中立の巻
中立 すもものあかやぎ
いつの間にやらすごいことになっておりますな。どちらに加勢いたしましょうか・・・たいへん悩むところでございます。本音を言いますれば、私は一年中のあらゆる季節が好きでして、そのときどきの最もタイムリーな季節の虜となってしまうのでございます。左様なわけで、ただいまは冬と春の間で揺れ動いているというのが正直なところです。そして、選択肢として冬がないとなれば、当然のように春を応援したいところです。
 しかし、すでに4対2と数の上で春組が優勢となっています上に、春組を束ねる領袖がかの鼻高い佐保姫様であらせられますので、今さら春に与しては姫君の足下に拝跪したものと見なされるやもしれず、かといって秋を支持すれば、ためにする議論との誹りを免れません。かるがゆえに、私このたびは、あえて見物人の立場に立ち、中立の位置に甘んじることにいたしとうございます。悪しからず。
 申し訳程度に、春夏秋冬すべてが詠み込まれた貫之卿の長歌をば挙げておきます。

ちはやぶる 神のみよより くれ竹の 世々にもたえず
あまびこの をとはの山の はるがすみ おもひみだれて
さみだれの そらもとどろに さよふけて 山ほととぎす
なくごとに たれもねざめて からにしき たつたの山の
もみぢばを みてのみしのぶ かみな月 しぐれしぐれて
冬のよの 庭もはだれに ふるゆきの 猶きえかへり
年ごとに 時につけつつ あはれてふ ことをいひつつ
きみをのみ ちよにといはふ・・・・(以下略) 

春・四の巻
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