うさぎの泌尿器系の結石について

----治療と予防を考える-----


うさちゃんが、血尿を出したり、ちょっとずつひんぱんにおしっこしたり、
おしりを不自然に高くあげておしっこしたり、おしっこするとき痛そうだったり、
そういうときは、泌尿器系に結石のある場合があります。

「結石です」診断されても、結石の状態によって治療は様々です。
ここでは、うさぎの治療にお詳しい獣医さんに、結石の診断や治療について
また、その原因と予防について、教えて頂いたことをご紹介します。



診断と治療のこと

《 石のような塊 》
《 ドロドロのもの・砂状のもの 》
これらは同じように結石と呼ばれる場合がありますが、異なるもので、治療も異なります。

《 石のような塊 》はまさに石で、大きいものは1cmを超えます。
《 ドロドロのもの・砂状のもの 》の正体はカルシウム等の結晶なのですが、その見た目で「砂」と呼ばれたりします。
クレンザーのような、と表現される場合もあります。

では、結石の状態と結石のできた部位毎に、一般的な治療法をまとめてみます。

*いわゆる膀胱結石=石のような塊が膀胱の中にある場合

切開、摘出がベスト。
へたに排出を試みて、手術のやりにくい所(膀胱の出口から尿道口:尿の出口まで)につかえてしまったら大変。
手術も非常に大変になるし、つかえて尿が出なくなったら排泄するはずの毒素が体に回って命に関わる。
もし、結石が尿道を閉塞していて尿がでなくなっていたら、即手術するべき。

*尿道につかえる可能性のない細かい膀胱結石

輸液等をして、尿量を増やして、排泄を試みる。

*腎臓、尿管(腎臓から膀胱への管)に結石(=石のような塊)がある場合

輸液等をして、尿量を増やして、膀胱へ落す。
膀胱へ落ちた後の処置は膀胱結石と同じ。

*ドロドロのもの・砂状のもの=結晶

輸液等をして、尿量を増やして排泄させる。
輸液は皮下輸液が一般的。3-4日は大量の皮下輸液を行う処置が必要

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石の塊でなければ、排泄させる治療の方が安全で一般的だそうです。
切開は、まず排泄できないかどうかを検討し、 どうしても無理と診断された場合に行われるようです。

結石を溶かす薬と呼ばれるものがありますが、それは尿を酸性化するお薬のことで、
アメリカで行われたHRSの獣医師向けセミナーにでは、その効果は少ないと報告されています。
本当に結石を溶解する作用のある薬は、おそらく無いそうです。



ある症例

膀胱一杯に炭酸カルシウムの結晶がつまった例です 

主な症状
・少量の尿を頻繁に排泄
・おしりのまわりに沢山結晶でできた塊がついていた
・陰部もただれていた

獣医さんの診断
膀胱をおなかの上から触ると、砂袋のよう。レントゲンでは、膀胱一杯に結晶(砂状)がつまっていることを確認。 膀胱に、尿(液体の)はいるスペースがないこと、そして膀胱炎を起こしていたために瀕尿になっているとのこと。

治療
1日目:
1日入院。夕方まで、獣医さんにより、尿道を弛緩させる効果のある鎮静剤を打った後、大量の皮下輸液の投与。 膀胱を揺らす(手でマッサージするような感じで)ことによって砂を撹拌してから、膀胱を圧迫して排尿させる、 てということを繰り返した。
同時に陰部に固まっていた/および排泄された砂状結晶、そして尿道入り口付近の洗浄を行った。

2日目〜4日目:
1日1回大量の皮下輸液をするために通院。できるだけ経口で水分をとらせる。 暇があれば、人間がずっと膀胱をゆさゆさ揺らすことを続けてもらった。
(本当は来院初日から4日間は少なくとも1日2回は通院して皮下輸液をした方が良かったが、  飼い主さんの都合で1日1回の皮下輸液を3日間、あとはすべてお家での処置となったため)

4日目にレントゲンを撮ったところ、もう大方の結晶は出ていた。このときには、だいぶおさまっていた。

それから1週間後にまたレントゲンを撮ったところ、結晶はほとんどなかった。
(お父さんとお母さんのお世話がとてもよかったのですね)


抗生物質
おしりのただれにつける軟膏:ステロイドが入っているもの
(真っ赤で痛そうなときだけ、おしりを洗った後に少量つけるようにと指示されました)

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血尿により結石(結晶が異常に多い)が発見される場合もありますし、 ひんぱんなおしっこ(おもらし)やおしりに結晶がついていることが、その兆候の場合もあります。 飼い主さんはよく注意して、できるだけ早く気付いてあげたいものですね。
また、上記の症例のように、たとえ膀胱いっぱいに結晶がつまっていても、 切らずに治療する場合もありまし、お腹を切って取り出す治療もあります。
切らない治療の場合は、うまく排泄できるようにしてあげたり、食事を改善したり、 飼い主さんもしっかり協力されることが、早い回復につながるといえるでしょう。



尿路結石の原因と予防

高カルシウム食
肥満
運動不足
これが結石の大きな原因であり大敵です。
結石や結晶で悩まされたことのあるうさぎは、上記の3敵を排除するよう努力しな ければなりません。

うさぎでは、食事によって摂取したカルシウムは全て血中に回って、尿のなかへ排泄されます。
ですから、カルシウムが高い食事は、結石の大きなリスクファクターになりえます。
具体的には、ペレットやアルファルファを極力少なくする、 カルシウムを多く含む野菜をあまりあげない、など気をつける必要があります。
ただし、ペレットを少なくするということは、それまでペレットから摂取していた身体に必要な栄養素を、 何か代わりの食品(野菜や牧草)から摂取しなければならなくなるということです。 ペレットを減らすことによって、どのような栄養素がどれだけ不足することになるのか、 よく調べて、必要な栄養が十分含まれているような食品を用意してあげる必要があります。
成長期かどうか、基礎代謝の多いうさぎなのかどうかによっても、必要な栄養は異なってきます。
(先の症例に関しては、飼い主さんがHRSのハンドブックをお読みになって、  ペレットを少なくする食事を検討されたそうです)

ただ単に、ペレット全廃にして適当にお野菜や牧草を与えているだけでは、 十分な対処とはいえないでしょう。

肥満しているうさぎは、えてして 運動量が足りません。 じっとしていると、結石はできやすくなるようです。肥満しているうさぎに結石が多いという報告 があります。

結晶はどんなうさぎでも多少はできますが、できやすいできにくいは、食べ物と体質の影響します。 同じように食事をして暮らしていても、結石になる個体とならない個体があるのは確かで、 結石のリスクには動物の遺伝子も関係していると思われます。

結石や多量の結晶(少量の結晶は普通に見られ、レントゲン上にも写ります。これは異常ではありません) は、それ自体が膀胱を刺激するので、膀胱炎を起こします。また細菌感染も起こります。
膀胱に起こった炎症は、治療されないでいると、または長く続くと、腎臓へも波及します。 腎臓の炎症を起こしたら、これも命にかかわる問題となります。 
また、石は大きくなるでしょう。

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治療のことを知っておくことも大切ですが、結石の原因や予防のことを知っておくことは、 普段の生活でもっと大切なことと思います。
このページでご紹介したことを参考にして頂いて、みなさんのうさちゃんが健康に長生きして、 長寿うさぎの会員さんがもっともっとたくさん増えることを願っています。


結石のことを勉強したら、歯のことも勉強しよう!と思う方は
以下のページもご覧くださいね。
「うさぎの歯の構造と食べ物について」


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