演出命の和製デジタルアメコミ

キャロル・ザ・ダークエンジェル

*^-^* よくできています
ジャンルETC
発売月98/ 4
発売元SCE
定価2,000円
メディア紙ケース 1枚
クリア
1プレイ時間1時間半
難易度 ★☆☆☆☆
マルチエンデイングNo
音声なし
メッセージ速度調整可
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プレイステーションコミック第2弾。板橋しゅうほう氏のオリジナル作品です。ボタンを押してページをめくるタイプのデジコミで、選択肢はありません。画面は漫画のコマ割りで、見る順番に1コマづつライトアップされ、ちょっとしたアニメーションをしたりします。この辺りはデジコミというか、感覚的にはレバーを引いたりしてギミックを動かす仕掛け絵本が近いかもしれません。セリフは吹き出しで音声は無く、効果音は本当に鳴ったり、書き文字だったりします。

第1弾の「コブラ・ザ・サイコガン」が作者の頭の中にある本来の「コブラ」の姿を再現したものとすると、この「キャロル」はプレイステーションコミックでできる表現を使って物語を作った、という印象を受けます。

で、ストーリーの内容は、近未来でドラッグ売りをする少年と、ちょっと悪役っぽいデザインの謎の正義の味方「キャロル」が、悪のカルト教団と戦うアクション巨編(ちょっとはしょりすぎ(^^;)で、感動有り、過去の因縁有り、お姉ちゃんのストリップ有り(ただしPSなのでその辺は…)と実は結構ありがちなものだったりします。
ですが、比較的少ないページ数で話はきれいにまとまっており、起承転結、いくつかのアクションの山場、効率よく配置された伏線、最後にちゃんと完結し、それでいてその気になればいつでも続編OK(^^;という点が模範的ですらあり、見事です。

それから、プレイステーションコミックの生命線はゲーム機ならではの演出なのですが、いやー、かっこいいのです、これが。
プレプレに収録された体験版だと、アクション部分のみの収録でダレていてあまり魅力を感じなかったのですが、製品版を通してみると「静」と「動」のメリハリのある演出がナイスです。
途中で格闘ゲームっぽい画面が出たりと意外な事をやってくれたり、1ページをわざと上下にスクロールさせて追われている恐怖を演出したりと、ただ効果音を出したり、絵をアニメーションさせるのが演出ではない、と私に思い知らせてくれました。

このように気合の入った秀作なのですが、とにかくキャラといい、全体的な印象といい、ちょっとダーク入ったぶっちぎりのアメリカンテイストなので、貸そうとしたのに逃げた友人は多数です。第一印象からしてかなりマニアックな気配がするので、ライトユーザーは見向きもしないかもしれないです。(--; ああ、もったいない…。

というわけで、あんまりセールス的には成功しているとは思いにくい当作品。そもそも「プレイステーションコミック」自体が値段(結構頑張っているとは思うけれど、2,000円では普及しにくいかも)やら何やらで難しい企画だと思います。
ですがSCEだからこそできる部分もありますし、ここで鍛えられた演出面の技術は必ず役に立つ日が来る、と思いますので、SCEさんには「PS界のNHK」としてこの手の企画の発掘、推進をしていただきたいと思う所存であります。

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