チェーザレ・ボルジアとわたくし

どうも里帰り後はわたくし系(俺様系とも言う。)の辛口ラブが書きたくなってしまうようですね。これもまたイタリアの特徴というか・・とにかく押し出し強くしてないと、負けるからさ。町に。
イタリアにおける自我の張り合いというのはまた次のテーマとして、とりあえず今回はわたくしの自己満足的チェーザレとのラブラブ自慢話です。
ローマへの辛口エッセイが読みたい!!という方にはあんまり関係ないかと思われますので、これは飛ばしてくださいねーん♪
で、チェーザレというのはわたくしのボーイフレンドの名前などではなくて、1457年にローマに生まれたルネサンスのブラック・ヒーローのことなので。ここはひとつ。

さて。チェーザレ・ボルジアというのは、わたくしが公言してはばからないわたくしの守護神で、精神世界でのアイデンティティ・セーバーです。いまや現実世界のアイデンティティ・セイバーを見つけることができたので、昔ほど頼ってはいませんが、やはり、もしもこの世に宗教と呼べるものがあるなら、チェーザレこそはわたくしの神様でありわたくしの至高の恋人、というか本当にチェーザレのおかげで人生狂ってるわけよ。だってチェーザレを知らなかったらイタリア語なんて勉強しなかったし、ローマに留学なんてしなかったもん。いや、本当に、チェーザレ・ボルジアとであったからわたくしは大学でわざわざつぶしのきかなそうなイタリア語を専攻し、誰よりまじめに勉強したし、両親を説得しまくり、交換留学制度のあったナポリやヴェネツィアでなく敢えてローマ大学に留学したんだもん。
それはもう言って見れば、修道女がキリストの花嫁となって修道院でお祈りと修行をするような、神学者が聖書を読み漁ってキリストの真意に近づくような、お坊さんが一日中座禅を組んでブッダの心境を疑似体験するような、一緒にしたら怒られるかもしれませんがわたくしにとってはまさにそういうことで、すこしでもチェーザレにちかづいて、そしていつかタイムマシンが開発されて、チェーザレと出会える日のためにイタリア語を勉強して自分を磨いて生きてきているわけです。そろそろだれか発明してくれないと、チェーザレの享年を追い抜きそうでびびってるんですが。

とにかくそういうわたくしにとっては神様であり仮想恋愛の対象であるチェーザレは、冗談じゃなく、わたくしを愛してくれているのです。
キリスト教的にいうと神のご加護か。仏教的に言うと仏様の御心か。イスラム教に言うとアッラーのおぼしめしか。
とにかく、チェーザレがわたくしを「ああ、やっぱりチェーザレは私を愛しているのね!!」と叫ばせてくれる事件は、本当にたくさくたくさんあるのよー。聞きたい?聞きたい? イヤでも言うんだけど。
まずさ、わたくしがまともに殿方と「お付き合い」したのって、今のところ4人くらいだと思うんですけど(一人が長いからなぁ・・)そのうち2人までと、偶然のようにチェーザレの誕生日にお別れしてるのです。別にわたくしが狙ったわけじゃありませんよ。一回目は突然、向こうから別れを切り出されたし、二回目は話し合いの日としてその日を向こうから指定されたんだから。
しかもこれはすべての恋愛に関してそういえないことはないのですが、そしてこればっかりは先方のご意見はまったく違うと思いますが、両方とも、「あー、別れてよかった。」と思われる恋愛だったのですよ。実際別れてから運命上り調子になったし。

まあそんな些細なことにこだわるまでもなく、わたくしは空前の幸運を持っていることはわたくしを知っている誰もが認めてくれることだと思うのですが、そしてわたくしはいつもそれをチェーザレのおかげだと思っていたのですが、一昨年くらいに、ありえない不運が重なってものすごく落ち込んでいた時期がありました。
そのときはさすがにチェーザレの保護はきえてしまったのか、と思って、それでまた落ち込んでいたのね。
わたくしにとって運命に愛されていることがチェーザレからの愛だと思ってたからさ、いや今でも思ってるけどさ、不運が続くと、アイデンティティの根底から揺るがされるわけです。
で、わたくしはそのとき一心不乱にお祈りしたのです。「チェーザレ、どうか、まだわたしを助けてくれるって言って、どんな形でもいいからそう伝えて」と。
でー。
まさにそのお祈りをしている1週間くらいの時、ひょんな縁で通訳の仕事の依頼が来ました。
イタリアGPレーサー、ヴァレンティーノ・ロッシの通訳です。
いまや王者(今年はどうかな・・)の風格漂うヴァレは、当時はまだここまで強くはなく、というかわたくしはデビュー当時の、山だしのお猿さんだった頃から彼の大ファンだったのよ。
しかもなんでファンだったかって言うと、名前がヴァレンティーノだったから、なのね。
ヴァレンティーノは、チェーザレのもう一つの名前でもあるのです。イル・バレンティーノ。
これをチェーザレからの「ラブラブ宣告」といわずしてなんと言いますか?
それでチェーザレの愛を確信したわたくしは、再び絶好調人生を取り戻したのです。どーだ。参ったか。

そういうわけで、いまや何があろうがチェーザレの愛を疑ったりはしないわたくしですが、今回の旅行でも素晴らしい幸運を授けてもらいました。ローマはチェーザレの本拠地、わたくしがローマで超のびのびらぶらぶあっちょんぶりけであちょーでいられるのは、チェーザレの守護を信じて疑わないからなのですが、そしてローマではわたくしが外にいる限り、雨は降らない、と思っているのです。本気で。

今回も、わたくしが到着する前の日まで毎日雨が降っていて、しかも天気予報はずぅぅぅっと雨模様だったにもかかわらず、そしてわたくしの滞在中も何度も雨が降ったにもかかわらず。
わたくしがホテルの外に出ると、本当に、文字通り青空なのよ!! 嘘だと思ったら妹に聞いてみてくれ。
一回、雨が降りそうになって、「チェーザレお願い、降らせないで、お願い!」とずっとお願いしていたら、降りそうな雨が止まったの! 妹いわく、「なんかがんばってこらえているみたいだ・・もうちょっとがんばってくれ!」という感じで。
しかも晴れたのよ。そのがんばりの後。

そしてさらに。
わたくしがローマからチェックあうとするその日の朝、ふと、ホテルのロビーを見ると、
「ボルジア展」というポスターが貼られているじゃないの!!!!
もちろんヤヨイマジック+チェーザレのご加護で、フロントのおじさんに「ちょうだい♪」とやって、もらってきましたよ。
はられた当日に。ほほほ。

9月14日は、チェーザレの誕生日です。今年は、何事もなく、わたくしの大事な殿方たちに何の不幸も訪れることなく無事に終了したチェーザレの誕生日。
それはそれで、ちょっとものたりないような気もしないでもないのですが、どうしてどうして、チェーザレのかなり乱暴な守護の手は、わたくしの親友のほうにむいていたのでした。
しょーもない男といやおうナシの別れが訪れたのが、9月16日? 二日違いはわたくし本人じゃないのでご愛嬌。
大丈夫よ、愛しき親友よ!! チェーザレが別れさせてくれた男とは、別れたほうがいいに決まってるんだから。

そしてわたくしとちょうど500年違いで生まれたチェーザレ。
例えタイムマシンができなくて、逢えなくても、とにかくお誕生日おめでとう。

そして追記。
これを書いた当日に、またしてもヴァレンティーノ・ロッシの通訳が入ったのよ・・
すごくない? これを偶然で片付けてはいけないと思うのよ、わたくし。


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