交流分析の考え方を基に
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交流分析では、全ての人は3つの“私”を持っていると考え、それらを“自我状態”と呼んでいます。自我状態は
「感情および思考、さらにはそれらに関連した一連の行動様式を総合した一つのシステム」と定義されています。精神分析での“自我”とは少し異なるようです。
自我状態は大きく分けて3つあります。
“親” の自我状態:P(parent)
“大人”の自我状態:A(adult)
“子供”の自我状態:C(child)
Pはさらに2つに分けられます。
批判的な“P”:CP(critical Parent)
保護的な“P”:NP(nurturing parent)
Cもさらに2つに分けられます。
自由な “C”:FC(free child)
順応した“C”:AC(adapted child)
これら(CP,NP,A,FC,AC)は全ての人が持っていますが、どの要素が強くてどの要素が弱いかは人によって異なるようです。その違いが個性だと思います。
西暦2000年に少年による凶悪事件がマスコミで騒がれました。その時の反応を5つに分けてみましょう。
CP:「許せん!厳罰に処すべきだ。」
NP:「あの子はきっと苦しんでいたのね。助けてあげなくては。」
A:「原因はどこにあるのだろう?至急問題を解決しなければ。」
FC:「すごーい。」「ばっかじゃないの。」
AC:「…」
一人の人の中に全ての自我状態があるのですから、一人の人がいくつかの違った自我状態で反応をすることがあります。最初は、CPで反応していた人が、いろいろな事実を知ってAで反応したり、身近にも犯罪を犯した状態に共感して苦しんでいる人がいることを知ってNPで反応するようになったりすることもあります。
交流分析の目指す人間は、PやCの自我状態がAに統合されている人間です。全ての自我状態を豊かに兼ね備えていて、自分の意志で全ての自我状態を自由に使える人間を、交流分析では、統合された人間と呼ぶようです。
さて、それぞれの自我状態を簡単に説明すると次のようになります。
これは、自分を育ててくれた親から取り入れた部分です。
「CP」は、自分の価値観や考え方を正しいものとし、それを譲ろうとしない部分で、「偏見的」「封建的」「権威的」「非難的」「懲罰的」「批判的」「排他的」という性質があります。言葉の例は「当然でしょ」「理屈を言うな」「言う通りにしなさい」「だめねえ」「バカだわ」「〜しなくてはいけない」「あとで後悔するぞ」「No!」があります。
「NP」は、親切、思いやり、寛容な態度を示す部分で、「救援的」「甘やかし」「保護的」「慰め」「心遣い」「思いやり」という性質があります。言葉の例は「〜してあげよう」「分かるわ」「淋しいのね」「悔しいのね」「よくできたよ」「大丈夫だよ」「可哀想に」「よかったね」「頑張りましょう」「まかせておきなさい」「いい子ね」「心配しないで」「Yes!」があります。
これは、現実を客観的に評価することを目的として、自律的に働くコンピュータのような部分です。
「A」には「情報収集志向」「事実評価的」「客観的」「合理的」「知性的」「分析的」という性質があります。言葉の例は「まてまて」「誰が?」「なぜ?」「いつ?」「どこで?」「どのように?」「〜と思う」「具体的に言うと」「考えてみましょう」「私の意見では…」があります。
これは、子供時代と同じような感じ方、考え方、振る舞い方をする部分です。
「FC」は、親のしつけの影響を受けていない、もって生まれた自然な姿で、「本能的」「積極的」「創造的」「直感的」「感情的」「好奇心」「自発的」「行動的」という性質があります。言葉の例は「わあ!」「きれいだ!」「汚い!」「痛い!」「〜がしたい」「好きだ」「嫌いだ」「欲しい」「お願い」「やって」「できない」「助けて」「嬉しい」があります。
「AC」は、自分の本当の感情や欲求を抑えて親や教師の期待に沿おうと努めている部分で、 主として両親の影響のもとに出来上がったものです。「順応的」「感情抑制」「反抗心」「消極的」「依存的」「良い子」という性質があります。言葉の例は「困るんです」「〜していいでしょうか?」「よく分かりません」「ダメなんです」「どうせ私なんか…」「〜するつもりです」「分かってくれない」「悲しい」「憂鬱だ」「淋しい」「悔しい」「もういいです」「ほっといて」「私はバカだから」「みんな私が悪いの」があります。
自我状態の配分に大きな偏りがあると、心身の平衡状態が乱れ、さまざまな症状や行動の異常が生じます。大きな偏りがなくても、普通の人は各自我状態に強弱があり、多少の偏りがあります。この偏りは自分の行動パターンだけでなく、コミュニケーションにも影響があります。トラブルを避けやすくするには、まず自分の自我状態の偏りを知ることが有効です。この偏りを図にしたものがエゴグラムです。
参考文献を元に、チェックプログラムを作りましたので、お試しください。
成人用と中学生高校生用があります。
通常、それぞれの自我状態は独立していて、全ての自我状態を意識できます。しかし、ある自我状態が意識から排除されたり、自我状態AがPやCに汚染されていることがあります。このような状態だと、正常にそれぞれの自我状態を正常に発揮できなくなります。
それぞれの自我状態を使って、心の中で対話することができます。心の中のCPやNCがACやFCに語りかけたり、AがPやCに語りかけたり、逆に語りかけられた自我状態が答えたりすることができます。
他人とのコミュニケーションのときに起こりやすい自我状態の組み合わせがあるようです。例えば、CPで語りかけると、相手のACが刺激されて、CPとACの対話になります。また、発信者が意図的に相手のある自我状態に語りかけることがあるようです。