第16回 Dance of Many (The Dark, Chronicles, 5th)

「この妙なものが舞っているというのか」

Dance of Many
UU
Enchantment
When Dance of Many comes into play, put a creature token into play that's a copy of target creature card in play.
When Dance of Many leaves play, remove the creature token from the game.
When the creature token leaves play, sacrifice Dance of Many.
At the beginning of your upkeep, sacrifice Dance of Many unless you pay UU.

 昨今ではバウンス(パーマネントを手札に戻す呪文や能力の総称)系のカードが増えたためにさほどクリーチャーには悩まされずに済むようになった青。ですが昔はそのようなカードは《Unsommon/送還 (Alpha〜7th)》《Boomerang/ブーメラン (LE, CH, MI, 5th〜7th)》《Time Elemental/時の精霊 (LE, 4th, 5th)》くらいしかなく、バウンスでのクリーチャー対策は到底万全とは言えませんでした。
 ではどうしていたのか。青には、二つの有効な道がありました。一つは相手のクリーチャーのコントロールを奪ってしまうこと。そしてもう一つは、相手と全く同じクリーチャーを出して拮抗状態を作り出すこと。
 前者の代表例が《Control Magic/支配魔法 (Alpha〜4th)》です。最近では同系統に《Treachery/不実 (UD)》《Dominate/威圧 (NE)》のような優秀なカードが出ています。

 今回紹介する《Dance of Many/あまたの舞い》は、後者に属します。これらのカードは基本的に場のクリーチャーを複写するため、ルールが何かと面倒になりがちで、最近はあまり姿を見掛けないようです。それ故にあまり表舞台に登場することもありませんが、なかなかどうして、単にコントロールを奪うより面白いことになる場合もままあります。

 現行オラクルによるカード記述は上の通りですが、日本語では以下のようになります。

Dance of Many
(青)(青)
エンチャント(場)
〜が場に出たとき、場に出ているクリーチャー・カード1枚を対象に選び、そのクリーチャー・カードのコピーであるトークン・クリーチャー1体を場に出す。
〜が場から離れたとき、そのトークン・クリーチャーをゲームから取り除く。
そのトークン・クリーチャーが場から離れたとき、〜を生け贄に捧げる。
あなたのアップキープ開始時に、あなたが(青)(青)を支払わないかぎり、〜を生け贄に捧げる。

 要するに《Dance of Many/あまたの舞い》とは、対象のクリーチャー・カードの完全な複製となるトークンを1つ場に出すエンチャントです。対象をクリーチャー・カードに取るためトークンクリーチャーは複製出来ませんが、まあ問題ないでしょう。

 このカードの強さはそのコストの安さにあります。先に述べた青の2つの道は、どちらも普通4マナかそれ以上の呪文コストを必要とします(例外もありますが、汎用性や即効性に欠けます)。ところがこの《Dance of Many/あまたの舞い》はたったの2マナ。維持費こそ必要ですが、カウンター用のマナを残しつつ使用するのには非常に適したカードです。
 また、コントロール奪取系とは異なり、自分のクリーチャーを複写して増やすのに使えるのも面白いところです。《Mahamoti Djinn/マハモティ・ジン (Alpha〜4th, 7th)》のようなフィニッシャーをたった2マナで増やされては相手も防ぎようがないでしょうし、「場に出た時」「場から離れた時」に嫌らしい能力を発揮するクリーチャーをコピーするのも悪くありません。維持費を必要とするが故に、「場から離れた時」の能力の起動タイミングが事実上任意と言えるのもちょっとした旨味です。

 このカードを使うに際しては、一つ重要な留意点があります。それは、このカードによって生み出されたトークンは、対象のクリーチャーカードの完全な複製であるが故に、普通のトークンとは異なって呪文コストを持つ、ということです。このことは《Dominate/威圧》されたり《Powder Keg/火薬樽 (UD)》や《Void/虚空 (IN)》で吹き飛ばされたりする時に影響します。複写元のクリーチャーのコストが大きいほどこれらへの耐性が高まりますが、除去される時は複写元もろともです。まあ、たかがトークンだと思ってそれらのカードをX=0で使ってしまったりしてくれるとありがたいところですが、そういう時はちゃんと教えてあげましょう。

 

 第16回《Dance of Many/あまたの舞い》、こんなところです。

 次週は《Blaze of Glory (Alpha, Beta, Unlimited)》の予定です。それではまたお会いしましょう。


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