イタリア人とフィリピン人

イタリア人の靴下は、何故にいつもアイロンがかかって糊付けまでされているのか。
地下鉄とかで、男の人の靴下が見えると、それが気になって仕方がない。
という、貴重な感想を某お姉様から頂きまして。
わたくし、涙が出るほど爆笑してしまいましたわ!!!

そーなのよ。イタリア人の靴下はピシっとしてるの! ついでに言えば、パンツにもアイロンかけて、糊付けされてます。わたくしの昔の恋人の下着の入った引き出しは、糊付けされたトランクスと、糊付けされたタンクトップがわんさかつまっていたわ。そして、靴下は足に履くものだから、パンツやタンクトップと一緒に入っているのは嫌だ! という異様にお坊ちゃま君な理由で、別の引き出しに入ってました。糊付けされて。

このイタリア人下着糊付け問題の黒幕は、フィリピン人です。

ちょっと、微妙に人種問題が絡みそうな話題ではあるのですが、ありのままに書くから怒ったり非難したりしないでね。よろぴく♪

というのはさ、イタリアにはフィリピン系の移民の人たちが、大量にいるんです。
なんで敢えてフィリピンなのか? と思うと不思議なくらい(地理的に言えば、東欧とか、アフリカのほうが多いと思うんだけどね・・)たくさんいる。
そして、彼らの職業は(日本とは大いに違うことに)、一般的に言って、「家政婦」さんなのです。
それはもう、フィリピン人(女)、を表す言葉、「フィリッピーナ」が、そのまま「家政婦」を意味してしまうほどに、フィリピン人といえば家政婦。市原悦子もフィリッピーナとよばれるのか、ってほど。それは言いすぎですが。
突然、アナタの恋人が、「僕のフィリピン人(女)」といっても、それはフィリピン人の恋人、または愛人を表しているのではありません。心配するな。それは、「うちの家政婦さん」と言う意味なのです。

移民系の人たちと言うのは、どこの国でも、ちょっと厄介者扱いされていることが多いし、実際イタリアでも、東欧系・アフリカ系の移民の人たちはそういう側面があったりしますが、概ね、フィリピン人に対してイタリア人はとても好意的です。とてもまじめで、よく働く人たち、と思っているから。
イタリアは基本的に共働きの国なので、ハウスキープ、ベビーシットを兼ねた家政婦さんの存在は必要不可欠。職を求めてはるばるフィリピンから来ている人たちにしてみれば、イタリア人の中流以上の家庭の家政婦、というのは、多分美味しい仕事のはずです。
需要と供給が一致して、というかむしろイタリア人はしょっちゅう、「誰かいいフィリピン人知らない??」と、言っています。

まあさ、鍵を預けて、留守の間に掃除や洗濯、子守までさせてるわけだから、ある程度以上の信頼関係は不可欠でしょう。それでも、時々食器がなくなっていたり、知らない間に国際電話をかけられたり、いろいろあるにはあるようですが、仕事を持つお母さんには必要不可欠な人たち。なわけです。

しかし。
フィリピン気質なのかなんなのか、彼らはイマイチ、ヨーロッパ流生活様式を理解しません。
たとえばさ、センタープリーツのズボンて、真ん中をおってアイロンかけなきゃいけないわけじゃん。
でもそれを、真ん中を広げてアイロンかけてしまったり。フォークとナイフとスプーンを、分けずにしまっちゃったり。いや、単に大雑把なだけか?
大雑把なくせに、ハウスキーピングには命をかけるイタリア人とはちょっとずれるんだよねえ。
美しく配置されていたサロンの置物が、容赦なく一直線に並んでいる、など。
まあ、言葉も、なんとか意志の疎通が出来る、と言うレベルだから、上手く伝わっていないところもあると思うんだけどね。

そんななか、アイロンかけ、という普通みんなが嫌いな仕事(わたしもだいだい大嫌い、というか、うまくできない)も、もちろんフィリピン家政婦さんの出番となるわけですが、これがまた。
どこまでがアイロンかけて、どこまでがアイロンかけなくてもいいものなのか判断つきかねる場合、文句言われないようにとりあえず全部かけとけ。と思ってるんじゃないかと思われる節があるのです。
わたくしのパンツ等も、時々恋人の家の洗濯機にぶち込んでいたりしていたのですが、それらも美しくアイロンがけされて渡されました。ありがとう。

ていうかもしかして普通はパンツにもアイロンてかけるの? 今かいてて、アイロンかけずにパンツはいてるのはうちの家族だけか? とおもって不安になってきたわ・・
靴下ももしかして、普通はかけるのかも・・っていうかそれはフィリピン家政婦さんの仕業なのではなく、イタリアでは普通のことなのかも・・
でも普通の主婦だったらさ、めんどくさくて、そんなことしないよね?ていうかわたくしはしないぞ。未来のわたくしの結婚相手にここで宣言しておこう。パンツと靴下にはアイロンかけません! っていうかむしろシャツとかもわたしがアイロンかけたら変なアイロンじわができます!(そんなこといわれてもなあ・・)

ちなみに、フィリピン家政婦さんの時給は、日本円で1000円くらい。イタリア価格で言ったら1500円相当くらいじゃないかな。結構いいよね。
でもわたくしにはできません。掃除とアイロンかけ嫌いだから。料理人なら出来ると思うんだけど・・料理はイタリア人のお母さんの領分なんだよねえ・・残念。


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