかケヴィン・マッケンジー版の「白鳥の湖」がまた普通の白鳥と違っていて面白いんだけど、ロットバルト役はふたりのダンサーが演じて、正体はカブリモノ系悪魔なのだが、セクシーで妖しい紳士という世を偲ぶ仮の姿をしていて、オデットはこのイケメン紳士に騙されて白鳥になったという設定。そして3幕では、またまたイケメン紳士姿で登場して、お姫様たちを誘惑してまわり、黒鳥のパ・ド・ドゥではオディールにいろいろ吹き込んだりする。まるでAMPのスワンのストレンジャーみたいなキャラクター。へススがやったらさぞかし魅力的だっただろうに、残念。
●2004/06/22 Tue ABT「白鳥の湖」続き
期待していたアンヘルが全然ダメで、とてもがっかり。得意なはずの、回転も跳躍も精彩を欠いていた。ご家族も観に来ていた様だったのに、調子悪かったのではないだろうか。ロミジュリに照準をあわせているのかもしれないが、心配です。相手役のアシュリー・タトルも大味で背中も硬く、魅力に乏しかった。
素晴らしかったのが、ニーナとフリオ・ボッカの回。ニーナはこの間蒲田で観たときの数倍よかった。フリオはもうおじさんだから大丈夫かな、1幕の時から苦悶の表情を浮かべているし、と思っていたら濃くてノリノリで、ニーナにキスしまくり、汗だくの大熱演。“心は17歳”って感じの、台詞一つ一つが聞こえてきそうなすごい演技力で、涙が出るほど感動した。相手役が良いと化学作用が起きて自然と自分の演技も良くなる、という相互作用が働いて、酒宴のふたりはもちろん、コール・ドに至るまで絶好調。お客さんの反響もこの日が一番よく、客席総立ちでカーテンコールの回数も最多、2階席から花束が大量に投げ込まれていた。
イリーナとマキシムの回はひたすら美しかった。なんといってもイリーナの美貌。そこにいるだけで「私が白鳥よ」と言わんばかりの究極の美しさ。そして脚が一体どこから生えているのかと思ってしまうほど脚が高く柔らかく上がる。オデットの時の感情表現は儚げで夜の闇に溶けてしまいそうだし、腕の表現も雄弁なのに繊細。アラベスクの曲線も美しいし、私生活でもパートナーのマックスとの相性も最高だった。ため息しか出ないほどで、一瞬でもこの美しさを見逃してなるものかと釘付けに。
マルセロ・ゴメスの王子は端正さでは一番。彼だけ2回王子役を演じたのだが、一回目と2回目ではかなり違っていた。ニーナ&フリオの回ではロットバルトを演じたということも影響しているのか、2回目は、3幕から急に火がついたように情熱的な王子を熱演。箱入り息子が恋に狂った様子を見せてくれて切なかった。
●2004/06/13 Sun たのしい無職生活
おかげさまで、働かない毎日を満喫中。まずはたまりきった家事を片付ける。自分の悪い癖で、モノを溜め込む、捨てない、片付けられなくて家の中が大変なことになり、オットに「ゴミは元から絶たなきゃダメ」と妻リストラ勧告まで受けていたのだが、古い雑誌などをポイポイ捨てて、少しでも片付くととても気持ちよくて嬉しい。まだまだ全然片付け終わっていないのだけどそれでも200冊くらいは捨てただろうか。映画雑誌やファッション雑誌を容赦なく捨てる。たまに、ABTの99年のパンフレットなど、持っていたことも忘れていた貴重なものを発見できるととても幸せだ。あと、自分がいかに膨大な量の映画パンフレットを持っていたかということも再確認。かつては、観た映画のほとんどでパンフレットを買っていたのね。今では、よほど気に入った作品じゃなければ買わないのだけど、それでもワカメのように増えつづけていて困ったものだ。
基本的に今飲んでいる薬とアルコールの相性が悪くて禁酒中なのだが、それでも気がつけばこの1週間で3回も飲みに行ってしまった。量はかなり自重しているのだが。色んな人に、そして医師にも、表情が明るくなったねと言われる。薬のおかげもあって、寝る前くらいしか思い悩まない。
不在中にどれほど同僚に迷惑をかけているのか、その前に仕事に戻れるのか、戻れなかった場合に、こんな年で既婚で職を転々としているような人間に職が果たしてあるのか、病気は本当に治るのか、これだけ馬鹿みたいにバレエとか観に行ったりしているのに金は続くのか、こんな妻を抱えてしまったオットに愛想をつかされないかなど悩まなければならないことは山のようにあるのに。
毎日蒸し暑くて、腹を出して慣れない料理をしていたら油が飛び散ってヘソの横に火傷をしてしまって痛い。とほほ。本当にとほほな自分だが、休ませてもらっているのは本当に幸せ。
●2004/06/07 Mon 近況など
皆様方にはご心配をかけています。現在、仕事を休職して自宅療養中です。とはいっても、軽い症状なのでそんなにたいしたことはありません。ちゃんと医者に通って薬をもらっているので、治療開始よりもずいぶんと精神状態が良くなりました。落ち込むことも少ないし。
せっかくの機会なので、なかなか読めなかった本とか読んで、映画とか観て、家に山のようになっている未見のDVDを観て、のんびり過ごそうと思っています。そして1ヵ月後には社会復帰できるようにね。
今日から仕事が休みなんですが、想像していた、特にどよよ〜んとなるようなこともなく、朝もいつもと同じくらいに起きて、洗濯して、窓の掃除をして、渋谷に行って終了間近の「エレファント」を観て、ブックファーストで本とか(阿部和重の映画評論集)雑誌とか(滝本誠さんに勧められて「ミステリマガジン」のノワール特集と「ダンスマガジン」)買って、安かったのでコントレックスの2リットルボトルを2本買って帰りました。
平日の昼間の、空いている映画館の投げやりな感じっていいですね〜。夏休みには早いし、おばさん向け映画じゃないから、何やってんのかわからないような客層(自分含む)がまばらに、というのがなんかアナーキーでいい感じ。
鬱の治療で一番困るのって、今飲んでいる薬の最大の副作用が便秘ってことかしら。なので、コントレックスは欠かせないのです。まだセンナとか便秘薬の世話にはなりたくない…(医師にも「出しますけど」と言われたが断ったし)
●2004/05/21 Fri シネマの快楽に酔いしれて
お世話になっている映画評論家の高崎俊夫さんが編集に携わった本「シネマの快楽に酔いしれて」を読了。今は故人となってしまった、ジャズ喫茶のママをしておられた加納とも枝さんの著作で、「話の特集」などに掲載されていた映画にまつわるエッセイ。これが、純粋な映画ファンならではの愛情あふれる、率直でみずみずしい文章の数々で、思わず胸を打たれずに入られません。評論家とは違っていて、好きなものは好きで嫌いなものは嫌いと潔く断言。彼女ならではの言葉で語っておられて本当に素敵な本なのです。生きていらっしゃったら是非お会いしたい方だったのに…。
自分のように、映画を自分の仕事をしてしまって、純粋な、曇りのない目で映画を観られなくなっている人間にとっては、目から鱗が落ちる思い。中学生の頃から浴びるように映画をご覧になっておられるので、知らない作品もたくさん出てくるのですが、それらの作品群も思わず観たくなってしまう。彼女の飾らない人間性が行間にあふれているので、どれほど多くの人々に彼女が愛されたのか、よくわかってきます。こういう方に、私も憧れます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860290739/qid%3D1085066446/249-5172727-8924307
●2004/05/10 Mon 悪いことは続くみたいで
実家が空き巣の被害に遭ってしまいました。2階の窓を破って侵入されたようで、家中荒らされ、現金と貴金属をみんな持って行かれました。そんな金持ちではないので、被害金額はそれほどたいしたことはないとは思いますが、泥棒に侵入されたことだけでもショックですよね。みなさんも気をつけられてくださいませ。
●2004/05/09 Sun なかなか書き込む気力もなくて。
ここんところ、全然書き込めなくてごめんなさい。
ここのサイトも、なんだか意図しない色んな方に見られてしまっていて本音もかけなくなってしまったということもあり、ホント、ジプシーみたいで難ですが移転します。移転先も、一瞬しか知らせないつもりです。
体調不良かと思っていろいろと体を調べて見ましたが悪いところはどこもないようです。連休中も、マラーホフやオン・ユア・トウズを観に行ったり、少し仕事をしたり、地元のシネコンに2回ほど出かけた以外はほとんど引きこもりモードでした。ひどい不眠、不安、パニック症状に襲われています。何もしないで自分が壊れていくのを見ているだけではよくないので、ちゃんと心の医者にかかるつもりではありますが。
少し前に作家の鷺沢萠さんが自殺された時に、同い年であると言うこともあって、本当に洒落になっていないと思いました。もちろん、自殺したいという気持ちはさらさらないわけですが、何かのきっかけで突破的に、カジュアルに命を絶ってしまうという危険性に、まったく縁がないわけではない自分が怖いです。
こうなった理由…とてもここには書けません。家庭的には幸せだし友達にも恵まれている。今日もマラーホフの「コート」を観て涙を流しました。まだ自分には感受性というものが残っているのです。自分は不幸ではありません。戦争中のイラクの人たちとか、迫害されている人とか、ストリートチルドレンとか、神にも見捨てられている人は何億人もいるのです。でも、不幸ではない人の不幸せというのも間違いなくあるのです。
自分が生きていく上での拠り所は、自分の非常に強い意志の力というのは色んなことを現実にしてくれるということです。強く願えばかなえられる。自分にとって大切な人の幸せを願えば、幸せをもたらすこともできる。本当に実現させたいと思っていることが、実現することも時にはある。怖いのは、その逆を願うと、本当にその逆のことがもたらされてしまいます。そして、その逆を願ってしまっている自分もいるということです。人を憎むパワーというのは、人を愛するパワーよりも強いということもあります。死んで欲しいと思った人が本当に死んでしまったらどうしよう。
●2004/04/17 Sat 近々移転します
諸般の事情により、サイトを移転させます。
バレエのコンテンツはこのままここに残しておいて、映画関係のコンテンツは別のところに移します。
本当に最近はひどいニュースばかりで嫌になる上、現実にも本当に想像を絶するような狂った人間がいたってことです。ホント、今の仕事は大変だけど、現在の仕事で関係している人たちはみんな真っ当な人たちばかりなのが救いですわ。
今月も多分映画を見る暇はありません。いいのか>じぶん
●2004/04/12 Mon 疲れが取れない
土日と昼過ぎまで寝ていて、ほとんど何もしないで、夜も家で食べて人にも会わずボーと過ごしていているのだが、それだけでもものすごく疲れている。まいった。
仕事上観なくちゃいけないビデオもいっぱいあるのに。NYで去年の11月に買ったDKNYのジーンズの裾あげをいまさらながらやっているのだが、まだ片足も仕上がっていない。
終わる前にもう一度観ておかなきゃ、と思って『悪い男』を観に新宿へ。客の入りは50人ってとこか。むむむ今ひとつ。巷では『殺人の追憶』が評判らしいけど、天邪鬼な私は全然観たいとは思わない。何好き好んでよその国の未解決の殺人事件の話なんて観なきゃならんのだ。私の友人のうちで、それなりに映画を観る目がある人たちは、「そこまで面白い映画か?」とみんな言っているし。あの監督の1作目の『ほえる犬は噛まない』も本当に不愉快な映画だったし。世間一般では、キム・ギドクの映画の方が何十倍の人たちに不愉快と言われているようだが、泥水にまみれたような世界の中に輝きを放つものに自分は惹かれているのだ。
『殺人の追憶』観る位だったら、往年の東映映画っぽいという噂の『シルミド』とかプライベート・ライアン韓国版っぽい印象のある『テグッキ』こと『ブラザーフッド』の方が何十倍も観たいし、ヨンさまのお尻が拝めて、さらにエッチで笑えるらしい『スキャンダル』も観たい。社会派を気取っているくせにオフビートな映画より、実録バイオレンス映画とかエロい映画とかのほうが好き。
それはさておき、どこかのサイトの感想で書かれていた、最初はすべすべきれいだったヒロインの脚が、後半傷だらけになっていたというのを確認。この映画は基本的にファンタジーで、映画としてのリアリティを追求することには意味がないのだが、こういうところにはちゃんと気を使っているのね、と感心。観れば観るほど、売春宿の女主人とか、ハンギの、こんな場所に生きている人間なりの倫理観とか優しさが感じられていて、泣けてくる。ヒロインがなぜあの男に心を許すのかわからないと言う人も多いが、でもチョ・ジェヒョンのあの瞳を見れば、そうなるのも無理はないのではないだろうか。
マラーホフのチケットは無事引き取り手が見つかりました。ありがとうございました。
●2004/04/11 Sun 舞台スケジュール備忘録
もう一度整理します。
4月30日のマラーホフ、誰か引き取ってくれないかしら…。
4月16日(金)6時半開演 ロメオとジュリエット(新国立劇場)
4月17日(土)6時開演 くるみ割り人形(ゆうぽうと)
4月18日(日)1時開演 くるみ割り人形(ゆうぽうと)
4月24日(土)6時半 マラーホフのジゼル(東京文化)
4月25日(日)2時 ロメオとジュリエット(新国立劇場)
4月29日(木)3時開演 マラーホフAプロ(東京文化)
4月29日(木)6時開演 OYT(ゆうぽうと)
5月2日(日)3時開演 マラーホフBプロ(東京文化)
5月4日(火) 5時開演 髑髏城の7人 劇団新感線(新国立劇場)
5月15日(土)6時開演 OYT(ゆうぽうと)
5月16日(日)4時開演 ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ(パルコ劇場)
6月13日(日)3時開演 ベジャール・バレエ・ローザンヌA(ゆうぽうと)
6月19日(土)3時開演 ベジャール・バレエ・ローザンヌB(横須賀芸術劇場)
6月23日(水)6時半開演 ベジャール・バレエ・ローザンヌB (ゆうぽうと)
7月19日(祝)5時開演 ルグリと輝ける仲間たちA(ゆうぽうと)
7月24日(土)5開演 ルグリと輝ける仲間たちB(ゆうぽうと)
7月25日(日)1時開演 プレイ・ウィズアウト・ワーズ(シアターコクーン)
●2004/04/10 Sat ご無沙汰しております&マラーホフ4月30日チケット
ここしばらく、あまりにも仕事が忙しくて疲労困憊しており、まともに映画を観に行くこともできなかったのです。3月なんて3本しか観ていないし、4月もまだ一本。
自分の感性が磨耗しつつあり、まともな感想一つだって書けやしない。
家の中はぐちゃぐちゃだし、疲れていて頭も満足に働かないんだから。今日のような休みの日は午後まで寝て、あとはたまった家事を片付けてぼーとするのみ。外に出る元気もない。
そんな中、たまにバレエ通いをするだけが心のオアシスで、でもこの間の東京バレエ団のベジャールガラは「ギリシャの踊り」と「ボレロ」のみ観て仕事にトンボ帰りする羽目に。神が降りてきたような素晴らしい首藤さんのラストボレロの余韻を味わう時間もなかったのです。
来週からはバレエ強化月間。でも、4月30日のマラーホフの贈り物Aプロが仕事の都合で観られなくなったのです。
●2004/03/01 Mon 備忘録代わりに、今後のバレエ鑑賞スケジュール
なんか4月は狂ったように舞台を観ることになるわけですな。
そんな時間が取れるのだろうか?謎。
3月3日(水)7時開演 くるみ割り人形(東京国際フォーラム)
3月13日(土)6時開演 くるみ割り人形(東京国際フォーラム)
3月21日(日)1時開演 くるみ割り人形(東京国際フォーラム)
4月1日(木)6時半開演 ベジャールガラ(ゆうぽうと)
4月16日(金)6時半開演 ロメオとジュリエット(新国立劇場)
4月17日(土)6時開演 くるみ割り人形(ゆうぽうと)
4月18日(日)1時開演 くるみ割り人形(ゆうぽうと)
4月24日(土)6時半 マラーホフのジゼル(東京文化)
4月25日(日)2時 ロメオとジュリエット(新国立劇場)
4月29日(木)6時開演 OYT(ゆうぽうと)
4月30日(金)6時半開演 マラーホフAプロ(東京文化)
5月2日(日)3時開演 マラーホフBプロ(東京文化)
5月15日(土)6時開演 OYT(ゆうぽうと)
6月13日(日)3時開演 ベジャール・バレエ・ローザンヌA(ゆうぽうと)
6月19日(土)3時開演 ベジャール・バレエ・ローザンヌB(横須賀芸術劇場)
7月19日(祝)5時開演 ルグリと輝ける仲間たちA(ゆうぽうと)
7月24日(土)5開演 ルグリと輝ける仲間たちB(ゆうぽうと)
7月25日(日)1時開演 プレイ・ウィズアウト・ワーズ(シアターコクーン)
●2004/02/16 Mon 「アナニアシヴィリの白鳥の湖」
再び風邪が悪化し、咳が止まらない。苦しい。体が重くて熱っぽい。この時期でなければ仕事を休むんだが…。
あまりにも根を詰めると精神的にも参ってしまうので、久しぶりに舞台三昧の週末となった。まずは、蒲田でニーナ・アナニアシヴィリ公演。「グリーン」「セコンド・ビフォー・ザ・グラウンド」そして「白鳥の湖」のダイジェスト版。「グリーン」はちょっとバランシンっぽいシンフォニック・バレエだが、テクニック的に高度なこともやっている。緑色の衣装が美しい。そして、特筆すべきはセルゲイ・フィーリン。実は去年のバレエフェスではそんなに印象が残っていなかったのだが、踊りが安定している上、美しいダンサーだと思った。ルックスや体型も恵まれていて、足がすっと伸びているし腕の使い方も綺麗。回転系が特によい。顔は意外と濃くて、ちょっとヘスス系。男性の衣装が上半身ハダカなので目の保養になる(笑)。
「セコンド・ビフォー・ザ・グラウンド」はちょっとアフリカンなリズムの作品で、変わっていて面白い。今度の衣装は上半身はサスペンダーのみ。パ・ド・トロワありいろんなバリエーションが楽しめる。
そして「白鳥の湖」。ダイジェスト版といっても単なるダイジェストではなく、まずはバレエカンパニーの稽古場のシーンから始まる。芸術監督にダメを出されるダンサーが、王子役のウヴァーロフだ。しかし稽古のシーンから美しいジュテを決めている。稽古場で眠り込んだ彼の見た夢が、「白鳥の湖」というわけだ。悪魔ロットバルトが芸術監督なのが笑える。ウヴァーロフは大変身長の高いダンサーなので、広い蒲田アプリコのホールが狭く見えるほど。しかもニーナとの身長差がかなりある。それなのに、顔が非現実的なほど小さい。例の「空中で止まっているように見えるジュテ」が素晴らしい。リフトも安定している。ただ黒鳥のパ・ド・ドゥのニーナの32回転の後のグラン・フェッテの後に、彼のフェッテが観られないのが残念。ニーナはさすがの貫禄で見事な白鳥。32回転も綺麗だ。
13列目での観劇だったが、東京文化会館で観るより5千円くらい安いし、大変見やすい席で満足度が高かった。美しいものを観られると、心が洗われるよね。
●2004/02/15 Sun キム・ギドク、ベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)受賞
http://www.berlinale.de/en/service/preise/preise2004/f_main.html
『サマリア』現地での評判はあまりよくなかったようですが。
うわ〜あのおっさんがこんな世界的な巨匠になってしまうとは驚きですわ。やっぱり無理してでもベルリンに行けばよかったかしら。
しかし、これでようやく日本でも認知されるようになるのかしら。
『悪い男』公開まで後2週間を切ってしまいました。頑張らねば。風邪がまたぶり返して死にそうだけど。
●2004/02/12 Thu 自由が丘武蔵野館閉館ともろもろ
今年の風邪は本当にしつこい。まだまだ治らないのだ。一頃よりは大分ましになったとはいえ、まだ鼻水、喉の痛みが引かないし、鼻血も出る。まいった。仕事的には、この忙しい時期に1日休みが入るときついが、風邪を引いているだけに休めるのは助かる。というわけで、1時ごろまで寝ていた。
さて、ずっと前に書こうと思っていて書き忘れていたことを。先日、閉館が決まった自由が丘武蔵野館に久しぶりに行ってきた。最後に行ったのは、『幻の湖』を観に行った時だろうか。カルト映画専門館みたいになってきてなかなか足が向かなくなってはいたものの、こういう映画をかける映画館というのは貴重な存在だったし、色んな思い出が詰まった場所である。最近あまり行っていなかったくせに惜しむのは我ながらズルイと思うけど。
で、観てきたのは深作欣二の『軍旗はためく下に』。今まで観ていなくてすみません。1972年にこんな凄い作品を作ってしまったなんて深作は偉大だ。戦争の本質というものをあまりにも見事に捉えていて。どんな大儀があったとしても、戦争に行けばあまりにも無残な現実が待っているのだ。最初と最後に天皇陛下まで出してきて、婉曲に天皇の戦争責任までも問うている。戦闘シーンのモンタージュも見事だ。苛烈で凄惨なサバイバルの描写が、後の『バトル・ロワイアル』に継承されているのがよくわかる。モンタージュの使い方は、少し前に観たチャン・ソヌの『つぼみ』を思い出した。そして数ヶ月しかともに生活できなかった夫の死の真相を追究する女の執念の描き方も凄い。ヘビーで時には目を背けたくなるほど残酷な内容だが、今の日本人にとって必見の作品だろう。しかしこんな素晴らしい作品なのに観客がほとんどいなかったのが残念。そのうちの一人は偶然にも友人だったわけだが。
●2004/02/07 Sat 重症の風邪
先週末くらいから風邪気味だったのだが、月曜日に相当飲んで、火曜日に終電近くまで仕事した後バス停で15分ほど寒い中バスを待っていたらすっかり風邪を引いてしまった。水曜日にはもはやまともに立っていられないほどのフラフラな状態で、移動にはタクシーを使わなければならないほどになってしまったのに、しんどい打ち合わせとかもあって完璧にダウン。木曜、金曜は死んでいたけど、仕事がとてもやばい状況なので半日だけ休んで、声もろくに出ないけど仕事をした。
いやはや、ここまで体が動かなくなるほどの風邪を引いたのも数年ぶりだと思う。水曜日の夜あたりは、本当に死ぬかと思った。
しかも風邪を引いてぼーとしているせいか、家で洗い物をしていたら携帯電話を桶にちゃぽ〜んと落としてしまって使用不能に。落ちた瞬間に拾い上げたのにもうダメである。テレビ電話として使えたり技術は進んでいるのに、相変わらず携帯って水に弱いのね。これまで散々風呂の中でメールをしたり無茶な使い方をしていたのに、一度も水没させたことがなかったのが奇跡だったということか。
風邪引いているし疲れているのに、いろいろと仕事上の心配事があって寝つきが恐ろしく悪い。
●2004/02/02 Mon もう2月じゃん
日記ページなのにもう2週間くらい放置プレイをしてしまった。
いや、この間のロベルト・ボッレの「白鳥の湖」公演の感想をちょっくら書いてみたのだが、このニフティのnotebookの仕組みがタコで、書き終わったところで全部消えてしまって疲労困憊して書く気が失せたのだ。
とにかく、ボッレ王子は麗しかった。これ以上ルックスのいいダンサーはいないかもしれない。顔が美形なだけでなく、身長が190cmもあって肉付きも適度で、体のラインがすっとまっすぐで綺麗。脚も軽々と難なく上がるし、他のダンサーたちとも同じ人間とは到底思えない。少し風邪気味だったようで、ちょっとグラン・ジュテの時などに体が重いかな、という気もしたがあれだけ美しくてふわっと浮くようなジャンプができるから十分でしょう。AMPのスワンを観てしまうと、4幕(しかもハッピーエンド版)が物足りないのは仕方ないが。
ここんところ、あまりにも疲れていて思考能力が停止気味。文章もまともにかけないので、映画の感想なんてもうとんでもないという感じ。それどころか、自分の感受性とか映画を観る目が鈍っているのか、観た映画の解説とか読むと明らかに自分が見落としている部分が多すぎて、が〜んという感じ。下手すると作品のテーマすら読み違えていたりして。自分が明らかに磨耗しているのだ。仕事の上でも、全然企画も思いつかなかったりでびよ〜んと伸びきったゴムのようになってきている。これではやばいのだが、しかし心とか感性のリハビリってどうすればいいのかしら?
●2004/01/19 Mon 韓国料理でTV出演?の巻
新年2週間目にしてバテ気味である。お正月ボケが残ったまま、超多忙状態に突入したのだが、それは単に自分の仕事の効率がめっちゃ悪いだけで、全然進んでいないので青くなっている次第。折からの寒さと不摂生が祟って、風邪気味である。
しかしたまにはいいこともあって、先日は某TV番組で「韓国映画を料理に例えると」という企画もので激ウマな韓国料理をいただけるという機会があった。『悪い男』は一見強烈なインパクトだけど、食べてみるとうまい!というわけで、小腸ホルモン筋炒め鍋となった。お店は歌舞伎町の新洞というところ。なんといってもびっくりなのは、調理前の小腸を目撃したのだが、びよ〜んと長くて実にグロテスク。こんなものを食べるなんて、という感じだ。モツ系の料理はコプチャンという名前なので、暇な方はgoogleで検索して、その強烈なお姿を見るとよい。韓国では、あの長い姿のまま焼いて食べたりするという。アジュマがこの小腸を切り刻んで、これを辛い鍋に入れると、実に美味。ちょっと脂が乗っていて、ジューシーでうまい。他の映画を料理に例えた、サムゲタンもいかにも体に良さそうだが、あっさりとしてるのにコクもあって美味しい。今週、この番組がオンエアされるのだが、ひょっとしてこの鍋にツッコミを入れる私の声も流れる、かもしれない。
●2004/01/11 Sun ミリタリーマニアのイベントに
お正月休み明けの1週間は予想以上にしんどかった。体もアタマも仕事に全然なじんでいなくて調子が出ない。睡眠時間を多めに取っても頭が痛い。しかも毎日寒くて布団から出られない。オットが決算で会社に泊まりこんでいるため、布団内暖房がない。
そんな中、土曜日もお仕事だった。浜松町の東京産業貿易センターというところで開催される「新春ブラックホール」というミリタリー&ガンマニアのためのイベントで、戦争映画「炎の戦線エル・アラメイン」のチケットなどを売るのだ。周りにミリタリーマニアの人が何人かいることはいるのだが、こんなに濃いとは。
ありとあらゆる国や時代の軍服のコスプレをしてくる人。ドイツ軍とかソ連軍が定番ではあるが、日本軍や中世ヨーロッパのから現代までいるわいるわ。中にはサムライの格好をしている人まで。女性の中には、「キル・ビル」のユマ・サーマンのコスプレなど、関係ないコスプレの方もいたけど。見ているだけでものすごく面白い。迷彩服着用率がとても高い。子連れで、子供にも迷彩服などを着せている人も多かった。殺陣の実演会あり、ミニチュアの展示あり、日露戦争時代の軍服の展示もあるし、売っているものも、ありとあらゆるもの−甲冑から日本刀、米軍放出品、あらゆる国の軍服、「シンドラーのリスト」の撮影で使われた小道具などなど本当にすごい。基本的に即売会であるにもかかわらず入場料を1200円取るのだが、その価値は十分ある。
しかも見た感じが怖そうなお兄さんたちだが、ナイスな方ばかり。
最初のうちは体調も優れなくてチラシとか配っているのが辛かったのだが、途中から、めっちゃ楽しんでいる自分を発見してしまったのだった。ついでに、米国空軍のジャンプスーツを着用しているテディベアを買って帰ったのだった。もう鬼キュートなんだもの。
●2004/01/04 Sun 寝正月の果てに。
この休みの間、何をやったかというとひたすら寝たとしかいいようがない。昨日などは、一応新年会だったのだが、大して飲んでもいないのに9時半頃に帰宅したところもう10時にはヨレヨレになって床につき、起きたら翌日の1時だった。何時間寝れば気がすむのか。疲れるようなことは何一つしていないのに、情けない限りである。せっかくの10連休なのに、結局やったことといえば年賀状を書いたのと何本か映画を観たこと、韓国関連の本を何冊か読んだくらいだ。大掃除も出来ていなければ、友人に借りたDVDだってまったく消化できていない。自分の時間の使い方のへたくそ加減には呆れて言葉もない。
年明けに観た映画は2本。「モロ・ノ・ブラジル」と「息子のまなざし」だ。職業病で、自分が宣伝している映画のチラシが劇場においてあるか、予告編がちゃんとかかっているかをチェックしてしまうのが悲しい。しかも、一応そこそこミニシアターで映画を観ている自分なのに、まだ一度もその作品の予告編を目にしていないのってどうゆうこと?はっきり言って、その作品が上映される劇場が力関係的に弱いってことなんだけどさ。
「モロ・ノ・ブラジル」は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のブラジル音楽編かな、と思って見ていたのだけど、ブラジル音楽の<現在>を捉えている所が素晴らしい。最先端の音楽もあれば、原始的な音楽も現在でも息づいているというところが面白いし、それから「シティ・オブ・ゴッド」に見られたようなスラムから音楽が生まれていて、今もそこで新しい音楽が育っているところなんていうのもゾクゾクする。今まで全然そういうことって考えていなかったけど、黒人とかネイティブ・アメリカンの音楽がルーツにあるからこそ、これだけ強烈で個性的な音楽が生まれるんだなって。
「息子のまなざし」は、「ロゼッタ」のダルデンヌ兄弟らしく作風的にはほとんど一緒なんだけど、演出の力というものを感じさせる映画だった。キャメラがほとんど常に主人公であるオリヴィエの後ろ頭あたりにあるのがユニークで、クローズアップを多用しているので息苦しくなるほどの緊張感がある。俳優の演技力も高度なものが求められるが、さすがオリヴィエ・グルメは素晴らしいし、結末も納得が行くものになっていて、ちゃんと救いがあるのがうれしい。
あと休みも一日か…。でも、休み中にやらないとならない仕事というのもあったりして。
●2004/01/02 Fri A HAPPY NEW YEAR
あけましておめでとうございます。相変わらず適当にしか更新しない日記ページですが、お付き合いいただきありがとうございます。以前使っていたさるさる日記と違って、カウンタがないため一体どれくらいの方が見ているかが謎ですが。
年々、お正月らしさって失われてきていると思うこのごろ。近年は年末年始は年賀状書きに追われていて、とてもゆっくりとお正月気分を味わうどころではない。個人的な年賀状をようやく書き始めたのだけど、仕事の年賀状だってまだ半分くらい残っている。しかも遅々として全く進まない。個人的な年賀状はソフトを使いプリンタで印刷をしているのだけど、インクが切れてしまって困った状態に。
テレビもニューイヤーコンサートくらいしか見るものがないし(ホセ・カレーニョはきれいだったわ)、やけに静かだし、どうもお正月って今ひとつ楽しくない季節なのだ。
さて、昨年を振り返ると、まずはAMPのスワンレイクをきっかけに、ヘススを追いかけて世界中を飛び回ってしまった年だった。が、今年はそこまで自分に時間とがあるのかどうか、とても不安。仕事生活も波乱万丈で、職を失ったり、かと思ったら思いがけず世界で一番好きな映画「悪い男」を宣伝するという幸福にめぐり合えたりというターニングポイントだった。
スワンやへススをきっかけにいろいろな人と知り合えたり、面白いことも幸せなこともたくさんあったけど、同時にものすごく大変な一年であったことよ。さて、今年はもっと多くの幸せや、そして素敵な方々に出会えるのでしょうか?そのためにも、頑張らないと!
●2003/12/30 Tue 「実際状況(Real Fiction)」とDVD自棄買い
あまりにも貧乏なので買いたいDVDもずっと我慢していたのだが、ついに我慢も限界で少し買い漁り。優しい父がお小遣いを下さったそうだし。(金額は未確認なのが怖い)
まずは、韓国からキム・ギドクの旧作「実際状況(Real Fiction)」と「受取人不明」を取り寄せる。
「実際状況」は80分の作品をなんとわずか200分で撮影したという実験映画。続けざまにギドク作品が日本で公開されるというのに、この作品はまだどこも買っていないようだ。実験作だというし、果たして面白いのだろうかと疑問に思いつつ観たのだが、改めてキム・ギドクのもの凄い才能に感動した次第。映画の最初と最後が広場が舞台となっているのだが、思いっきり野次馬っぽい人たちが取り囲んでいるのが笑ってしまう(そしてカメラの前に立ちはだかっている通行人のカップルに、どくように頼む監督)。でも、その後は大変な緊張感でドラマは進んでいく。本当は完全にリアルタイムでの撮影となる予定だったそうで、NGも演出もほとんど出来ないのに完成度がびっくりするほど高いのだ。しかも室内劇ではなく、場所も相当移動している。それでいて基本的には35ミリで撮影していて、一部デジカメでの映像も挿入。デジカメを撮影する少女が、現実と幻想?の世界の橋渡し役を担っている。「MUSA−武士」のイケメン俳優という認識しかなかったチュ・ジンモは台詞が例によって極端に少ないが頑張っているし、「悪い男」の売春宿の女主人役で出てきた女優も登場。キム・ギドクらしいヴァ
イオレンスあり、痛い描写あり、極めつけは花の中に倒れている女性の死体のあまりにも美しい姿。ただただ凄いものを観てしまったわ。
昨日は渋谷のタワーレコードで、かねてから欲しかった「リベリオン」を購入。もうすぐでタワーのポイントカードが80点となるので、ポイント稼ぎをしようと思ったのだ。が、夜の飲み会で、amazonで20%引きになっていると聞いて愕然。
くやしいので、amazonで20%引きになっている「猟奇的な彼女」を衝動買いしてしまったのである。あ〜あ。でも、前からずっと欲しかったのでいい機会ということで。
●2003/12/29 Mon お正月休みに突入
やっと怒涛の12月が終わったよ。しかも6日連続の忘年会で、もともと丈夫ではない胃がしくしく泣いている。今はもう休みに突入しているからいいけど、仕事しながら毎晩忘年会はマジでハードだった。宣伝という商売柄、顔を売らなくちゃいけないというのもあって忘年会出席は欠かせないんだな。私はお酒は好きだし比較的強いんだけど、翌日どうしても残りやすいのが困ったもの。ちなみに、とある方の家でクリスマス・イヴに深作欣二の「復活の日」のDVDを鑑賞したのだが、強烈に奇天烈な映画で笑えた。
土曜日はバレエ友達を呼んでの自宅宴会。自宅での宴会はお金もかからないし帰宅をしなくてすむのでラクチンである。参加者はみんないい人だから食べ物を持ってきてくれるのも助かる。
年賀状を仕事関係だけで120枚も書かなくてはならないのに、ようやく(手抜きで)宛名シールを貼っただけで一枚も書いていない。自分の個人的な年賀状は全く準備もしていない。しかも、休みだというのにプレス原稿執筆とか対談のテープ起こしとかパンフレットをどうするかといった課題が山積していて、全然休みという気分にもなっていない。本当は年末、見逃していた映画をいろいろ観たいというのもあったのに、年内にあと1本でも観られるのかもわからない。
年末なのになんでこんなの愚痴っぽいんだ…。大体、お正月だからといってお店が休みになるのは元旦くらいだし、年々お正月らしさってなくなってきているような気がするんだな。それも少しさみしい気がする。
●2003/12/21 Sun ヴァイブレータ
久々にイメージフォーラムで映画。最近の多忙と、何を観ても現実に出会ってしまった映画作家の印象があまりに強烈で何も心に響いてこなかったのこともあり、映画を観ていなかったけど、それもやばいなあ、と思っていたのだ。劇場は寺島しのぶの裸目当てに集まったオヤジが多数。
さて、作品は噂に違わず素晴らしいものだった。原作のグルーヴ感がそのまま全編を貫いている。35ミリではなくビデオ撮影で画質が良くないことだけが唯一の欠点。あの美しい朝陽はフィルムで見たかった。
寺島しのぶはお見事。30代女性の肌が少し衰え始めている感じ、でも体はちょうどいい感じに成熟していて美しい。本当に愛せる相手を探そうとしているうちにこの年になってしまった少女を思わせる。体を重ねた後に一気に綺麗になっているという変身ぶりも素敵。決して不幸じゃないのに、寂しくて、生きていくのが辛くて、愛を求めていて、傷ついていてという痛みが、説明がなくても存在感だけで伝わってくる。愛に言葉は要らないのだから。ぶっきらぼうな中にも優しさそのものという大森南朋のそこはかとないセクシーさ。女性にとっては理想的な男性だろう。ウェットに流されず、疾走感があって、でもせつなくて。セックスじゃなくて、包み込むような魂の触れあいを求めて、人は相手にさわりたい、と思うのだろう。
キム・ギドクのインタビューの中でこんな言葉があった。「セックスはご飯を食べるのと同じで人間にとっては欠かせないもの。でも、相手がいない人はどうすればいいのでしょう?その答えとして売買春があり、そしてこんな一見刹那的な出会いがあるということで、そのことを批判できる人は誰もいない」。
この映画を観ながら、自分の中を通り抜けていったある出会いを思い出して、ちょっとだけ泣いた。
●2003/12/21 Sun 定本 韓国全土色街巡礼
キム・ギドク監督作品「悪い男」の舞台は、ソウルの売春街「龍山(ヨンサン)テックサス」だ。ピンク、赤など極彩色のネオンが闇夜に美しく浮かび上がり、華やかさとその裏にある悲しさを際立たせているが、実際の売春街も映画に出てくるのと同じように、きらびやかに輝いていると同時に、多くの女性の涙も染み込んでいて、うらぶれてもいる。
というわけで、韓国中の色街をくまなく80箇所も取材をして写真を撮って記録したのが、この本「定本 韓国全土色街巡礼」(自由国民社)である。しかし、この書物、単なる風俗ルポとは一線を画した、大変面白く心に残るような一冊となっている。売春街を取材はしているものの、記述はきわめてストイックで、教養と品性、情熱が伝わってくるような文章。韓国女性や韓国という国への愛が滲み出ている。そして、38度線を臨むような軍事基地の近くから、南は済州島まで取材してるため、ガイドブックにはまず出てこないような、名もないような町についての記述も多数収録。なんとなく、なぜ私たちが韓国という国に対して郷愁のようなものを感じるのかもわかってくる。
「悪い男」を観て感動した人、韓国ドラマに惹かれた人などには是非読んで貰いたい一冊である。
●2003/12/15 Mon 忘年会の季節
気がつけば12月もおよそ半分が過ぎて、忘年会シーズンに突入した。早速この土日は忘年会2連発。
土曜日はシャンテで「ポロック」を観た後浅草の友人宅へ。テイクアウトのチゲ鍋も絶品だったが、一番盛り上がったのはマイケル・ジャクソンのプロモーションビデオ集。実は私が一番最初に買ったアルバムは「スリラー」である。今改めて観るといい楽曲が多いし、プロモーションビデオも当時の風俗がうかがえて笑ってしまう部分がある反面、大変よくできている。ジョン・ランディスやマーティン・スコセッシといった大物監督による演出のものも何本か。Remember
The Timeにはエディ・マーフィやイマンが出演しているし、マコーレ・カルキンが出演している「Black
and White」とかも少々危ない感じだが笑える。マイケルはダンサーとしても素晴らしかったのに、惜しい人を亡くしたものだ(あ、勝手に殺してはいけませんね)。途中で顔がかわってきているのが明らかにわかってしまう。「スリラー」の頃の顔なんて今と全く違うんだね。明らかにアフリカ系アメリカ人、とわかる頃の容貌の方がカッコよかったのに…。赤い革ジャンでキメているのに足元は白い靴下に革靴というファッションの間抜けさにも愛嬌があった。
あと、007の名場面集を集めたレーザーディスクも鑑賞したのだけど、これがもう、ほとんどドリフのコント集みたいなお間抜けさでとても笑えた。まさか本気でやっているんじゃないでしょうね、みたいな感じでワニの口からボンド登場したり、いろんなことをやってくれている。DVDにはなっていないお宝映像を堪能できて大満足。
マイケルネタといえば、やっぱりその後は「ズーランダー」だね。あのスーパーモデル対決は何回見ても笑える。
●2003/12/12 Fri 癒されるという感覚
世の中はボーナスがどうこうと言っているが、そんなものは私にとってはまったく無縁の世界である。ニュースや電車の中吊りを見るのも嫌になる。ボーナスがないだけではなくびっくりするような安いギャラで、多分時給に換算するとマックのバイト以下ではないだろうか。食べ物すらまともに買えないような状態で、栄養状態が悪くなり、ちょっとは自慢だった肌も荒れてきたし、体重の減少も止まらない。去年同期にもらっていた給料の半分以下で社会保険もなしと来ている。健康保険料を払えないから、医者にもいけない。当初の計画であった気楽な派遣OLでもやっていた方が、ずーっとお金はいいだろう。そういうのがあたりまえなのがこの業界だ。
しかしお金に換えられない喜びがあるから、何とか続けられているわけである。ここ一週間ばかり、ずっとキム・ギドクのインタビューをまとめていた。彼自身の心と肉体を切り取った言葉の数々である。これはにせものではない、これは本物の人間だ、と思う。凄い人なのにどこか身近な人間に思えてくる。こういう人の生き様に触れると、自分が浄化され、癒されるという気持ちになっていく。だからこの仕事はやめたくてもやめられないわけだ。
●2003/12/08 Mon 生きていくことって…
一生懸命、自分のために信じたことのために頑張っても、うまくいかないこともあれば失敗することもあるんだと実感した一日。多分全然たいした失敗ではないのだろし、すこし注意力が散漫だった故のことなんだろうけど、自分としてはしくじったな、と思うことだった。自分が良かれと思ってしたことが裏目に出て、結果的に自分に与えられた信頼を裏切るようなことがあったら、それは本当に悲しいことだし最悪のこと。
人生ってうまくいかない。こんな自分が最低だと思う。でも、こんな些細な失敗を気に病んで死にたくなるような自分がいる一方で、何百万倍も苦しんでいる人たちが世の中にいるのだから。たとえばキム・ギドクのこれまでの半生を考えれば、自分はなんて楽をしていることか。
とにかく今は、ただ必死に、石にかじりついてでもやるだけだ。お金も暇も体力もないけど。
昨日はライターをやっている友人とか配給業をやろうとしている友人たちと新大久保で韓国料理。寒い季節には韓国系の鍋は最高だ。いろいろと話せて楽しかった。しかし自分、疲れているね。なんとなく家に帰った後は落ち込んでしまって眠れなくなった。辛いものが胃に来て夜中には腹痛でのた打ち回る結果に。
●2003/12/07 Sun 現実復帰できず
フィルメックスの強烈な一週間から未だに現実に戻れない私なのであった。もう1週間経ったのだけど、NYのアメリカンバレエシアター観劇ツアー以上に精神的にキタのである。それは少し恋愛に似たような陶酔感と、パーティが終わった後の寂しさ、そしてほんの少しの絶望を感じさせたのだった。
さすがに2週間週末休みなし、という生活はあまりにもハードで、機能は久しぶりに早く帰らせてもらったのだけど、やっぱり家で「悪い男」のDVDを観てしまった。何回観ても飽きないからこの映画は凄い。オットと一緒に観たのだけど、彼もこれは傑作だ、映像の力がみなぎっていると珍しくほめちぎっていた。この監督にほれ込んでいるのを彼も理解したような。
2週間分の疲れがどーっときたので、今日は昼まで寝てしまう。それなのに寝起きの顔のひどいこと。疲れが顔に蓄積してしまって自分が絶望的なまでにふけてしまっているように見えた。渋谷シネクイントで「ルールズ・オブ・アトラクション」。渋谷に来るのがずいぶんと久しぶりに思える。フィルメックス関係で、銀座と新宿ばかりだったから。この人並みに馴染むことができず、まともに歩くこともできない自分を発見して呆然とする。「ルールズ・オブ・アトラクション」は自分が大学生のときに、夢中になって読みふけった一冊の本だが、内容はかなり忘れてしまっていた。でも、この青春期に誰もが経験するような苦い恋愛は、今の自分が観るとけっこう胸にこたえる。
●2003/12/04 Thu 怒涛の9日間が終わり…
ようやく東京フィルメックス、そしてキム・ギドク監督の来日が終わった。毎日のようにタクシーで帰宅しほとんど寝ないまま、また休みなしで仕事だった日々。しかし終わってみて、その充実感と幸福さに未だぼーっとしている。
自分の人生の中に起きた出来事の中でも、それは強烈な経験だったかもしれない。30時間くらいギドク監督の言葉を聞いているうちに、自分がもうすっかり彼の世界に洗脳されてしまったような気持ちになった。
ギドク氏は日本語は当然、英語もほとんどできないので、コミュニケーションを取るのが大変だったのだけど、彼の映画の登場人物はほとんど喋らない。言葉に頼ることなくコミュニケーションをするにはどうすればいいのかを考えさせられたのであった。言葉もなく、ただただ誠意を持って真剣に仕事に取り組んでいるところを見せなければならないので、すべてが真剣勝負である。そしてその思いは彼に通じたようであった。それが私にとっての何よりの幸せであった。
あんなに強烈な映画を撮っていて、あれほどまでに激烈な人生を過ごしてきたのに、なぜ彼はこのように穏やかで優しく誠実なのだろうか。自分の生き方を考え直さなければならない、恥ずかしくないように生きていなければならない、と深夜、タクシーの中で自問自答したのだった。
●2003/11/26 Wed キム・ギドク来日中
個人的にももっとも注目していた映画作家であり、しかも今回幸運にも宣伝を担当することになった大傑作「悪い男」の監督であるキム・ギドクが来日中のため、現在大忙しで。あんなに暴力的で凄惨な映画を撮るのに、本人はいたって穏やかで良い人で驚いているけど、こんなにも凄い人と一緒に仕事ができる幸福を噛み締めているところ。
しかし、ここにいたるまでの仕事の大変さといったらもう半端じゃなくて、終電を乗り逃がした上タクシーもつかまらず家まで歩いて帰る羽目になったり、そんなに働いても仕事上の連絡ミスがあって迷惑を人にかけたりまあ目を覆うばかり。
そんなわけで、気がついたら、11月は映画館に一回しか行っていなかった。一応弱小ながらも映画サイトをやっているのにこんなんでいいのだろうか?でも観たいと思う映画が少ないのも事実。
「悪い男」ももちろん年間ベストどころか生涯ベストの中にも入るほどの勢いの凄い映画だが、東京FILMeXで上映された「春夏秋冬…そして春」も独創的な素晴らしい作品だった。美しい湖に浮かぶ寺で、僧侶の一生が静謐に語られる…という作品だったはずなのに、相変わらずのキム・ギドクワールド炸裂だ。子供の残酷性、動物虐待、セックス、暴力、殺人、緊縛、ケレン味たっぷりの映像美。究極は「冬」編でのギドク本人出演だ。マッチョな体でキックしたりバレエダンサー真っ青のジャンプをしたり。さらには、4時間かけて冬山を、腰に大きな石の重りをつけて上ってしまうから凄すぎる。惚れたね。「悪い監督」ギドクは「いい男」なのだった。
●2003/11/13 Thu もっと頑張れヘスス
ヘスス独特の美しいダンス。なめらかな動き、柔らかい背中、繊細な腕の表情、ふわっと浮くような跳躍、180度にすっと伸びる両脚。軸の安定した回転。肖像を見た瞬間、ドリアンと肖像(C・ロペス)は同じ動きをするのだが、これが見事に揃っていてユニゾンの美しさを見せていた。City
Centerの舞台は相当小さいため、あの狭いスペースで二人で踊るのは相当難しいものだと思われるが、鳥肌が立つほどの端正さである。
そう、この少し湿り気のある、陰のある美しさというのが、他のABTダンサーにはなくてヘススにあるものでは、と思ったのだった。粘りがあって柔軟な動き、妖しさは、ヨーロッパ人特有のものだろうか。隠花植物のように密やかだが、濃厚な味わい。
とにかく、課題のリフトを安定させながらも(だって、パ・ド・ドゥが踊れないと主役にはなれない)個性を大事にしていって欲しいと願ったのである。
●2003/11/13 Thu ヘススがんばれ〜の巻
プリンシパルを見ると、実に半分近くがラテン系であることに驚かされる。男性だと、アメリカ人はイーサン・スティーフェルくらいだ。このラテン系ダンサーがみな個性的で素晴らしい人ばかりだ。可愛くて元気一杯なのにテクニシャンのヘルマン・コルネホ。安定したテクニックと跳躍のうまさが光るカルロス・ロペス。いつでも超高速フルスロットルで踊って大人気のアンヘル・コレーラ。ヘススにかなりルックスが似ているフリオ・ブラガド・ヤング。
で、Another Spaniard Joins ABTと評されたヘスス。今回は「Dorian」と「Diversion
of Angels」そして私は観ていないけどアンヘルの代役として起用されたらしい「Within
You, Without You」の3本のみの出演ということで、観客にはこのジーザスって誰?みたいな状態だったようだ。何人かアメリカ人のABTファンと話す機会があったのだけど、「誰のファン?」「ヘスス・パストール」「誰それ?」という反応が一般的。
しかも、先に書いたように、実は結構安定していなくてひやひやさせられる踊りの持ち主(でも、アンヘルにすらヒャリとさせられる場面もあったのだが)。特にリフトは不得手。これで大丈夫なのかと思ったのも事実。
だが、彼には唯一無二の魅力があることを再発見したのであった。一つは演技力。目鼻立ちがくっきりしているということもあり、自分の美しい肖像画を初めて見たときの輝くばかりのイノセントで幸せそうな表情。うっとりと肖像を見つめるナルシスティックな視線も、彼の美しさならば許される。肖像画の中から美しさが失われていくのを見て苦しむ姿。女優の死を知っての後悔と慟哭。自分が美しい存在であることを知って、無垢さにとって代わり内面から浮き出てくる高慢さ。細かい演技が実に繊細に表現できているし、観客にとって感情移入もしやすい。ややホモセクシャルっぽい雰囲気もあるのだが(だから、女優につれなくして自殺させてしまうのか?)
●2003/11/13 Thu ちょっと心配なヘスス
ABTにはソリストとして入団したヘスス。ところが、ABTのソリストのレベルは前項に書いたように、恐ろしく高い。女性ダンサーでも、ステラ・アブレラなどは美貌もさることながらテクニックも素晴らしく、まったくぐらつくことなんて考えられないほどピタっとポーズが決まる。アンヘルの姉であるカルメン・コレーラは手足が長く、立ち姿が美しい。ウラテの同期生でABTでは先輩のカルロス・ロペスも安定していてうまいし、ロシア出身のジェナディ・サヴリエフの驚愕の跳躍には絶句してしまったほど。彼らは皆コール・ドから昇格したダンサーだ。
そんな中、いきなりソリストとして入団して、本当に大変だったよとヘススは自ら認めていた。そうだろうな。慣れないアメリカで、英語だってまだそんなにうまくない。冬は寒いし太陽も少ない。終演後、ラテン系のダンサーたちはお互いスペイン語で仲良さそうに話していたが、ヘススはいつも一人で出てきて、一人で帰っていった。唯一仲良さそうなのが、彼に良く似たルックスの、スペイン系のコール・ド、フリオ・ブラガド・ヤングくらいだった。痩せてしまったし、お姉さんは心配だよ。
でもぼくはもう元気さ!METで会おうね!とあの笑顔で語りかけられたら、これはもう来年の5月には行くわよと約束するしかない。
●2003/11/13 Thu NY備忘録
本当はちゃんとしたレポを書かなければと思っているし、やらなければと思っているんだけど、今洒落にならないくらい忙しいのだわ。
来週末から「悪い男」のキム・ギドク監督、チョ・ジェヒョンが来日するので取材をワンサカ入れないとならないし。時差ぼけでボケた頭なので仕事も能率悪いし、おまけにまだボ〜っとしている。
そうそう、ヘススから日本のファンへのお願い。
「3年後の世界バレエフェスティバルに出演したいから、プロモーターにぼくの出演をリクエストしてね!」とのこと。ABTのカレーニョ、アンヘル、ゴメスも出演しているし、ウラテやENBで一緒だったタマラ・ローホもいたからね。こういうことをリクエストしちゃう彼は可愛いな、と思うんだけど。
気苦労も多いらしくてかなり痩せてしまったのだけど、ファンにもらった手紙を毎晩寝る前に読んで励みにしているとのこと。本当にいい子なのね。
ABTはさすがスター集団だけあって、本当にレベルが高いカンパニーだ。私が観に行った後半は、前半(カレーニョ、マラーホフ、アコスタなどが出演)よりはやや地味目の出演者。「ドリアン」の初演でドリアン役を務めたデヴィッド・ホールバーグも、「Three
Virgins and a Devil」で主役の悪魔を演じたクレイグ・サルスタインも、実はまだコールドなのだが、実力はソリストには引けを取らない。「パリの炎」で超絶技巧を披露したジェナディ・サヴェリエフには本当にびっくりさせられた。そして圧倒的な人気を誇るのがアンヘル・コレーラ。まるで飛び去ってしまうのではないかというとんでもない猛スピードの回転を、「Within
You Without You」で見せて、拍手喝采を浴びていた。
●2003/11/12 Wed NYから帰ってきました
それにしても寒かったです。到着したその日に、H&Mに駆け込んでコートを購入する羽目に。
きちんとしたレポはまた改めて時間があるときに書くとして、簡単に報告を。
今回は6回公演を観て、へススが出演したのは「Dorian」2回と「Diversion of
Angels」1回のみ。
「Dorian」は白いスーツ姿。ピアノを弾いたり自分の姿を鏡に見て見とれたり、カルロス・ロペス扮する肖像画の美しさに見とれたりと、究極の美青年ドリアン・グレイを熱演。Playbillの演目の説明でも、「Extraordinary
Beautiful Young Man」という説明があったのだけど美しくないと洒落にならない役。で、ヘススはそのダークな美しさを存分に発揮できていた。一つ一つの身振りが美しい。
最初は自分の美しさに気がついていない、とてもイノセントな青年。それが少しずつ汚されていって、その汚れの部分を、肖像画のカルロス・ロペスが背負うという役割。つまりは、ヘスス自身はそんなに汚れなくて、ロペスのベストが少しずつ赤く染まっていく、というわけで汚れ役というわけ。
リフトは相変わらず下手。相手役のシオマラ・レイエスがとても小柄なのに、うまく持ち上げられなくて、カルロス・ロペスがふわっと持ち上げられるのを見るとちょっと哀しい。役柄的にも、肖像画=ロペスの方がダンスの見せ場は多い。でもロペスとヘススの二人がシンクロして踊るところは本当に綺麗だった。息もピッタリ。
演技派としてのヘススの魅力はちゃんと出せていたと思う。阿片を吸ったりして苦悩した挙句、ロペスを殺そうとして、自分自身が死んでしまう。ロペスともみ合うところは、少しスワンのザ・プリンスっぽいところを連想させた。純粋無垢な青年が、こんな最期を迎えるとはなんという切ない話なのだろう。
Diversion of Angelsはごく短いプログラムで、6人の出演者のうちの一人ということで、やや物足りないところも。でも、豪快な横っ飛びはやはり美しく、着地もふわっとしていた。衣装もかなりセクシーだったし。そんなわけで、また詳しくは後日。
●2003/11/06 Thu 明日からNY
というわけで、アメリカン・バレエ・シアターを観に明日からNYである。金も暇もないのに。仕事を無理やり休むため(まあ、今の仕事につく前から行くことが決まっていたので仕方ない)、今日は終電まで仕事。J-WAVEの生中継で、「マトリックス・レボリューションズ」のカウントダウンを聞く羽目に。本当は会社ではなくて劇場で聞きたかったのに。友人から東京国際の「ヴァイブレータ」が素晴らしかったというメール。ううう、私も観に行くつもりだったのに。
でも、明日からNYだ!ヘススだ!そのために、今まで歯を食いしばって節約に励み、一生懸命働いて資金を作って(でも不足しているけど)きたわけだ。楽しまないと。昨日も朝の4時まで荷物を詰めていた。果たしてこの季節のNYの気温はどれくらいか、見当もつかないので念のためにセーターなども持っていく。
11日に帰国の予定。NYに行くのにミュージカルも映画も観られないけど、そういうのはまたいつでも行けるから。
●2003/11/06 Thu 奇跡の饗宴のショック
な、なんで首藤さんが出ていないの…
茫然としてしまい、「春の祭典」も「火の鳥」も上の空。さすがに神がかり的なパフォーマンスを見せてくれたギエムの「ボレロ」は凄すぎるほどだったが、「ボレロ」はわずか25分の曲。シカゴ・フィルの演奏は前日は相当ミスが多かったようだが、今日はテンポが速かったものの目立ったミスもなし。「春の祭典」の盛り上がりなどは興奮できたのだが。
でも、首藤欠場ショックで集中できなかった…3万4千円のチケットだっただけに、あまりにも勿体無い…。
本当は昨日観るつもりだったのに、何故かこの日のチケットが届いちゃうし(昨日だったら首藤さんの春の祭典が観られた)、一人も知っている人に会えないし、重い足取りで上野を後にする。
というわけで、東京国際映画祭で「着信アリ」(本当は今日歯こっちに行く予定だった)を観ていた友人たちの飲み会に合流。気がつけば相当飲んでしまっていた。あ〜あ。
●2003/11/06 Thu 「マノン」ドミニク・ウォルシュ萌えその2
今回はもうウォルシュを追いかけるのに必死でテューズリーのレスコーはほとんど目に入らなかった。レスコーを演じるにはやや踊りが綺麗過ぎるきらいがあるんだな、テューズリーは。レスコーが死ぬシーンもやっぱりウォルシュのほうが、愛嬌があった分だけ哀しかった。マノンがすごくレスコーのことを愛しているのはしっかり表現できているのに、逆が感じられないのも痛い。
というわけで、すっかりウォルシュの魅力にノックアウトされた私たちは出待ちすることに。今日はシャネルのレセプションがあったため出てくるのが遅いと聞いた。ウォルシュが出てきたのは1時間後。しかし舞台上の彼とは全然雰囲気が違っていてびっくり。なんとなくひょうきんで濃くて、というイメージがあったのだが、素顔の彼は知的で物静かそうな好青年だったのだ。しかも、プロフィール写真とも、舞台で観た姿とも違っていて、ものすごいハンサム。顔が小さくて彫りが深く、金髪に青い大きな目、色白の綺麗な肌。誰もが振り返るような美形だったのだ。白いシャツがよく似合う。嬉しい誤算だが、でも舞台上のワイルドで派手なレスコーも素敵だったよね、と思う。短い時間で帰ってしまったが、サインももらえて嬉しかった。
そして五反田でのマリベル夫妻との飲み会へと、タクシーを走らせたのであった。到着したら、もうお店のラストオーダーも終わっていたので、15分くらいで帰宅することに。マリベルがなんと浅草で桐のタンス!を買っていたため、持ち帰るのが大変とタクシーで帰宅。
●2003/11/06 Thu ドミニク・ウォルシュ萌え
2回目の「マノン」は、ローラン・イレールが急遽降板したため、デ・グリュー役をドミニク・ウォルシュが演じることに。この告知を知ったとき、一瞬チケットをキャンセルしようかと思ったのだが、昨日のウォルシュの演技が素晴らしかったし、2列目という良席だったため観ることに。
昨日のウォルシュは陽性のキャラクターで、酔っ払いダンスのシーンなどを楽しそうに、ノリノリで踊っていて、それゆえ殺されるシーンでは感情移入してしまうという愛すべきレスコーを演じていた。顔のパーツが大きい悪役顔のため、純粋な神学生デ・グリューはどうしたものかという心配はあった。が、それは杞憂だった。悪い人オーラをしっかりと消し、娼館では見事に気配まで消し、魔性の美少女マノンに翻弄され恋に狂う青年を見事に演じきっていたのだった。昨日、今日と観て彼の最大の魅力は演技力であることを確信。目がとても大きい人なのだが、目線の使い方がうまいし、熱情を全身で表現できる。
特に沼地のパ・ド・ドゥの素晴らしさといったら!自分自身が弱っていながらも、命の火を少しずつ消していくマノンを必死で追いかけ、腕の中から零れ落ちそうな彼女をいとおしそうにかき抱く姿。難しいリフトも難無くこなし、マノンの死の場面の慟哭も、前日のテューズリーよりもずっと胸に迫ってくるものだった。前日は寝室のパ・ド・ドゥで涙が出てきたものの、今日の沼地の方が感動は大きかった。本当にこれが観られて幸せだったと思う。
マノン役の酒井はな。すごく頑張っていたと思う。冒頭の生娘のときの青い感じはとても似合っているし、愛らしさもある。ただ、フェリの圧倒的な表現力と比べると、つややかさや色気に欠けるのは致し方ないか。軽やかに踊れるしテクニック的にも全く問題はないのだが、頑張りすぎていて必死な感じがしてしまうし、圧倒的に美しい脚のラインや背中の柔らかさが印象的だったフェリに比べるとやや堅い。
でもカーテンコールのはなちゃんとウォルシュの親密な感じはとても素敵だった。何回もキスを交わしていて、この人ったらお茶目で情熱的な人なのね、と微笑ましく見守った。
●2003/11/03 Mon 東京国際映画祭
3連休はいろいろと予定が入っていて、気がつけば結構慌しい。今日から東京国際映画祭が始まり、ツァイ・ミンリャンの「さらば龍門客桟」から。いつもこの映画祭は20本くらい映画を観るのだが、この3連休近辺で3本もバレエを観て、それから後半はNYにいるのでなんと3本しか予定に入っていない。その最初の一本である。作品は基本的には前作と近い部分もあって、長廻し、極端に少ない台詞、そこはかとないユーモアはいかにも彼らしい。睡眠不足の状態で朝イチの上映の上、上記のような作風なのだが、不思議と眠くならないのは、やはり台詞や動きがなくとも刺激的な映像を作ることができるからだろう。ショウ・ブラザーズの「龍門客桟」を上映している古びた映画館の最後の一日、というおいしすぎる設定。(しかもそこはゲイの方のハッテン場でもあるらしい)「龍門客桟」に出ていた往年の俳優が出演して涙するという心温まるシーンもあるし、台詞は少なくても映画の台詞が代わりに鳴っているという面白い趣向。ティーチインの話も面白かった。
(つづく)
●2003/11/01 Sat フェリとウォルシュに陶酔の新国立マノン
ええもん見せていただきました。仕事を断って行った甲斐があったというもの。
フェリが素晴らしいのはわかっていたこと。だがドミニク・ウォルシュのレスコーは最高!いかにも悪っぽい、濃い顔立ち(ウィレム・デフォー系?デヴィッド・リー・ロス系?)にマッチしたメリハリのある、見得を切るのがうまい演技だ。おかげでテューズリ−のデ・グリュ−がかすんでしまった感がある。
一番感動したのは、「寝室のパ・ド・ドゥ」。世界バレエフェスでアンヘル・コレーラとアリーナ・コジョカルのを観たのだが、アンヘルは例によってフルスロットルで飛び回っているし、コジョカルはあまりにも無垢で子供っぽかった。フェリはさすが女優バレリーナとして最高峰にあって、40歳近いのにあの可憐さ、軽やかさ。恋の歓びに打ち震える姿はいとおしい。同時に美しい服や宝石やお金も、無邪気に好きであることが説得力をもって演じられてのだ。動きの一つ一つの繊細さ。二人の息もとあっていて、思わず涙が…。
流刑地に送られてしまってからも、誰がみても目立って魅力的で愛らしいマノンというのがよくわかる。
レスコーの酔っ払いダンスは可笑しくて、誰も笑わないのが不思議だった。とても陽気なレスコーで、悪い人でありながら憎めない魅力がある。踊りも安定していて、安心してみていられる。相手役の湯川麻美子が誉められているけど、この人の頬骨が高く尖った長い顎という顔立ちがどうしても私はダメ。あだっぽさはあるんだが。
沼地のパ・ド・ドゥでのフェリは、ギエムの完璧なテクニックには及ばないけど、それを上回る表現力、死を目前にして弱弱しくなりながらもきっちりと踊れている部分が出ているのはさすが。もうすこしテューズリーに慟哭して欲しかった気もするが。(バレエフェスのルグリのようにね)
あと、ひそかに身内でブームのマイレン・トレウバノフはかわいかった!パ・ド・トロワでは一番上手で目立っていたよ。頬が赤くて笑っちゃったけど。
5列目という見やすいはずのポジションだったが、前の女性の座高が非常に高く、邪魔だったのが残念。気の弱い私は、こういうときになかなか注意できないのだ…。
明日もこの演目を観る。ローラン・イレールのドタキャンはとても残念だけど、ウォルシュによるテ・グリュ−役はものすごく楽しみ。はなちゃんのマノンには性的な魅力が足りない気がするのが不安。
●2003/10/26 Sun Bear Man Photography
夜のおかずを買って帰ろうとマイシティの地下に行くと、300円ショップが誕生していた。ここの品揃えがなかなかよくて、先日急須を割ってしまったこともあり、300円でなかなかいい感じのものを買い換えることができた。他にも食器類や雑貨など、センスのよいものが300円で買えるのが嬉しい。
MaribelとLesは思いのほか結婚式より早く帰宅し、早速、結婚式の様子をビデオで見せてもらう。そしてLesの撮影した作品をアップしたWebサイトを教えてもらった。かなり立派なデジカメを持っているのだが、作品を見て納得。オリジナリティもあるし、美しくシュールなアートとして素晴らしい作品を作っているアーティストだったのだ。ぜひご覧あれ。
http://www.bearmanphotography.com/
●2003/10/26 Sun 秋の日の東京案内
MaribelとLesの夫妻を連れての東京案内。とはいっても、昨夜到着したばかりでお疲れの様子だったし、4時から代官山で結婚式というわけで、地元の池上本門寺にご案内。少し早い七五三のお祝いをしに来ている人が多く、かわいい着物姿の子供たちを見ることができて、彼女たちも大喜び。そして、実は私もこのお寺の近所に住んでいながら、そしてお会式や初詣に何回も行っていながら、五重塔やお墓に行くのは初めてだったので、とても面白かった。さすがに力道山のお墓は有名なようで「力道山の墓所はあちらです」という標識がそこかしこにある。日蓮上人の像にもはじめて気がついたり、いろんな発見があった。ここのお墓は日当たりがよいし広広としていて、いいところである。片岡仁三衛門のお墓など、とても素敵な墓所だ。今日は少し汗ばむほどの、とても暖かい陽気の日で、お散歩日和だ。
一休みした後、二人を代官山へとご案内。けっこう時間がぎりぎりになってしまったのであまりゆっくり見ることができなかったけど、しばらく来ないうちに相当街の様子が変わっていた。しかし結婚式の会場、東京に住んでいる私でも結構わかりにくい場所で、日本が初めての外国人には、到底到着が難しいことだろう。
二人を送り届けた後、せっかく都心方面に出てきたことだし、映画でも観ることにしようと時間を調べるが、結局うまい具合に時間が合っていたのが「恋は邪魔者」。「チアーズ!」のペイトン・リード監督なので見てみようと思った次第。60年代のファッションやポップな画面作り、音楽もキュートだしテンポも極めていい。メガネひとつで変身するユアン・マクレガ−の芸達者ぶりも楽しい。彼の親友でもある社長の息子の情けなさは笑える。全体的にとてもいい感じで進んでいたところで、転調するのだけど、それ以降、これまでのスピーディでポップな部分が殺されてしまっていたのは残念。エンドクレジットの二人のプロモーションビデオはまたキュートだっただけに(「ムーラン・ルージュ」以来のユアンの歌声!)、惜しい。それと、「シカゴ」のロキシー役を演じて以来、どうもレニー・ゼルウィガーって腹黒い女に見えてしまうのがマイナスなんだな。他の女優だったらもっと楽しめたかもしれないけど、だからと言って誰が適任かが思いつかない。
●2003/10/25 Sat 外国からのお客様
今朝は荷物が一杯うちに届く日。まずは、お客様用の布団が一組。デパートの通販で、羊毛の敷布団と羽毛の掛け布団なのだけど、思ったより薄くてちょっと期待はずれ。安いから仕方ないけど。それと2月の蒲田アプリコでのアナニアシヴィリのチケット(着払いで5万円弱!)。5分くらいで電話がかかったのに、4枚買ったら13列目とかなり期待はずれの席だった。
歯医者で歯の状態の確認とクリーニング。どうしてクリーニングっていつもこんなに痛いんだろう。虫歯もできているらしい。それなのになんでこんなに先の日しか予約できないの?
そしてお客様を迎える準備のために、恵比寿のアトレ内の無印でシーツなどを買い込む。寝具って何でこんなに高いんだ!来月のカードの請求が恐ろしいのであった。
帰宅して掃除とか洗濯とか。どうも体調がよくなくて、しばらく寝てしまう。想像したよりも大分遅れて、今回のお客様、MaribelとLesの夫妻がやってきた。入国のところでずいぶんと待たされて、それから道路も相当渋滞していたようだ。Maribelと会うのはもう15年ぶりくらいのことだが、全然変わっていないのに驚く。私が大学生の時にホームステイでお世話になった先生なのだ。ご主人もなかなかステキな方。結婚式の写真を見せてもらったが、これがまたとてもいい感じ。ドミニカ系のMaribelの姪っ子たちはみんなラテン系的なルックスでとーってもかわいい。これから一週間、全然お世話ができないのが申し訳ないけど楽しみである。
●2003/10/25 Sat 寒くなってきたね
10月半ばってこんなに朝晩と昼間の気温差があったっけ?昼間は少し汗ばむくらいの陽気でも、夜になると寒いこと。試写会の合間に、汐留方面で打ち合わせをしようとしたのだが、なかなか適度な場所が見つからずさまよう羽目に。汐留って、それなりにおされで、ちょっと日本的なものとはかけ離れた街なんだが、とーっても構造的にわかりにくい。
フードコートみたいな感じのお店が一杯あるのに、席が全然ないし、スタバとかタリーズのようなカフェも、席がとても少ない。
(で、今日の試写会の映画も、観る機会がないのに宣伝しないといけないから大変だ〜早く観たい)
多分、風邪を引いた。というか、もう風邪引き状態も2週間目。今週末から一週間、外国からのお客さんも我が家に滞在するのにね。
●2003/10/23 Thu 体力ないし
いやいや、久しぶりに仕事をすると疲れますねえ。まだ仕事に体がなじんでいないのかな。まあ、10時くらいまで仕事をするのってこの業界ではまだまだ序の口と言うか、そんなもんでしょ、ということなんだけど慣れるのに時間がかかりますわ。
でも、本当に気に入った映画を宣伝するのは、楽しい。ただ、ちゃんと観たのはもう1年以上前なので、ライターの方とかと少し深い話をしていると、やばい、もう一度ちゃんと観なきゃ、と居ずまいを正したくなってしまう。だけどなかなかちゃんと見直す時間がないのがつらいところだわ。
今日は久しぶりに息抜きのためにバレエ友人と蒲田に飲みに。女性同士だと一部の飲み物、食べ物が半額になるお店があるのだ。ここんところ胃が痛かったので、飲むのは10日ぶりくらい。それも自分としてはかなり控えめな感じだった。しばらく飲まないと弱くなるね。最近のデマチの無法ぶりについてとか(もうデマチは個人的にもやりたくないし)、チケット貧乏の話とか、いろいろ。あっというまの3時間。
一昨日の毎日新聞に出ていたんだけど、ベルリン国立歌劇場が廃止統合の危機だとのこと。不勉強だったのだが、実はベルリンにはオペラが3団体もあって、州立オペラなどは観客の10%は日本人だそう。でも、バレエダンサーを220人も解雇し、バレエと舞台装置部門は独立民営化するんだって。ベルリン歌劇場といえばマラーホフが芸術監督のところで、セミオノワ嬢も所属している。(11月末にくるみ割り人形を観に行くもんね、あ、FILMEXの期間で仕事が入りそうだ…心配)
大丈夫なんでしょうか…。
●2003/10/19 Sun やっぱりまだだめ
体調は一向によくならない。困ったものだ。
久しぶりに川崎のチネチッタに行き、「インファナル・アフェア」2回目。初めて観たときには、少年時代の主人公二人と大人になってからが結びつきにくかったり、設定を理解するのに少々苦労したのだが、流石に2回目だとスルスル入ってきて、細部の伏線を見ることができるので別の楽しみ方ができた。二人のキャラクターの表裏一体感、自分が一体善なのか悪なのかわからなくなってしまうというアイデンティティ・クライシス。降下するエレベーターと陽光降り注ぐ屋上の使い方の巧みさ。トニー・レオンのあの瞳はもう反則だよね。あの目だけでやられちゃう。そして観れば観るほど惚れ惚れするアンソニー・ウォン。彼の男っぷりには本当に泣けてしまう。ヤンの子分の切なさ。いや〜やっぱり傑作。
ラ・チッタデッラは10月始めに2期オープンということでちょっと覗いて行ったけど、たいしたことはなかった。インテリア雑貨系をそろえたコムサストアはなかなか面白そうではあったけど。こんな小さなスペースに、かつては映画館が5館もあったんだ。小腹が空いたので、回転すしで少しつまむ。実は回転すしは初体験だったけど、意外にもおいしいのでちょっとビックリ。
昨日の新聞を読んでいたら、米国内でイラクでの戦争に対する厭戦気分が広がっているという記事が。一旦終結した後の方が、米軍の戦死者が多いらしい。米国での市民権と引き換えに戦争に行く移民も多いらしい。(まるで『ギャング・オブ・ニューヨーク』で描かれていた世界と同じ)記事の中では、20歳の息子が戦争に行き、地雷を踏んで亡くなってしまい、反戦を訴えるメキシコ移民の話が紹介されていたのだが、その戦死した若い兵士の名前がヘススというのだ。ラテン系には多い名前なんだね。戦死して初めて米国の市民権が与えられても…。
●2003/10/18 Sat まだちょっとだめ
ここ数日書くのをサボっていたけど、これは風邪のため。
頭がぼーとして書くことも思いつかない。かといって書くネタがあったわけじゃないんだけど。ちゃんと休まないと風邪って治らないね。
今日は東京FILMeXのチケット発売日。内容がアジア映画マニア向けのため、東京国際のような争奪戦にもならないし楽なものだ。
しかーし、やっぱりロッピーは10時からつながりにくい状態になり、自分の後ろで人が並んでしまうと無言のプレッシャーを感じて「どうぞ」と譲る羽目になる。かわいそうに、後ろに並んでいたのは小さな子供二人と母親だったのだけど目的のものが、つながった時には売切れだったようだ。私は何とか目的のものをゲットできたが、オープニングの「春夏秋冬…そして春」は関係者として入場できたかもしれない。しかも一枚多く取って余らせてしまった。
たまには御飯を自分で作ろうと台所をゴソゴソとしたところ、予想以上に汚れていたのでプチ掃除大会。本当はもっと頻繁にやらないといけないんだけど。洗濯していたら雨など降ってきてしまって鬱な気分に。こんなんではイカンなあ、と思って渋谷へ。
Bunkamuraル・シネマで「フリーダ」。もうすぐ終わるので混んでいるかな、と思ったけどそうでもない。観たことのない予告編がたくさん。駅から遠いしいつもおば様方で混雑しているというイメージがあったため、ここに行くのは久しぶりなのであった。映画のほうは…良くも悪くも予想通りの内容。シュールレアリストとしてのフリーダを強調した画面作りは面白かったし、アシュレイ・ジャッド、ジェフリー・ラッシュなどの豪華なキャストの意外な使用法も楽しい。サルマ・ハエックって本当にちっちゃいのね。アルフレッド・モリーナとの身長差自体が、非現実的でシュールな感じ。音楽が素晴らしいので、オスカー音楽賞受賞は納得。極彩色のフリーダの衣装、体に障害がある設定だがやけに豊かなサルマ・ハエックのバスト。そしてフリーダの作品の数々。目を十分楽しませてはくれるけど、実際のフリーダという存在や彼女の絵に、映画が負けてしまっている感じがしてしまうのが惜しい。あまりにも多くのことが起きていて、さらっと表面だけがなぞられてしまっている印象も受ける。激痛にのた打ち回るようなシーンがなく、何の苦もないように歩き回っている彼女には、何の障害もない
ように見えてしまうところもあるのだ。
●2003/10/16 Thu 「悪い男」
ここにはお仕事の話は極力書かないようにしているけど、この作品については少し触れておく。
去年の福岡アジア映画祭で観て以来、強烈なインパクトを受け、ぜひ日本公開が実現できたらいいな、と思っていた作品が「悪い男」。これを宣伝することができることになったのだ。ありがたき幸せである。
「魚と寝る女」「受取人不明」と一作ごとに強烈で鮮烈な世界を展開している鬼才キム・ギドクの作品だ。一目惚れした女子大生を罠にはめて娼婦にしてしまい、でも彼女には指一本も触れられないヤクザ男の、濃厚な愛の世界。ダークな世界の中の色彩美、石井隆の名美シリーズを思わせるような、胸を一突きされるような凄絶な作品なのだ。
ちょっとこの作品の宣伝プランを考えないとならないので、今日も、去年釜山映画祭の時に買ったDVDを帰宅後観ていた。主人公の男の暗い瞳があまりにも深い穴のように見えてくる。
がんばらないと。
●2003/10/15 Wed お仕事一日目
昨日の宴会で飲みすぎたことが祟って、胃が死ぬほど痛い。
いつからこんなに胃の調子が悪くなってしまったのだろう。医者に観てもらった方が良さそうだ。
今日からまた新しいお仕事。一日目なのでマターリと過ぎる。まだ全然勝手がわからず、不安に襲われている。こういうのがまた胃に跳ね返ってくるのよね。
おまけに今日はとても寒くて、雨も昼頃から降ってきた。ブルーな気分だ。早めに失礼して帰宅するとオットが帰っていた。こういうときに彼の顔を見ると本当にホッとする。昨日の宴会でも文句一つ言わずありがたい存在だ。神様に見えてきた。
なにもする気力がないので、笠原和夫の「映画はやくざなり」の続きを読む。実は8月のインド映画上映会で紛失してしまったので、新しく買いなおしたのだ。改めて読むと本当に面白い。映画づくりって戦争だよな。先月までの仕事でも、ある程度そのあたりのことを見ることができたけど、ここの本に書いてある記録は凄まじい。いまは「シナリオ骨法十か条」を読んでいるところ。
●2003/10/14 Tue 宴会な一日
というわけで、今日は何日か前から準備していたホームパーティの日である。こともあろうに、前の日には緊張して眠れなくなってしまい、やっと眠れたのが朝の6時。結局11時過ぎまで寝てしまい、起きてからろくに準備にかかれなかった。スーパーに買出しに行ったら、帰りにものすごい雨に降られ、あわてて洗濯物を取り込んだら来客第一号。こんな荒れたお天気の中来ていただけるのだから感謝。
結局10人くらいのメンバーで、いろいろな秘蔵映像を楽しんだ。話題の中心?イニャーキです(笑)。女性ばかりなのにお酒の消費量も多く、ワインが5本ほど空いた。ご馳走を持参していただいた方も多くて感謝。ホステス役の私はおしゃべりして映像を観てお料理して酒飲んで…とフルスロットル状態で、途中で飲みすぎでダウンしてしまったりして。ああ楽しかった。でも、二日酔いになること間違いなしである。
●2003/10/13 Mon 主婦な一日
よく考えてみたら、いまの自分の肩書きは専業主婦だ。
明日ホームパーティをやるということで、今日は一日部屋の掃除と選択に専念することにする。本当は東京国際映画祭のコンペティションのチケットを買うために早く起きなければならなかったのに、風邪のために起き上がることができなかったのだ。
洗濯機は都合3回廻して、カーテンなども洗ってしまう。手洗いの洗濯物もたまっていたし。掃除は思ったほどできなかった。せいぜいトイレと台所が少し掃除できたくらいで不満が残る。何で一日かけてこれくらいのことしかできないのだろう。あとはクリーニングに出すものを選り分けて。それにしても大して多くのものを出していないのにクリーニング代って何でこんなに高いんだ!しかも、掃除の最中に、茶色くてガサゴソ動く生物に遭遇してしまってしばしショックを受ける。我が家には滅多に出現しないのに。
今日は地元池上では最大のイベント、池上本門寺の「お会式」である。全国の日蓮宗のみなさまがここ池上に集結し、派手な万灯を掲げて練り歩く。オットがいれば観に行くところだが、あいにく彼は飲みに行ってしまったし風邪を引いているので人ごみに行くのも…というワケで行かなかったのだが、駅近辺は流石にものすごい人出だ。万灯行列も少しだけ観ることができた。
●2003/10/12 Sun ギエム&シカゴフィルは寂しく一人で。
またまたホームパーティ用にとドン・キホーテで買い物をして帰ろうとしたところ、109の前の交差点で名古屋在住の友人にバッタリ遭遇。携帯に今日メールはきていたものの、東京にいるとは知らなかったのビックリ。こういう偶然は楽しい。ドン・キホーテの袋に入った大きな荷物を抱えて、軽くご飯を食べて帰宅。
バレエの祭典会員用の「奇跡の饗宴」チケットが到着していたのだが、11月2日とリクエストを出していたはずなのに3日分が到着していて軽いショック。席は非常にいいのだが、友人に頼まれていた分は2日を買ったし、回りの人たちもみんな2日に行くという。しかも東京国際映画祭の「着信アリ」のチケットを買っていたのにダブルブッキングとなってしまった。頼むよ、NBS。3万4千円のチケットが勿体無いからもちろん東京国際をあきらめてこっちにいくけどさ。
●2003/10/12 Sun かぜっぴきとばったり遭遇の巻
昨日5時までチャットしていたら風邪を引いてしまった。喉が痛い。身体が熱っぽい。13日にホームパーティがあるし、14日からは新しい仕事が始まるので連休中に治さないと。それなのに、ついついふらふらと渋谷に出てきてユーロスペースの中平康レトロスペクティヴに出かけてしまう。ちょっと宣伝を手伝っていたので、一度くらいは観ないと、と思って。
お客さんが入っていないという話だったけど、今日の「密会」はかなり入りが良かった。映画自体も非常に面白い。冒頭の森の中でのラブシーンの長廻しは、もうむせかえるような官能があふれているし、上品な奥様がラストに脳裏に浮かべるモンタージュがとても効果的で、かなり衝撃的な展開だ。上映時間は70分強とコンパクトで、どこも弛緩するところがないのもお見事。
途中、ホームパーティ用にスパークリングワインを買い込み、シネマライズで「リード・マイ・リップス」。前評判がとてもよかったので非常に期待していた作品だ。しかしかぜっぴきの状態で映画を観るのってつらいね。あまり咳が出る状態ではなかったし、喉あめとペットボトルのお茶を用意して臨んだけどそれでもつらかった。映画については、よくできているし面白いけど期待が膨らみすぎていたという感じか。少し間延びしている面が無きにしも非ず、なのだ。後半の盛り上がりは素晴らしいが。ヒロインのエマニュエル・ドヴォスが、孤独で周りに疎んじられている、そして恋愛したい気持ちだけは充満している年増OLをよく演じている。実はこの映画ベッドシーンはおろかキスシーンもないのだけど、捕えられたヴァンサン・カッセルの唇を読んで機転を利かせ、彼の言葉を復唱する彼女の姿がえらく色っぽい。暗闇にぽっと浮かぶ彼女の唇、エロスだな。ヴァンサン・カッセルってはっきり言って不細工なのに、この映画では野獣系でほとんど放送禁止みたいな男の匂いぷんぷん。
●2003/10/10 Fri 客を待たせるのもたいがいに。
親が家に来た時に割ってしまった、コーヒーメーカーのガラス器を探しに有楽町の無印良品に行った。が、ガラス器だけというのはどこにも売っていないので困った。コーヒーメーカーも2500円くらいでかえるのだが、本体は全然使える状態なので、それも勿体無い。
月曜日に家でホームパーティをやるので、グラスを買い足して(何しろ家で宴会をやるたびにコップを割ってしまうもので)、それから花を買う。が、金曜日の夜だからなのか、この無印の中の花売り場が異常に混雑していて、しかもラッピングを頼んでいる人ばかりで(一人で3つくらい頼んでいる人も)、レジの前には長蛇の列。それなのに、並んでいる客に目もくれずにのろのろとラッピングをしている店員二人。自分は2番目に並んでいたのに、買えるようになるまで20分もかかったのだ。これははっきり言ってひどい。他の人もよくもまあこんな長い時間文句も言わずに並んだものだ。
家でやる仕事があったのに、友人二人ほどと長電話。あ〜あ今日も仕事が進まなかった。あした、あさってとがんばるか。
●2003/10/10 Fri 失業日記と銘打っておきながら
ひとまず失業状態からは脱出することになった。でも、またフリーのパブリシストなので、会社に入ったわけではないし期間も1月末までとごくごく短いので、不安定なことに変わりはない。ギャラも大してもらえるわけじゃないし。今回は、扱っている作品の中に一本とても気に入っているのがあったので引き受けることになったという次第。
築地から日比谷まで歩いて、シャンテ・シネで「アララトの聖母」。暗そうな内容だな、と思いつつも主演の男の子が濃くてルックスはなかなか良さそうだったからだ。アトム・エゴイヤンの映画は一筋縄では行かない。この映画も、アルメニア系カナダ人の男の子、エキセントリックな義理の妹(一時は兄弟だったのに今はエッチをする関係)、美術史の教授である母、映画監督、トルコ系カナダ人の俳優、その恋人の男性、男性の父親でる税関職員といった混み合った配置がパズルのようにきれいにつながっていく。トルコ軍による虐殺の残酷さはまさに目を覆うほどだが、こういう行為は今も世界のどこかで似たようなことが行われているのであり、すっかり麻痺してしまった自分の感覚が怖くなる。主人公が撮影したアルメニアの風景や、絵画「芸術家とその母」のほうが、残虐行為を忠実に再現した映像よりも雄弁だし、映像が伴うより目撃者の証言の方がインパクトがあるものだと改めて思ったのだった。実際にあったことをそのまま映画化することより、今も残る記憶や証言というフィルターがかかった方が、重いメッセージが伝わるものだという主張が、伝わってくる。
重い映画を観てしまったし、株主招待券もあったので「S.W.A.T」を観る。コリン・ファレルもオリヴィエ・マルティネスも好きなので。でも、映画そのものは期待していたほど面白くなかった。せっかくミシェル・ロドリゲスを起用したのに全然活躍しないし、緊張感を感じたシーンが一箇所もなかったのだ。しかもメンバーも、LLクールJとかサミュエル・L・ジャクソンとか起用した割には全然個性がないし。一番印象的なのがやっぱりマルティネスだったというのはまずいんじゃない?
●2003/10/10 Fri 胃はますます悪化の一途なのに
前の仕事で少し製作宣伝にかかわっていた作品の初号があるので聖路加へ。出演していた犬も来ていて、久しぶりの再開だったがやはり死ぬほど可愛い。セラピードッグなのでとても大人しく、一緒に映画を観ていたらしいけど鳴き声一つあげなかった。
芸能人の皆様などと一緒の飲みだったが、スタッフというのもおこがましいほどなので末席で地味に飲む。知り合いの映画監督などと一緒に。気心が知れた人と飲むのは楽しいので、胃が相変わらず痛いのにもかかわらず日本酒迄行ってしまって、酔っ払うほどではないけどほろ酔い加減。明日は早く起きなければならないので、怖い。起きられるかどうかを考えただけで、胃がさらに痛む。
●2003/10/10 Fri THE BALLET BOOKと久しぶりの飲み
ダメだ。本当に胃が痛い。食欲が湧かない。医者に行かないと。
何もやる気が起きないので、ABTの「THE BALLET BOOK」を読む。買ったばかりの時には写真集みたいなつもりでパラパラと見ていたのだが、文章の方もかなり面白い。前半はバレエの技の解説とか、バレエをやる上での心構えみたいなことが書いてあって、後半はダンサーたちの美麗な写真と共に、ABTの内情みたいな話や、ダンサーのコメントがちりばめてある。衣装が非常に高価でなかなか新調できず、カルラ・フラッチが着用したジゼルの衣装は今でも使われているとか、バリニシコフが着用した衣装は、ほとんどすべてアンヘル・コレーラに受け継がれているとか(体格的に似ているってことかしら?)。私が買ったハードカバー版が4500円、ペーパーバックだとアマゾンで3000円弱で買えるので、ABTに贔屓のダンサーがいる人はぜひ。特にアンヘルやマルセロ・ゴメス、カルロス・アコスタのファンには必見でしょう。マラーホフの写真もあるにはあるけど少なめですね。
しかし家でボーっとしていると自分が本当にだめになりそうなので、とりあえず株主招待券もあることだし新宿武蔵野館で「デブラ・ウィンガ−を探して」。なかなか女優の皆さんの本音バリバリで面白い。インタビューされている誰かが言ってるように、確かに女優は特殊な職業なので、私たちのような平凡な人には当てはまらない部分も多いんだけど、同じような悩みを抱えているところもあるんだなって。金髪率高いよなあ。やっぱりハリウッド女優って金髪じゃないといかんのかな。エマニュエル・ベアールって昔は人間離れしているくらい綺麗だったけど、肌が汚いよなあ。タバコの吸いすぎなんだろうけど。シャロン・ストーン、ケイト・ブランシェットやジュリアン・ムーアには敵わない宣言。この人は率直でいい人なんだな。それも作戦の一部かもしれないけど。もっと核心を突いて欲しい部分もあるし、男の意見ももっと聞きたかったけど、それなりには面白い。
●2003/10/09 Thu ますます胃が痛い
胃が痛いのが一向に良くならない。胃に負担がかかるようなものは食べていないし、お酒も飲んでいないのに。原因はわかっている。精神的に相当参っているのだ。仕事は決まらないし、お金はないし、ヘススの出演予定は決まらないし。お金がないのが一番つらい。今はまだ映画を観に行っているけど、いよいよ財政的なピンチになったらひきこもるしかない。
まだ定期券が残っているうちに、と今週で上映が終わる映画のハシゴ。まずは「蛇イチゴ」。新人監督とは思えない出来栄え。すべて“正しい”ことが行動規範の生真面目な妹と、胡散臭いことこの上ない兄。薄ら寒い家族の会話、不気味な婚約者。幸せに見えた家族が嘘で塗り固めたものであったのが一瞬のうちに明かされるところも鮮やかだし、ラスト近くの兄の表情が忘れがたい。宮迫の見るからに怪しい顔つきと存在感が最高だし両親役の二人も流石に巧い。本当に“正しい”ことってなんだろう。しかしこういう映画は、金なし職なしの自分が観るとさらにどよよ〜んと落ち込む。思わず、定期預金はどれくらい残っていたっけ、なんて雑念が途中入ってしまったりして。
恵比寿に移動して「パンチドランク・ラブ」。実はポール・トーマス・アンダーソンがあまり得意ではなく、特に「マグノリア」は“私を救って”と叫んでばかりいてものすごくウザい映画だったわけだったが、ひそかにお気に入りのアダム・サンドラー主演ということで。
で、映画は面白かった。上映時間が短くてタイトになっていたし、畳み掛けるような演出でテンポがよい。アダム・サンドラー一人の視点で動いているので、テレフォンSEXガールとその一味はひたすら邪悪だし7人の姉は死ぬほどうざったいし、そしてエミリー・ワトソンは天使のよう。よくよく考えてみればサンドラーは自分を抑えることのできないキレた危険な男のはずだが、サンドラーを起用したメリットは、「マザコンでシスコンで大人になりきれないサンドラーだから仕方ないよね」と納得させることができることにある、と思った次第。
そして逆光を利用した撮影とか途中に挿入されるグラフィックとか光がクラクラとまさに“パンチドランク”な状態を生んでいて恋の陶酔感が良く出ている。期待以上に楽しめた。
帰宅してDVDで「悪いことしましョ!」。ブレンダン・フレイザーの七変化振りとエリザベス・ハーレーのコスプレ三昧はやはり可笑しい。
●2003/10/07 Tue わらじタップとタンゴ
午前中にかかってくるはずの電話がなかなかかかってこなくてイライラする。イライラが頂点の時にようやくかかってきたけど、ここでまたちょっと落ち込む。
こんな時に家に引きこもっていても仕方ないので有楽町で親にもらった株主招待券を使って「座頭市」。酷評ばかり聞いていて全く期待していなかったので、予想に反して面白かった。市も浅野忠信演じる服部も心理描写をばっさり省いて、ひたすら血飛沫を飛ばしまくっていたのが潔い感じ。話の筋もモチーフも、昔から日本映画で何千回と繰り返されてきた古典的なものだけど、情に流されずにカラッと乾いている。殺陣はどう考えてもカット割をしすぎているが、北野武特有の省略法が生きていてスピーディなのはいい。その中に時折はさまれる寒いギャグもたけしらしいし。ラストのわらじタップ、途中のリズミカルな農作業の音などと呼応していて、最初は面白いなとは思ったけどちょっと長すぎるかな。
でもやっぱりもやもやとした気分が抜けず、ついついビックカメラで安くなっていたので(2500円の一割引&10%ポイント還元)カルロス・サウラ監督の「タンゴ」のDVDを購入。家で早速観る。劇場で公開された時にも観ていたんだけど、サウラの「サロメ」が公開され、「サロメ」の舞台もやってくるというわけで。
2003/10/08 Wed 「タンゴ」に酔う
この映画はストーリーがどうのこうのというより、ただただヴィットリオ・ストラーロのキャメラに酔いしれ、鮮やかな色彩美に目眩まされ、ラロ・シフリンの音楽に浸り、そしてタンゴの官能的な動きに目を奪われるための作品だ。全体の半分以上がダンスシーンで、前半はたいした踊りはやっていないのだが、後半のコンテンポラリー系バレエを思わせる、政治的なメッセージ色が強いダンスやクライマックスのドラマティックな踊りは本当に面白い。なんといってもABTのフリオ・ボッカが男性ダンサーとデュオで踊るタンゴのスリリングなこと!最初は黒い衣装と白い衣装に分かれた男性ダンサーのグループの群舞だが、やがてデュオとなり、ボッカのクラシックのテクニックも生かしつつ脚が絡み合い、見事にセクシーなタンゴになっているのだ。不思議なことに、この映画のタンゴシーンは、男性同士や女性同士のダンスの方が色っぽい。
●2003/10/07 Tue シャンソンなどなど
例によってまた昼頃の起床となってしまった。ひどい自己嫌悪。
督促状の締め切りが今日になっていることに気づき、慌てて銀行で国民健康保険料を払ってくる。それにしても、この金額には腹が立つ。会社を3月に辞めて以来一度も医者にはかかっていないのに、なんで月に3万円以上も払わないといけないのか。世の中狂っている。その保険料で医師は平気で医療ミスで人を殺しているんだから、もう。
ライターをしている友人の家で、某アーティストの英語インタビューのテープ起こしと翻訳を手伝う。これくらいなら楽勝だわ。こういう仕事ができれば楽なんだけど。内容的にも面白かった。そして新橋で、別の友人がシャンソンを歌っているというので聴きに行く。
シャンソンのバーに行くのは初めてだったのでなかなか面白い経験だった。シャンソンとはいっても、ジャズやカントリーを歌っている人もいるし、歌のレベルはかなり高い。そしてお客さんも一人で来ているような人、常連っぽい人が多くて常連同士で親しくなっている雰囲気。ワイン片手に心地よい歌を聴いていたらぼーっと酔い痴れてしまった。そしてまた猛烈な胃痛に襲われ、苦しみながら電車に揺られて帰る羽目に…。せっかく高い健康保険料を払っているから医者に行ったほうがいいかな。でも今はもう医者に行くお金もないような惨状。
●2003/10/06 Mon パパママの突如の襲撃
昨日は相当疲れたようで、爆睡。友人からの電話で起こされたのが正午。何て情けない。私の最大の課題は、朝起きることである。本当に恐ろしいほど朝が苦手で、このことが私の人間としてのダメさを象徴しているのだ。次に働く時も、この“朝起きられないんじゃないか”という恐怖感が一番大きくて、それを考えただけで胃が痛くなってくる。どんなに眠くても定刻に起きられるようになる薬、誰か発明してくれないかしら。困ったことにうちのオットも今は朝が遅くて私よりも起きるのが遅かったりするので役に立たない。
そんなわけで、のっけから胃が痛む。さらに追い討ちをかけるように母親から電話。平和島に買い物に来ているので家に寄ると言うのだ。ああ、部屋の中はぐちゃぐちゃだし、オットは英語の学校に出かけていて不在。仕方ないので慌てて見えるところだけ掃除。そして両親の小言を小2時間ほどくらう。失業していること(曰くホイホイ誘いに乗って安易に転職しているから失業するんだって確かにその通りなのだけど)や子供がまだできないことや旦那を大事にしていないこととか片づけが悪いとかネタは本当にたくさんあって。その通りでございます。
両親が帰った後、日比谷まで出かけて今週末で終わってしまう「ロボコン」をようやく観る。古厩監督は前作「まぶだち」が大好きな作品だったため、絶対観ることに決めていたのだ。劇場内は男性のいかにもオタクっぽい一人客ばかり。そして映画は面白かった。たしかにヒロインの長澤まさみちゃんばかりを捉えていてアイドル映画なのだけど、決勝戦を中心とする長廻しに古厩節が炸裂。ぬる〜い雰囲気や、ロボットの数々のマニアックな技とか、第二ロボット部員のダメダメな感じとか、とにかく垢抜けない部分が素敵すぎる。荒川良々がおいしい部分を持っていっている感じがするけど。ラーメンのシーンは本当に最高で、まさみちゃんの台詞じゃないけど、この時間がずっと続けばいいと思った。
そして観終わった後、友人に遭遇。「まさか一人できたわけじゃないよね」すみません、一人でした。
●2003/10/05 Sun 「ジャルディ・タンカート」
日本人ダンサーを観ていて思うのは、なんであんなに恐ろしくメイクが濃いんだろうってこと。酒井はなのようにもともとの顔立ちが整っている人はケバくしなくても映えているので適度なメイクなのだが、それ以外の人はもう笑っちゃうくらいひどい。外国人に比べて平面的な顔なのは仕方ないから、その日本人的な顔を生かした舞台メイクってできないものだろうか?
3幕目が今回一番楽しみにしていたナチョ・ドゥアトの「ジャルディ・タンカート」。一言で言うととても独創的なダンス。農作業を思わせる動きをする3組の男女が、群舞、ペア、そしてソロでのダンスとさまざまな動きをみせてくれる。特に中腰状態での回転や、後姿を効果的に使った演出が印象的。そしてスペインの労働歌とダンスが実にマッチしていて不思議な雰囲気を作り出している。相当難易度の高い振り付けだと思うけど、ダンサーたちはよく踊りこなしていたと思う。2幕のパ・ド・ドゥでは全然ダメだった人たちでも、ここではいいんだよね。説明するのがとても難しいけど、スペインの大地の匂いが漂ってくるような魅惑的な作品。
終演後、オペラシティの地下にあるHUBで飲んで帰る。ここは新国立劇場の半券を持参すると20%引いてくれるので、アフターステージにはうってつけの場所だ。雨が降って急に気温が下がる。本格的に秋の気配。
●2003/10/05 Sun 新国立劇場The CHIC
昨夜の朝4時までのチャットが祟って眠かったけど、友人と待ち合わせしている丸ビルへ。実は丸ビルの2階より上に行くのは初めてだ。友人が遅れるというので中の書店でぴあの別冊「バレエワンダーランド」を購入。写真も図版も多くオールカラーで初心者に親切なガイドブックだ。インタビュー記事も、バレエフェス出演者を中心にたくさん載っているのがうれしい。タイアップの匂いもぷんぷんするけどそれはまあいいでしょう。スワンの記事にも、ダンサー紹介のところにもヘススのへの字も見当たらない(「白鳥の湖」のところで、楽日前には追っかけも出現したとは書いてあったけど)。まあ、一般的な認識としてはこんなもんでしょう。
このムックを肴に、豆腐御膳をいただきながら喋り倒す。セルゲイ・フィーリンの写真を見て一目ぼれした友人が、2月のアナニアシヴィリに行きたいと言い出した。
これから宝塚観劇をする彼女たちと別れて、新国立劇場で「The CHIC」を観に。B席だったが中劇場ということもあり、非常に観やすい。S席やA席は空席が多かったのに、Bは満席と見受けられたのはみんなわかっているんだなって感じ。1幕目の「シンフォニー・イン・C」。バランシンで群舞がメーンの作品だったので正直不安だったけど、これが非常に美しく、かつ後半にかけて盛り上がって面白くなっていく。少しずつ楽章ごとに踊りのカラーが変わっていくのが楽しい。特に第4楽章のコールドが敷き詰められたようなシーンは圧巻でめくるめく体験。2階席はこういうときには一番いい。ダンサーは圧倒的にマイレン・トレウバエフが安定していて素晴らしい。酒井はなはリズムが合っていないような…。
2幕目は「ジゼル」「こうもり」「ラ・バヤデール」「ロミオとジュリエット」のパ・ド・ドゥ。
狂ったように踊らされる小嶋直也の「ジゼル」、スマートな山本隆之の「こうもり」もいいのだが、やっぱりここではソロル役のトレウバエフくんが最高に素晴らしかった。軸はぶれないしジュテはスピーディでメリハリのある動きが美しく元気もいっぱい。しかも顔は濃いぃけどかわいいし!「ロミ・ジュリ」のマトヴィエンコはとてもピュアでフレッシュなロミオを好演していて、動きも軽やかで綺麗だったけど、志賀三佐枝のジュリエットは無理があったような。どうもリフトされている時の状態が不安定だし、どう考えてもトウが立っているのがわかってしまって。
●2003/10/05 Sun 胃が痛いのに
面接の後、先月まで働いていた職場に行って、胃が痛いのに結局飲みに行っちゃいました。あーあ。一生胃痛が治らないよ。でもすごく楽しい酒だった。珍しく誰一人酒乱にもならずに、でも業界暴露話はてんこもりで刺激的だったわ。ここにはまた定期的にお酒を飲みに行かなくちゃ。こんなに楽しい元職場もなかった。
帰宅してチャット。気がつけば朝の4時だったのでお開きにしたら、なんと家のトイレットペーパーが全くないことに気がついた。ピンチ!慌ててコンビニに買いに行く。深夜4時半にトイレットペーパーを買いに行く女が一人。なんか情けない。コンビニの店員も、「きっと夜中にトイレに行って紙がないことに気がついたなんて、何てださいヤツだ」と内心笑っていたに違いない。ほかに客がいなかったのが何よりの救い。
●2003/10/04 Sat 偶然にも最悪な?
4時半に面接があるので、その前に一本映画を、と思って調べていたら意外と時間が合う作品がない。そして結局観たのは、「偶然にも最悪な少年」。全然観るつもりはなかったし、世の中の評判としても「偶然にも最悪な映画」で大コケしていると聞いていたんだけど、少し怖いもの見たさで。
案の定、平日昼間というのもあったけど映画館はガラ空きで、大きなハコなのに観客は10人もいなかった。でも、“最悪な映画”というほどではなかった。思ったほど語り口が破綻していないと言うか。もちろん、ありえないだろう、という穴はいくらでもある。自殺した姉の死体を盗み出して車で福岡まで行くのだが、2日間の間に腐って車の中は臭くて仕方ないだろうしと主人公の少年がどんなことがあってもヘラヘラと笑っているというのもかなり変と言うか不気味な感じ。何考えているのかさっぱりわからなくて、「僕韓国人なんです」と言えばなんでも許されると思っているような甘えたところはぶっ飛ばしたくなる。まともな韓国人の人に失礼でしょう。市原隼人の演技は相当上滑り気味。大体成長しちゃって、ルックス的にとても主役を張るような顔ではなくなってしまった。中島美嘉はふてぶてしさがなかなかいい感じなのだが…。
実は意外と楽しめたりしていたりして。カメオ出演陣が案外豪華で、風吹ジュン、永瀬正敏とかともさかりえ、塚本高史、気がつかなかったけど佐々木ユメカとか前田愛とかサトエリなどがちょい役で出ているらしい。両親役は柄本明に余貴美子だし無駄に豪華な感じだ。一番無駄に豪華な配役は質屋の大滝秀治だが。あほな市原隼人を蹴散らすくらいのことをやって欲しかった。
てなわけで、たしかにかなりしょうもない映画ではあるけど、でもテンポなどは悪くないしある種の気分は感じられるので、“最悪”な作品ではないと思う。というか、映画はやっぱり一応観てから判断したいものだな、と改めて思ったのだった。
●2003/10/03 Fri DVD・American Ballet Theatre: New York
このDVDは単にライブを収録したと言うよりはドキュメンタリーのようで、芸術監督のケヴィン・マッケンジーやバックステージでのダンサーたちのインタビューも収録されている。インタビューを観て思うのは、ダンサーたちはみな英語を母国語としない人ばかりということ。みんなラテン系だったりヨーロッパ系の訛りがある。多様性がABTの個性を作っているということだ。マラーホフの舞台メイクをした姿はかなり強烈。あとイーサン・スティーフェルの瞳が本当に澄んだ美しい青であることを確認できた。残念ながら国内盤はVHSのみで入手も困難なようだけど、一見の価値アリ。
やっぱりバレエを観るんだったら、リージョンフリー、できればPALにも対応したDVDプレイヤーは必要ってことですな。DVDだと好きな演目をチャプターで選べるのがいいね。
●2003/10/03 Fri 意外とゆっくりできないよな
またまた11時ごろ起き出して、お天気もよいので引き続き洗濯。この時期は本当に着るものに困るよね。実は恐ろしいほどの衣装持ちなので、服を整理するだけでも一仕事だ。
せっかく平日の昼間にも時間があるので、渋谷で「10億分の1の男」と「アダプテーション」を観る。シネセゾン渋谷は恐ろしく空いていて観客は多分10人くらいしかいなかったのでは?でも映画はとっても面白かった。運を試すためのゲームのバリエーション一つとっても、趣向がとても凝っていて、しかも予想を裏切る展開で進んでいくので最後までドキドキ観ていることができた。さらに、主人公がラテン系の濃いハンサムでかなり好みのタイプ。シネマライズに移動して「リード・マイ・リップス」とどっちにしようと迷った挙句、終映時間が早い「アダプテーション」にする。最初の30分くらいはものすごく面白くて、こんなに奇抜な設定は凄いな、と思っていたのに途中少しダレれるのが惜しい。でも最後の展開も皮肉で、それなりには楽しめたと思う。メリル・ストリープのアイコラとはいえあんなお姿を観られるとは。二役を演じたニコラス・ケイジ、前歯がないのに妙にセクシーなクリス・クーパーは最高の演技。ハゲネタをあそこまで引っ張ったりしているのも可笑しい。
帰宅したらまたインターネットが不調なので、先日届いたABTのガラのDVDを最初から観る。いつも、パッと観られて楽しい「白鳥の湖」と「ドン・キホーテ」のパ・ド・ドゥばかりを観てしまうんだけど。
「白鳥」のホセ・カレーニョって本当にノーブルで美しく踊るよな、と実感。ナチョ・ドゥアト振り付けによる「レマンゾ」のマラーホフ、一人で異常に色が白いしバラを加えて踊っていたりして笑ってしまったりするけど、作品的にはとても独創的で面白いと思う。3人の男性ダンサーの絡み方が面白いんだよね。「ドン・キホーテ」は当時まだ21歳だったパロマ・へレーラがとても可愛い。ポワントで立つ所はちょっとぐらついていたりはするんだけど、アティチュードの脚は非常に高くあがっている。アンヘル・コレーラのバジルはこの間のバレエフェスでも観たのだけど、相変わらずノリノリ。細かいミスも見受けられるし、このときはまだ片腕リフトもやっていないけど、コーダのグラン・フェッテのスピードはやっぱりすごいわ。時計回りと逆に回転しているというだけでもインパクトが違うんだね。
●2003/10/02 Thu 失業一日目
というわけで今日から無職。無職らしく、昼頃起き出して天気が良かったのでまずはお洗濯。前の職場にお礼のメールとか、仕事で撮った写真をメールで送ったりとか。日課となっているABTサイトを仔細にチェックしていたらもう2時くらいになっちゃって、某派遣会社に登録に。とにかく生活するためのお金も払えないし、年金やら健康保険の督促状がいっぱい来ているので、なんとか仕事を見つけなきゃ。
面接とかスキルチェックとか色々受けさせられる。こういうのは初めてなので結構面白い。仕事来るかな。
渋谷のタワーレコードで、店内に流れていたベンジーの声についつい引き込まれて本日発売のJUDEの新譜を購入。実はブランキーが大好きで解散コンサートまでヤフオクで落札して行ったくせに、JUDEはまだ買ったことがなかったのだ。好きすぎて聴くのが怖いという感覚だった。和製ロックはほとんど聴かないのに、ベンジーの声は特別なのだ。
結婚生活をしていてもっとも不便なことの一つは、自分が聴きたい音楽が自由に聴けないこと。オットと私の音楽の趣味が違っていて、ロック系の音楽を聴いているとバカにされちゃうのだ。よって彼が寝静まった後に聴くしかない。ううう。最近はAC/DCのライブ盤を大音量で聴いていたが、それでも彼が起きてこないのが幸い。
友人と恵比寿で食事。豆爺という豆腐料理のお店で、これが静かで落ち着いた雰囲気で豆腐は絶品だった。新しいお店でわかりにくいため空いていたが勿体無い。そのあとル・ジャルダン・ドゥ・ジュリアンでお茶。ここ数日ひどく胃が痛いためお酒もあまり飲めないし甘いものも食べたくないのが哀しい。
●2003/09/30 Tue お仕事最後の日
今の仕事の最終日である。今回は某映画の宣伝のお手伝いをしていたのだが、大変ではあったけどとても楽しく仕事をすることができた。いろいろと大人の事情も絡んできて思うように行かない部分もあったとはいえ、一緒に仕事をしていた人たちがとてもいい人ばかりだったし、ユニークで刺激的な毎日だった。こんなに楽しい毎日にも終わりがきてしまったのはつくづく残念。
最後の日ではあったけど、マターリとお仕事をして、資料を送ったり梱包をしたりといつも通りの一日が過ぎていった。
でも胃が弱っていたので、最後にみんなで食べたラーメンは胃にもたれたよ。ううう…。全く役に立たない存在だったのにお茶とかお花とかももらえて嬉しかった。
ああ、お金がない。仕事探さなきゃ。
●2003/09/29 Mon これで四捨五入したら×0代
一応誕生日である。この年になると流石に嬉しさも半分。父親と電話で話したが「お前もこれで四捨五入したら×0代だな」と言われた。親には言われたくない言葉である。「XX(弟)のところも子供が生まれるしそろそろ…」と言われたので「もう年だし旦那も元気がないんで」と答えておく。
チャットで遅くなってしまってまた寝坊。今日はオーチャードでスペイン国立バレエ団。バレエ団と言っているが内容はフラメンコ。eplusの得チケで友人が入手してくれた席だが、3階でも意外と観やすい。群舞が多いのでこの位置の方がわかりやすい。圧巻はやはり「ボレロ」。ボレロでもちゃんとフラメンコのリズムで踊っているのが面白いし、鏡の使い方とかフォーメーションもユニークでわくわくする。ソロ・ダンサーはテクニックも相当なもので、ピルエットも軽く8回転くらいはこなしちゃう。ただ女性はみんな同じひっつめヘアなので区別がつきにくい。後半のストーリーのある「イルシオネスFM」も、おとぎ話のような楽しい雰囲気と、ラジオなどの小道具の使い方が面白かった。
でもフラメンコを見ると、マドリッドのヘススの踊りを思い出しちゃう。彼のフラメンコは本当にスタイリッシュでSexyだったわあ。あの時のときめきは流石に得られない。ABTであのような演目を踊る機会はほとんどないだろうけど、もう一度みたい。
友人と某カフェでカレーを食べた後、オットと表参道のル・ポワローというフレンチで食事。フランスの田舎にあるような店構えで、10年ぶりくらいに訪れたのだが相変わらずおいしかった。でもコース料理にワインを食べたら胃が痛くなってしまい、今も苦しんでいるところ。誕生日に胃痛でひっくり返る女。ださい。
●2003/09/28 Sun 矯正器具とお別れのはずが…
オンライン日記を書くのは禍の元なのでしばらくやめていたのだけど、あまりにも自分の中にもやもやがあるので、吐き出す出口としてスタートしました。
さて、今日はついに1年5ヶ月も口の中を占拠していた歯の矯正具が取れる日!だが昨日の夜、例によって鬱でベッドに行くことができず意味のない夜更かしをした結果、大寝坊大会でタクシーで歯医者に行く羽目に。通っている歯医者が洗足という、距離的には近いのに電車では非常に行きづらい場所にあるからなのだ。しかも運転手が道を知らず結局電車で行ったのと同じ時間がかかった上、500円ほど多目に払う羽目に。
矯正具が取れたのは嬉しかった。見慣れた器具のない私の歯は、確かに綺麗な歯並びになっていたけど妙にでかい。そしてリテーナーという別の器具をつけるのだけど、これがまた矯正具よりも口の中の違和感が強く、喋ろうとしてもフガフガ言うことしかできなくて不便だわ。
ライターの方にいただいた招待券で「名もなきアフリカの地で」。カロリーヌ・リンクは「ビヨンド・サイレンス」がすごく良くて、その次の「点子ちゃんとアントン」がアレレ?と思う出来で、今回はその中間くらいだろうか。相変わらず女性を見る目が非常にシビア。ケニア人のコックや娘がとても魅力的だし、個々のエピソードはよく描けているのに一つ一つのエピソードがしっくりきていないような気がしてしまった。アカデミー外国語賞をあげるほどでは…
ダンスマガジンと仕事の資料に使う「韓国・俳優バイブル」を買って帰宅。途中でハーゲンダッツのカスタードプリン味を発見したのでお金もないのに買ってしまった。矯正具が取れたことへの些細なお祝い。