「ハイパーサイエンス・エンターテイメント」ゆえに
エンターテイメントになりきれないジレンマ

ジ アンソルブド

(^-^) おもしろかったよ
ジャンルアドベンチャー
発売月97/05
発売元ヴァージン インタラクティブ
エンターテイメント
定価7,800円
メディアMケース 3枚
クリア
1プレイ時間1〜2時間
難易度 ★★★☆☆
マルチエンデイングYes
音声ムービー部分のみ
メッセージ速度早い
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この手の「ハイパーサイエンス」ものですが、私は結構好きです。(^^; あの「矢追純一のUFOを追え!!」も持っていたりします。UFO番組なんかも何となく見ている事があります。が、個人的には信じていません。(^^;
あの「これは本当にあった事件なのです!」とか「NASAやMJ12が事実を隠蔽しているのです!」とかいいつつ繰り広げられるあのハイパーサイエンスの世界は、立派なエンタテイメントだと思っています。

で、ハイパーサイエンス・エンタティナー、飛鳥昭雄氏原作の「ジ アンソルブド」ですが、実はかなり良質なゲームだったりします。ムービーやゲーム中の静止画のクオリティは非常に高く、セリフ回しや画面の取り方も洋物ドラマ的な世界観を貫いていて、好感が持てます。それでいて途中の選択肢は、「肯定、やや肯定、やや否定、否定」という日本人的な微妙なセンスで構成されており(これが絶妙な難易度設定になっている1か所ある。1か所だけなのが残念)、「未知の領域に踏み込む」という演出に一役かっています。
ストーリーも、途中で3つの全く違うシナリオに分岐し、それでいて微妙にリンクしていて一つの世界になっているという(ぼーっとしているとわからない(^^;)ハイパーサイエンス的な内容はともかく、力作です。

また、このゲームの主人公は新聞記者なので、ゲーム中に起きる謎の猟奇連続殺人事件に関する記事を作るのが目的なのですが、その記事の作り方が面白くて、まず黒幕・真相が何か(宇宙人とか、プラズマ兵器とか、カルト宗教教祖とか(^^;)を考え、ゲーム中に仕入れた情報群の中から真相に関わるものを3つチョイスするのです。これが結構真面目にやらないとわからず、適当にゲームを進めていると重要な情報を取り損なったりします。文献データ(人体発火とかロズウェル事件とか(^^;)を並べてもだめだし、あまり信用のできない人物の証言を入れてもだめです。犯人を宇宙人と仮定した場合、立証するのに必要な証言はどれか?などと考えているうちに、どっぷり世界にはまってしまいます。(^^;;
これで記事をつくると、「全然だめ・ゲームオーバー」か、「真相からは程遠い・Xレベル」、「真相には近づいたが…・Yレベル」、「真相解明、そしてその背後に…・Zレベル」のエンディング判定が出ます。ゲームオーバー以外はムービーによるエンディングが流れます。X・Yレベルでは選んだ内容によって複数ムービーが用意されており、真実の断片や共犯、Zレベルへのヒントが含まれており、Zレベルでは長編ムービーが流れます。これがドラマ仕立てでなかなかカッコイイ(特に宇宙人編)。エンディングムービーの数は3つのシナリオで15種類程。長い短いはあるものの、全体的にクオリティはかなり高いです。

では何がこの作品で良くないのか。実写というのもあるかもしれませんが(^^;、たとえ市場に目をそむけてもハイパーサイエンスという現実にありそうでない世界を一番身近に感じさせるには必要な手段でしょう。
では私にとってどこが良くなかったか、それは微妙な事ではあるのですが、この作品はフィクションだということです。いや、実際にあった事件じゃないのが残念なのではなくて。(^^; ハイパーサイエンスは「これは事実なのです!」と言う事によってある種のエンターテイメントとして成立している部分があると思うのですが、この作品はフィクションだとわかっている分、エンターテイメントとしては色あせる部分があるということです。
実際の資料である(?)「宇宙人の足跡(?)」とゲーム用の力作ムービー「宇宙人解剖ビデオ」を同列に扱うのは、どちらの魅力(本物としての魅力と良く出来ている特撮の魅力)も損なっていると思うのですが、いかがなものでしょうか。

ゲームではカットされたシナリオがあるらしく、総ての謎はそのものズバリとは解明されません。この辺は原作本でカバー?されていて、黒幕やゲームのエンディング後の話も書かれています。一つの世界として完成されている分、フィクション度はより強いです。

個人的にはよくできた良質ゲームだと思っています。内容が内容であるがゆえに、購買層やすすめられる人が限られているのは残念ですが。

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