史上最大の作戦!帝国よ、永遠に!
No.5

成妃帝「…どこまで連れて行く気だ? 俺は歩き疲れたぞ」
総統「後少しですよ、成妃帝」
クソゲー養殖所のさらに地下、螺旋状の階段がえんえんと続いている。辺りは静まりかえり、成妃と総統の足音がむなしく響くだけだ。
成妃帝「総統、貴様の目的は何だ? 「作戦」とか言っていたが、何をしでかす気だ」
総統「陛下ならきっと理解していただけますよ。クソゲーに魂を魅入られたあなたならね」
成妃帝「勝手に言え。貴様の研究員さえ近づけさせない秘密とやら、確かめてくれるわ」
それからどのくらい階段を降り続けただろうか、ようやく最深部に二人はたどり着いた。巨大な扉が姿をあらわす。その大きさ、とても人間用とは思えない。だがその扉は、ナカニシズム総統が軽く触れるだけで開いた。
成妃帝「な、なにぃ!? あ、あれは…!?」
総統「ようこそ、成妃帝。”災禍の中心"へ」
そう言って振り向いた総統に、人ならぬものの笑顔が浮かんだ。

その大広間の中心には巨大な物体があった。巨大な胎児のように見えなくも無い。
総統「どうだ、成妃帝。どうやら言葉も無いようだか…」
成妃帝「…め、目元が父親そっくりだな」(^-^;
総統「違ーう! この力こそが、全てのゲームを征するのだ。そして私はもうすぐその力を手に入れる!」
成妃帝「何をバカな! どんな力だが知らないが、お前は間違っている、目を覚ませ!」
総統「クソゲーを養殖して集めたエネルギー、そして明治神宮の霊力…。あと一歩の所まで来たのに、まだエネルギーが足りない。成妃帝、あなたのその生命力、使わせてもらおう」
成妃帝「くっ!!」
総統が、人ならぬ力で成妃の手をつかんで引き寄せようとした時…
???「そこまでだッ!!」
突如あらわれた人影が、総統を突き飛ばした。
成妃帝「わるν!」
総統「何だと! あのトラップの数々を抜けてきたとでも言うのか!?」
わるν「あんな間抜けな罠でオレを倒せると思うな! アーマゲドンッ!」
わるνは召還した異空間狭間からドス黒い大鎌を引き抜いた。
総統「何だ、その大カマは?」
わるν「秘密結社Qを最後までやればわかる! 総統、あの時のようには行かんぞ。オレと決着をつけろ!」
総統「いいだろう。この物干竿のサビにしてくれる」
総統は2メートル位ありそうな長い日本刀を持ち出した。
わるν「何だ、そのバカ長い刀は?」
総統「その昔、種子島と戦ったバカ侍・御剣平四郎が愛用したという逸品だ。成妃帝もこれで落としたのだ」
成妃「むかーッ! わるν、たたんでおしまいッ!」
わるν「かしこまりました。行くぞ、総統!」
総統「命が惜しくなければ、来い! わるν!」

総統とわるνの戦いは熾烈を極めた。お互い長モノ同士で、単にやりにくかっただけかもしれないが。
わるν「やるな、総統。研究員どもに任せっきりで、自分では何もできないのかと思っていたぞ」
総統「フフフ。本当はもっと遊んでやりたいが、あいにく私は忙しいのだ。自爆装置の事を忘れたのか?」
わるν「オレが何も知らないとでも思っているのか? リモコンはな…」
総統とわるνが同時に喋った。
わるν「陛下が持っている」
総統「私が持っている」
わるν「何っ!?」
確かに総統は胸ポケットからリモコンを取り出した。わるνが振り返ると、成妃もリモコンを持っていた。
総統「ほう、確かにそれは私がうっかり落としたリモコンだ。だがな、私の力を持ってすれば、リモコンなんかいくらでもつくれるのだよ、わるν君」
成妃帝「つまり、どっちも本物ということか」
総統「そういう事だ。どうだね、わるν君。憎い私と最愛の陛下に命綱を握られた気分は?」
わるν「く…」
総統「フフフ。助けてやってもいいんだぞ、私に忠誠を誓えばな」
わるν「陛下を裏切れというのか!」
総統「安心しろ、ショッカーと違って真っ先に脳改造してやるからな。お前は私の忠実な暗殺マシーン「÷ν」になるのだ。ついでにこの基地の修理もしてもらうがな。」
成妃帝「そうはさせん!」

カチッ!

わるν「!!??」
成妃帝「わるνは俺のものだ。総統にやるくらいなら、この場で消す」
総統「お、おい成妃帝! まさか本物のスイッチを入れるとは…。何のためにニセリモコンを使ったのか…」
わるν「なぬ! ニセリモコン!? じゃ、オレは…」
総統「そろそろドカンだな」
わるν「くっ!!、…ぐふっ!」
大広間の奥のほうへ走り出そうとした、わるνの上着のすそを誰かがつかんで転ばせた。成妃帝だった。
わるν「陛下、放してください! このままでは陛下を巻き沿いに!」
成妃帝「一度しか言わん。俺のものは誰にも渡さんし、手放さん」
わるν「…」
しばらく沈黙が続いた。その沈黙を破ったのは総統だった。
総統「おかしいな、そろそろドカンなはずだが。まさか不発弾?」
そう言って総統は落ちているリモコンを拾い上げた。
総統「な、なにっ! タイマーがかかっている!! 成妃帝、タイマーをいじったのか!?」
成妃帝「知らんわ、そんなの。いろいろ触ったがな」
わるν「タイマー…? じゃ、オレは一体いつ爆発するんだ?」
総統「200年後だ。ふふっ、悔しいだろう、一度スイッチが入ってしまえば、お釈迦様でも変更は不可能だ!!」
わるν「…。オレは200年も生きないからどうでもいいや」
総統「やっぱりそう思う?」
わるν「思う。さーて、借りをまとめてお返しするぜ! くらえ、アーマゲドンッ!!」
わるνの渾身の一撃が、総統を謎の物体に叩きつけた。そしてクリムゾンは部屋の隅に転がっていった。

わるν「陛下、ご無事でッ…ぎゃんっ!」
成妃はわるνの頭に鉄拳をみまった。
わるν「ひ、ひどい…。(;_;)」
成妃帝「さっさと助けにこないからだ! どこで遊んでた? 俺が殺られてから神妙な面持ちで出てくるつもりだったのか?」
わるν「そ、そんな…。オレ、Gメン'75みたいなマネはしませんよ!」
何時の間にか、元気になった総統までが笑う。
総統「フハハハ。Gメンは保険屋の癖に金を払う状況になってから出てくるからな」
成妃帝「そんな昔の話、俺は知らんぞ。…待てよ。さっきのショッカーの話といい、にゅうから派生したわるνはともかく、俺とそんな年も変らん総統が、何でそんな古い話を知っているんだ?」
総統「そ、それはだな…、ビデオで見てだな…」
わるν「バイオニック・ジェミー、いいよね」
総統「私はチャーリーズエンジェルの方が。…うっ」
成妃帝「いい加減、白状したらどうなんだ! 正体現せ!」
???「おのれぇぇぇっ、小ざかしいマネを! ゆるさん!!」
総統と背後の謎の物体が同時に口を開いた。背後の物体がもがきながら動き出す。
成妃帝「動き出したぞ!?」
わるν「総統の生命力を吸い上げているんだ! 陛下、いったん逃げましょう!」
だが、謎の生命体は見かけからは想像できない早さで迫ってきた。巨大な腕が振り上げられ、その醜悪な顔がニヤリと笑ったように見えた。
グラビー「総統をクリムゾンで撃つんだ!!」
背後からグラビーの叫び声がした。
成妃帝「お前はスパイ大作! クリムゾンだと、よし!」
わるν「陛下、オレが!」
成妃帝「お前の腕で総統に当たるか! 俺の活躍を見てろ」
そういうと成妃は、すばやく生命体の脇をすり抜けて、クリムゾンに飛びついた。
成妃帝「恨むなよ、総統!」
バンバンバンバンバンバン かろうじて6発目の弾が総統を貫いた。
総統「やりやがったな!」
ナカニシズム総統はついにその場に倒れた。だが、生命体の動きは止まらず、かえって怒り狂い暴れ始めた。
グラビー「…間に合わなかったか」
わるν「グラビー、あいつは一体何なんだ!?」
グラビー「あれが前に私が言った黒幕だ。奴がナカニシズム総統を背後で操っていたのだ」
わるν「何だと、あんな奴が総統を…。奴は一体…。」
グラビー「異星物体とも異次元生命体とも使徒ともいわれているが、正体は不明だ。その昔、シャーロック・ホームズにより倒され、封印されていたはずなのだが…。記録では「伯爵令嬢」と記されている」
わるν「伯爵令嬢…」
『伯爵令嬢』は再びニヤリと笑った。

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