!…暴力的なネタバレ、グロテスクな内容暴露が含まれています。

集結してしまった世界

弟切草 蘇生編

(^-^; 私は好きだけど…
ジャンルAVG
発売月99/ 3
発売元チュンソフト
定価4,800円
メディアCDケース 1枚
クリア
1プレイ時間26時間(コンプリート)
難易度 ★★★☆☆
マルチエンディングYes
音声なし
メッセージ速度遅い
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1992年にSFCで発売された、記念すべき"サウンドノベル"1号のリニューアル移植版。
それまで過去の遺物のように扱われていた「テキストアドベンチャー」を、サウンドやエフェクトに凝り想像力を喚起する”サウンドノベル”として復活させた一本でした。
その後、「夜光虫」や「魔女たちの眠り」等の「サウンドノベル」が乱立。一時は「食い荒らされたジャンル」としてかなり冷え込んだ、なーんて事もありました。(^^;

ストーリーはSFC版と同じで、彼女の奈美とドライブに出かけた主人公が帰りの山道で遭難、弟切草に囲まれた不気味な洋館にたどり着いた所から始まります。
姿を見せない館の住人、車椅子にのったミイラ、巨大な水槽に潜む影、姿を消したヨロイ。弟切草の花言葉「復讐」は、何かの不吉な前兆なのか…。
主にテキストで展開され、時折出現する選択肢を選んで先に進みます。途中ゲームオーバーは存在せず、どんな選び方をしても何種類か用意されたストーリーのエンディングにたどり着きます。
また何度かエンディングを見ることによって、選択肢の数が増えて新しいストーリーに入る事ができるようにもなります。
主な展開はサスペンスホラーですが、追加されるストーリーには笑うしかないようなモノ(^^; やパロディシナリオもあったりします。

この「弟切草・蘇生編」は、背景グラフィックを全差し替え、ムービーを追加、選択肢の追加&変更、ザッピングシステムの追加等、テキストこそほぼSFC版同様ですが、かなり印象的に違うものになっています。

"サウンドノベル"2号「かまいたちの夜」が、主に一つの事件を見る角度が選択肢によって変化するフローチャート式の流れなのに対し、「弟切草」はあみだくじ式とでも言うのでしょうか、複数の文脈を選択肢によって行き来するという流れになっています。
例えると、桃太郎が鬼を退治に行く途中で「熊を仲間にする」という選択肢を選んだら、何時の間にか金太郎のストーリーになってしまっていた、という感じです。ちなみにその後「さるの性格が悪そうだった」という選択肢を選んだら、話がさるかに合戦になっていた、なんて事も起こります。(^^;

選択肢によって結果ではなくストーリーが左右されるというのは、それはそれでダイナミックで楽しいのですが、一つ犠牲になるものがあります。整合性です。

「わあ広い食堂ね、ってついさっきここで散々飲み食いしただろうが!」 とか、
「おい、弟を殺したって…。お前、さっきはお母さんを殺したって言ったじゃん!」とか、
昔、刑事コロンボが好きだったせいか、こういう矛盾が気になって気になってしょうがないんだよ、という方は気になってゲームどころではないかもしれません。(^^;;
PS版では、彼女の視点にザッピングする「奈美編」があるのですが、これがまた話がぶっ飛ぶ事が多く、伏線の張ってもその伏線のストーリーに行かなかったりして、整合性の破綻に拍車をかけています。(--;

又、選択肢によって全然違う知らないストーリーになるのは楽しいのですが、ふと選んだ選択肢のせいで知ってるストーリーに戻ってしまったり、最後の最後で知ってるエンディングになるとかなりがっかりします。(^^;
「かまいたちの夜」のらくらくフローチャートに慣れてしまうと、コンプリートのサポートシステムが一度選んだ選択肢にチェックマークを入れてくれるだけ、というのもちとツライです。(^^;;
同じエンディングを複数回見る事によって、エンディングにさらに先の展開が追加されるのですが(当然コンプリートには必須)、このため結果的に同じストーリーを何度も読まなくてはならなくなるのも、かなり悲しいものを感じます。
しかも一度エンディングまで行くと、また最初から読みなおしになります。セーブポイントから再開した場合、前回のエンディングの記録が消えてしまいます。(^^;要根性です。
「かまいたちの夜」を遊んだ後に、同じ感覚で遊ぶとヤケドします。(^^;;

いろいろ脅すような事を書いてしまいましたが(^^;、良いゲームだと思います。
1プレイは40分くらいですし(複数回プレイにはこれでもキツイですが)、グラフィックやムービーも「センスがあって気味悪い」って感じでナイスです。
文章はたまに変なカタカナが気になったり(「もう死ヌ!」とか)しますが、これはきっと味なんでしょう。(^^;

一度クリアしても次のプレイでは全然違う内容にできる、ただしそれゆえストーリーの整合性を犠牲にした「弟切草」。
整合性面を解決した代わりに、何度も遊ばせるという力を失った(そのために+αのシナリオが必要だった)のが「かまいたちの夜」。
整合性を合わせるという部分をゲームとし、ボリュームを増すことによってプレイ時間の問題は解決したものの、難易度等の新たな問題をかかえ、気がつくと"サウンドノベル"ではなくなっていた「街」。

チュンソフトさんは、ちょっと頑固な一面(スキップモード無しとか、バットエンド100個とか(^^;)が見え隠れする部分もありますが、いろいろな問題を抱えながらも、"サウンドノベル"のパイオニアとして従来のモノに甘えずに進んできた姿勢が「その意気や、良し」です。


で、ここからはSFC版をプレイした方向け、エンディング関係のネタバレなお話。
どうもこの「蘇生編」で私が好きになれない部分が、「すべての世界が集結した」点です。
PS版では、ほぼすべてのエンディングが最終的に「実は彼女の実家がいたずら好きで…」という話に集結します。
そうあの「もし何があってもぜったいに私の事を忘れないでね」という、一番のアンハッピーエンドながら、真のエンディングとも言うべきあのエンディングも、結局は「実は彼女の実家が…」というコメディに繋がってしまいます。(--;
PSオリジナルのなかなか先が気になる展開になる事もあるのですが、やっぱり最終的には「実は彼女の実家が…」

正直な話、昔の思い出がちょっと霞んだような気がしました。

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