ナオちゃん、呪いのカラス見たんだよ…

夕闇通り探検隊

(^-^) おもしろかったよ
ジャンルAVG
発売月99/10
発売元スパイク
定価5,800円
メディアPSケース 1枚
クリア
1プレイ時間20時間
難易度 ★★★★☆
マルチエンディングNo
音声時々
メッセージ速度早い
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一部で高く評価されたオカルトホラー系アドベンチャー「トワイライトシンドローム」スタッフが作りましたというシールがパッケージに付いている(^^; 横スクロールホラー系アドベンチャーゲーム。

「トワイライトシンドローム」の続編、ということになっている「ムーンライトシンドローム」は一番恐ろしいのはお化けより人間なのよ&悪との超能力大決戦、キラークイーン第三の爆弾バイツァダストもビックリの時系列、ミステリアスというよりは自己満足から来る説明不足だろう、ってなサイコホラー系で、トワイライト愛好家を涙させたものです。(T^T)

#こう書くと「ムーンライト」に恨みでもあるのかということに、いや実際恨んでますが(^^;、続編というものは基本的に前作と同等、もしくは延長線上のものが望まれると思ってます。
ムーンライトはトワイライトの延長線上と思わせておいて、毛色もテーマも命題も真っ向から対立するほどの違いがありますし、内容も文字通りトワイライトを殺してます。こういう展開のゲームはあっても良いとは思いますが、(言葉は悪いですが)キャラものとしては失格でしょう。
「ムーンライトシンドローム」のスタッフが作りました、という「シルバー事件」は正しいと思いますし、というか最初からこうしてよ。(--;


というわけで今回の「夕闇通り探検隊」ですが、ムーンライトで拳にぎりしめて涙した方(^^; お喜びを。これは「トワイライトシンドローム」の正統後継者です。

村瀬直樹(ナオ)は陽見台中学の2年生。隣のクラスの美少女・椎名久留美(クルミ)に告白しようとしますが、上手く言い出せずに「犬の散歩に一緒に行きませんか?」と言ってしまいます。(^^;
喜んでついて来るクルミ。ついでにナオの幼馴染のサンゴ(本名・平内繭)も偶然を装ってついてきます。
行き先は学校の近くの森にある鳥塚。最近学校内で噂になっている「人面カラスを見ると100日後に死ぬ」の検証にやってきたのです。ひでぇデートコース。(^^;;

何故か嫌がる愛犬メロス(雑種)を途中に繋ぎ、「じゃ、あたしたちここで待ってるから」とサンゴに言われて一人ぼっちになったナオ(--; は、一人鳥塚に向かいます。
すっかり夜もふけて真っ暗な鳥塚にたどりついたナオ。不気味ですが、何も無い様子。ところが、安心して帰ろうとしたナオの背後から鳥の羽音が…。
振り向いたナオが見たものは、少女の顔を持ったカラス、そう人面カラスだったのです!(笑っちゃダメです。(^^; いや、このシーンはマジでコワイです)
そして人面カラスは怨念のこもった目で語りかけます。「あと100日で誰かが死ぬ…」
失神するナオ。様子を見に来たサンゴとクルミに助けられますが、彼女らは人面カラスなど見てないと言うのです。
ここから陽見市の噂をめぐる3人の100日間が始まったのでありました。

基本は横スクロールのアドベンチャーで1日が1ターン、さらに主に噂を入手する学校パート、と街中を探索する散歩パートにわかれ、セーブは1日の終了時のみ可能です。各パートは3人のうちから1人を選択、選んだキャラをメインにして探索を進めます。途中交代はできません。 (ちなみに人面カラスを見ちゃったのは5月6日、運命の100日目は8月14日になります)

学校パートでは5分間限定で校内(そんなに広くない)を駆けまわり、噂を聞き出すのが目的です。キャラによって交友範囲が違い、噂によって入手できる期間&キャラが決まっているのが面倒と言えば面倒です。(^^; ちなみに主な入手方法は立ち聞き。(^^;
例えばサンゴは、トイレにたむろしている女生徒グループ・通称「おトイレ軍団」(--; から噂を入手できますが、実はサンゴと彼女らは犬猿の仲(クルミの場合は相手にしてもらえない)なので、普段はあることないことをつらつらと喋っていますが(メッセージウィンドウに勝手に会話が表示されていく)サンゴが近づくと話を途中で止めてしまいます。(^^;;
そのため、ちょっと離れた場所で彼女らの話を最後まで立ち聞きした後、近づいて彼女らを挑発(^^;、必要な事を全部聞き出すという手順を踏む必要があります。

他にも、廊下を走っているヤツを追い越して話しかける(^^; とか、何日もかけて話しかけて友達になると噂を提供してくれるようになる、等もあります。
学校の無い日曜日は、選んだキャラの私生活が覗けます。(^^; また、時間が余ったときは「Skip scene」で飛ばす事もできます。

学校パートが終わった後は、愛犬メロスとの散歩(にかこつけた探索)パートです。
散歩パートでは探索と「相談」ができます。「相談」コマンドは現在入手している噂の内容を3人で話し合う、というもので噂を入手したら「相談」をしないとその噂一連のイベントが始まりません。相談内容で、陽見市のどこら辺に誰で行けば良いのかがだいたい見当がつきます。つかないときも結構ありますが。(^^;;

ナオはこのゲームの主人公的存在で、内気で一番常識的な行動を取ります。人と交渉する時はナオ中心で行けば6割方(^^; は大丈夫です。
一人っ子でどちらかと言えば優等生。親はナオがイイ子すぎて心配してますが、後半は塾に行くフリをしてゲーセンに入り浸っているのが笑えます。(^^;;
霊感はそこそこあって、幽霊の存在もちょっとは信じている様子。
ゲーム終盤はナオの視点も追っていくと、物語はキレイに終われます。(^^;

サンゴはナオの幼馴染で、自分の繭という女っぽい名前を嫌ってサンゴと名乗っています。夏のコミコミに向けて純文学の同人誌に原稿を書いているらしいです。現実主義で思った事をズバズバ言うので友人は少なめ。(^^;; ナオでは交渉が生ぬるそうな時(^^; や、聞きこみが必要な時に出番が多いです。

クルミはこのゲームの中心とも言える存在で、顔は可愛いのですが、天真爛漫をさらに突き抜けた奇抜な行動で「宇宙人」と呼ばれて学校では蔑まれています。
というのも彼女はいわば彼岸の住人、霊感が強くて霊の存在が当たり前のように見えるのです。
彼女本人はそのことを気にしていませんが、両親が心配して精神科に通わせています。その精神科医タケヒコはクルミの一番の理解者だったのですが、成果が見えない事をあせった母親が医者を変えたところからストーリーは大きく動いていくことになります。
ゲーム前半はクルミを追いかけないと、話がわからなくなるかもしれません。(^^;;
でもって散歩モードでクルミを選ぶと、トンネルで変なモノが動いているのが見えたり、話している相手に下半身のない女性がしがみついているのが見えたりします。(^^;
ホンモノの心霊現象っぽい時や、十字路に時々出現するカスカ(陽見市の守護霊らしい、ちょっと不気味な(^^; 女の子)に会う時はクルミを選択します。

それから、このゲームには「霊障」という隠しパラメータがあって一日ごとに+1されます。これが増えてくると、夜中にうなされたり、枕元にヤバいものが立っていたりポルターガイストが起きたりと、大変楽しい? 夜が過ごせます。
一日+1以外にも、陽見市きっての心霊スポット・駅西ガード下に入ったり、罰当たりな事をすると増えていき、100まで溜まると呪いが発動、死んでしまいます。(--;
市内に有る神社orお寺にお参りするとその日は+1されないという手もあるのですが(神社と仏閣がごっちゃになっているトコロが日本人ぽくてナイス)、現実主義者のサンゴはお参り用に線香を調達するため他の墓から持ってくる(--; とか、本来見えちゃいけないモノが見えるクルミは、調べちゃいけないモノを調べちゃう事があるので注意です。
ゲームオーバーになっても、その日から再開もできるので気にしなくてもいいのですが、「あと100日で誰かが死ぬ…」と言われて100日前に死んだら洒落にもならないので気をつけましょう。

で、元に戻って「相談」コマンドの話ですが、通りの人や店の人から情報を聞いたり、怪しい所を調べて調査に進展があった場合も「相談」する事で次の行動が把握できる事があります。

だがしかし! 学校パート同様、散歩パートも実は時間制限があって、ゲーム内時間で16:50〜20::00まで(実際時間は7分くらい?)のうちにこなさないといけません。(ポーズはかけられる) 実は「相談」中も時間は容赦なく経過するので、余計に話しまくっていると話が進みません。(^^;
一応「相談」内容が変わるとメニュー画面でわかるようになっているのと、別に1日で無理に噂を解決する必要はない、1日にやらなきゃいけないイベント数は多くない、等などそんなにはキツクはないです。が、噂自体も賞味期限があって、入手して大体1〜2週間で解決できないと迷宮入りするのが辛いところです。

ほとんどの噂が、2〜3人がかりでクリア(初日サンゴ、次の日クルミ、最終日ナオ等)で、選択キャラを間違えると全くイベントが進まないためその日はお流れ(--; になってしまいます。でもって、そのまま1日を無駄に過ごすか、リセットして泣く泣く学校パートからやりなおす事になります。
これでまたまた選択キャラを間違えた場合は、そのまま2日目も無駄に過ごすか、リセットして泣く泣く3度目の学校パートをやりなおす事になります。(;_;)
この点がクセモノ、というか、悪い意味でも「トワイライトシンドローム」の後継者と言えるかもしれません。(^^;

ただ、探索中に時折挿入される「パノラマモード」は秀逸で、これは本当によくできてます。自分の視点で360度を広角レンズで見たような感じで見まわす事ができます。とにかくこれだけでも意味も無く不安になる事ができ(^^; また効果音の使い方が上手くて、「何だか後ろにイヤなものがいるみたいだけと、振り向くのやだな」という実感が持てます。(^^;;
結局何にもなくて何だつまらない、とモードの抜ける直前に強引にあらぬ方向を振り向かされて、見たくないモノを見せつけられるも、何だかいや〜んでイイ感じです。(^^;;

噂の数は全部で44で、人面カラス関係や、都市伝説、大マジな心霊現象から枯れ尾花まで種類はいろいろあります。1プレイで全部クリアしようとすると「同級生2の7人同時攻略」並の忙しさになりますが、100日目のバットエンド(ゲームオーバー扱い)を回避するには半分程度クリアすればOKなので、あせって走りまわらなくても大丈夫です。またクリア後には1周目に解決した噂が解決済みになった状態で、5月7日から再スタートもできます。

トワイライトと比べると噂の一つ一つの内容は軽いですが、100日目への伏線などが随所に含まれてる事からこのゲームをひとつの噂としてとらえる事もできます。
「トワイライトシンドローム」の短所として上げられていたボリュームは「夕闇」では克服されており、場所場所を切り取って表示されていたトワイライトの雛城市に比べても、どこかで見たような(セブンイレブンもどきミスタードーナッツもどきもある)親しみのある街並み、街の通行人の多さ少なさの侘び寂び、夕陽から街の灯りへとの移り変わり等のグラフィックの向上はもちろん、背後から聞こえるような効果音、味のある手書き調フォントも含め、数々の噂を配置された陽見市の完成された世界は美しいです。

エンディングもとってつけたようなハッピーエンドではないものの、後味は悪くなく、変に後に引くものも無く、「夕闇」の世界が完結されていて好感を持ちました。
システム的にはまだいくつか難点がありますが、全体的には「トワイライトシンドローム」を越えたと言って良いでしょう。
次に「噂」に出会うときは、「トワイライトシンドローム」ではなく、「夕闇通り探検隊」を越えるものを期待しています。


このゲーム、にゅうが久々に当たった小粒の傑作で、物悲しいエンディングも今まで見たゲームのエンディングのベスト10に入るくらい好き(ラストのサンゴのセリフがアレでなければ、ベスト5(^^;)なんですが、一つこれだけは許せんというのがあります。
スタッフロールの曲があってなさすぎ。(-- # エンディングの余韻をこっぱみじんにしてくれたので、評価マークを1ランク下げさせてもらいました

それとゲームを始めたら、最初にやる事は「メッセージスピードを最速にする」デス。リアルタイムですから死活問題です。(^^;;

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