■OTHER TIPS.01 漫画家と税金

 この章では、あまり知られていない話題や表沙汰にしたくない情報を開示します。まんが関係者にはちょっぴりお得(?)。第一回は「漫画家の定義と税金」です。内容はちょっとややこしいので、必要になったときだけ読んでください。

◆扶養家族でいるには

 アルバイトなどをしたとき、父親から「103万以上は稼ぐな」とか言われたことのある人はいませんか?どんな職種でも103万以上の収入があるときは、被扶養家族から外され、社会人として収支報告をし納税しなくてはいけないのです。投稿をして何千円かの収入があっても関係ありませんが、それが何十万・百万単位の賞金であれば、(一年間で○○賞×3回分とかの賞金でも)、その瞬間からあなたはめでたく「漫画家」と相成るわけです。その反面、お父さんには今まで控除を受けていた分の税金がどばっとかかるわけです。それがあなたの収入よりも多かったとしたら・・?

さらに注意していただきたいのは、漫画で得た収入は雑収入としてお店などで働いたアルバイト代とは別に計算されると言うことです。103万とは「基礎控除38万」「給与所得から差し引かれる金額65万(基本)」にわけられています。生命保険に加入していたりや高額医療にかかった場合はその差し引きもありますが、全体から見れば僅かな金額ですのでここでは割愛。漫画などの原稿料はお給料ではないから65万の方は引いてもらえないのです。自分で「紙代」「トーン代」などのレシートを取っておいて、「必要経費」としてさし引くのです。差し引いた金額が38万以下であれば、申告の義務はありません。なお、65万も一般的な数字で、収入が多ければその値が変わっていきます(約160万以上)。

◆確定申告に行こう

 うっかり扶養から抜けてしまった、結果的にそうなったら仕方がない、腹をくくって確定申告に行きましょう。確定申告というのは簡単に言うと「前年度の所得を申告し還付・追徴を受けること。」これによって課税証明書を発行してもらうことができるようになります。
 面倒だから申告なんて行かないという人はたくさんいますが、投稿の賞金も含めて、出版社や企業からの支払いには原則として源泉徴収税が天引きされています。天引きされるのはサラリーマンの所得税と同じことですが、税率は通常の給与所得より割高になりますし、必要経費の分を計算すればたいてい還付されます。
 それに将来大物になる可能性も考慮して確定申告の仕方を覚えておくことをおすすめします。

私の場合、被扶養家族から抜けたくなかったので、その間の労働はパートを年間65万以下にしつつ、漫画を38万以下にしていました。漫画の収入が少なかったときはその分パートが多くてもいいが、逆はダメです。

 ところで今年度、パートをやめた私は「来年からは漫画家として開業し青色申告するように」と言われてしまいました。漫画の収入は変わらなくても、ほかにしている仕事がなくなると、1円でも漫画家だそうです。やめなくても、一番収入の多い業種を職業と名乗るのが基本。・・なるほど、そうだったのか。それはわかりやすい。つまり会社に行きながら漫画を書く人は会社員で、会社のお給料より漫画の稼ぎが多くなると漫画家。親の扶養に入っているうちは学生もしくは無職。それでも確定申告をしたいというなら漫画家として申告しても可。夫の扶養なら主婦・・でも実は無職(年金関係ではサラリーマンの妻、と呼ばれます)。収入が増えて独立すると漫画家。すくなくとも税務署から見るとそういう振り分け方ができるそうなのです。

◆青色申告は絶対じゃない

 と言われて早◎年・・・。いまだに白です。  ようやくわかったことなのですが、白から青になるときって、メリットが多いとは限らないのです。デメリットといえば、日ごとの出納簿(いくらお金を出し入れしたのか、何のための費用なのか、現金かそれ以外かをつける帳簿)をつける必要がある、ということ。これが結構大変で、毎日何か漫画関係の買い物しているとは限らないので必要性もあまり感じられない。家計簿やお小遣い帳をずっとつけているまめな人でなければ、いきなり始めるのは正直大変です。で、そこまでするメリットといえば、
 (1)収入が多く(約400万位)、累進課税の格好のターゲットになってしまう場合
 (2)家族を手伝いにし、給料を払っている場合。

 アシスタントさんを頼むケースもあると思うのですが、白のままだと、家族に対する支払いは控除の対象からはずれてしまいます。家族以外であれば「外注」というかたちで経費にすることが出来るのですが。

 で、私の場合はそんなに稼いでいないのと、家族にお支払いをしていないので(手伝ってもらうことはある)ま、白のままでいいやということになったのです。最近開業もしましたが、当分白でいるつもりです。そうそう、開業についてお話しできることもややできましたので、そのうちまた新作まんがみちをアップします。年内には・・・。

税金の計算は煩雑で例外も多く、しょっちゅう改正もされるため、漫画で申告する人はできるだけ税理士さん(無料相談)についてもらって申告書を作成してください。そのうち慣れますのでがんばりましょう。確定申告は毎年2月半ばから3月半ば、税務署の他、市役所や区役所などで窓口が開いています。